知っておきたい外壁塗装の流れとスケジュール

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外壁塗装は近隣への挨拶から足場の解体まで、実に細やかな工程で行われます。

事前に作業内容やスケジュールを知っておくと、ご家庭にあったタイミングで依頼することができ、工事期間中の生活に向けて準備することもできます。

本記事では外壁塗装にかかる期間、依頼してから作業完了まで流れ、工期中に生じる生活の制限などについてご紹介します。

 

 

01 戸建ての外壁塗装にかかる期間

外壁塗装にかかる期間は、住宅の規模、作業時の天候、建物の築年数や状態によって異なります。

まずは工期がおおよそどのくらいかかるものなのか、また遅延するケースについて見ていきましょう。

建物の規模別で見る工期

一般的に戸建て1軒の外壁塗装に要する期間は最低でも7日はかかると言われています。

当然ながら塗装する面積(建物の大きさ)に比例して、工期が長くなります。目安としては以下の通りです。

●延床面積30坪以下の小規模住宅…7日〜10

●延床面積30坪〜50坪程度の中規模住宅…10日〜14

●延床面積50坪以上の大規模住宅…2週間以上

外壁塗装の工期が延びるケース

外壁塗装は「いつまでに終わる」というはっきりとした期日を設けられない工事です。

屋外の作業ということもあり、やむを得ない理由で工期が延びることがあります。

主な理由として次のようなものが挙げられます。

●天候不良により作業ができない

●湿度が高すぎるため、塗装作業ができない

●使用する塗料によっては、乾燥に時間がかかる

●外壁の劣化が激しく、下地処理に時間を要する

特に梅雨や台風シーズンの作業、築年数が長い建物は工期が長くなることが考えられます。

また雪が降る冬は外壁塗装ができないと思われがちですが、条件が揃えば作業が可能です。

冬はリフォーム業界の閑散期にあたり、お得に外壁塗装が行えるチャンスでもあります。ぜひ以下の記事をご参考ください。

<関連記事>

「今から外壁塗装がしたい!雪の心配がある冬に塗装するメリットはある?」

 

 

02 外壁塗装の流れと各工程の内容

高圧洗浄機で外壁を清掃する作業員

外壁塗装は細かい手順で進められていきます。作業全体の流れを知っておくと、依頼主側が行うべきことを整理でき、作業の進み具合を把握することもできます。

ここでは主な工程を11段階に分け、全体の流れと1つひとつの作業内容を確認していきましょう。

(1)現地調査・見積もり

施工会社に見積もりを依頼すると、担当の方が自宅を訪問し、現地調査を行います。

外壁の状態や足場を設置するスペースを実際に確認し、どういった塗料を使用するかなどを打ち合わせ、それから見積もりが出されます。

訪問日を設けるなど面倒な点もありますが、見積もりは2〜3社に依頼するのがおすすめです。

相場や対応を比較することで、より信頼できる業者を選ぶことができ、納得した上で着工できます。

特に初めての外壁塗装であれば、このタイミングで信頼できる業者を見つけておくと、次回の外壁塗装を依頼する際もスムーズに進められるでしょう。 

(2)近隣への挨拶

作業が開始される一週間前頃に、近隣への挨拶を行います。

外壁塗装中は車両の出入りがあったり、作業音や塗料の臭いを発生させたりと、近隣の住環境に影響を及ぼします。

一言挨拶しておくことで未然にトラブルを防ぐことができ、今後もお互いが気持ちよく暮らしていくことができます。

挨拶の際には、以下のような内容を伝えるのが一般的です。

●外壁塗装作業を行う期間

●土日の作業の有無

●騒音、塗料の臭いが発生すること

●車両の出入りがあること

●高圧洗浄時に水が飛ぶ可能性があること

ほとんどの業者が依頼主に代わって近隣を伺いますが、できることなら依頼主本人も同行した方が心象もよいでしょう。

(3)庭やベランダの片付け

足場が設置される前に、庭やベランダを片付けておく必要があります。

鉢植え、自転車、物干しなどは、置き場を決めて移動させましょう。

また、この機会に不用品を処分する場合は粗大ゴミ回収の依頼なども必要となります。

(4)足場と保護シートの設置

手の届きにくいところでも安全かつ効率的に作業が進められるよう、家全体を囲むように足場が組まれます。

現在は、平屋の塗装でも足場を組むのが一般的です。

組んだ足場の外側に張られる保護シートは、高圧洗浄時の水や塗料が飛び散ることを防ぐ役割があります。

足場を搬入するトラックの音はもちろんですが、組み立てる際にはかなりの金属音が発生します。

在宅している場合は、防音のために窓を閉めておく、家の中が見えないようカーテンやブラインドを使用する…など準備しておくと良いでしょう。

(5)高圧洗浄

高圧洗浄で外壁に付着した埃や苔などを落とします。

きちんと汚れを取り除くことで、塗料が剥がれにくくなり、仕上がりもきれいになります。

高圧洗浄が行われる時は、水が室内に入らないよう玄関や窓をしっかり施錠しましょう。

また高圧洗浄のモーター音や洗浄音もかなり大きめです。

(6)下地処理

外壁のひび割れやサビといった劣化部分を補修する下地処理が行われます。

雨漏りなどを防ぐ大事な作業です。

築年数が経っている建物であれば、この工程に時間を要し、スケジュールが後ろ倒しになることもあります。

(7) 養生

塗料が付着しないよう窓や床を養生シートでカバーします。

窓は外側から密閉するように養生してしまうので、基本的に開けることができなくなります。

また窓のシャッターについては、開いたまま養生することも、閉めたまま養生することできます。

ただし、養生後は開閉できなくなります。少しでも自然光を入れたいなら開いたまま養生を、防犯を優先するなら室内が暗くなりますが閉めたまま養生してもらいましょう。

(8)下塗り

いよいよ塗装の段階に入ります。

塗装は3回に分けて行われ、最初に行われるのが下塗りです。

下塗りとは塗装の土台となる工程で、たいへん重要なものです。

仕上げの塗料をより密着させる、外壁の補強、外壁材の既存の色を隠すなど、さまざまな役割を担っています。

(9)中塗り・上塗り

下塗り後に一定の乾燥時間を置いたら、中塗りをします。再び時間を置いて、最終的に上塗りで仕上げます。

中塗り、上塗りという名称が付いているものの、実際には同じ塗料を2回に分けて塗装することになります。

粘り気のある塗料は、1度に厚く塗ろうとするとムラができるため、この方法が採用されています。

少量ずつ重ね塗りすることで、美しい仕上がりになるほか、各塗料の持つ性能(防水性、遮熱性など)を発揮させることができます。

(10)完了検査

上塗りが乾燥した後、完了検査を行います。

完了検査とは、塗り残しや飛び散りがないか依頼主の立ち合いのもと行う最終チェックです。

気になる箇所や万が一塗り残しがあった場合は、手直しを行います。

足場を解体してしまうと作業ができなくなる場所もあるので、この段階でしっかり確認しましょう。

(11)養生・足場の撤去

完了検査が済んだら、養生を外し、足場を解体します。足場の撤去でも、やはり大きめの金属音が発生します。

 

 

03 外壁塗装期間の生活

部屋干しされたシャツと洗濯物

外壁塗装で最も気になるのが作業中の過ごし方ですね。

どういったことに制限が生じるかを確認し、生活が少しでも過ごしやすくなるように備えましょう。

庭やベランダに洗濯物が干せない

庭やベランダに足場が組まれるため、屋外に洗濯物を干すことができません。

普段から洗濯物を外に干しているご家庭は、衣類の乾燥方法を考えておく必要があります。

浴室乾燥機や洗濯乾燥機がない場合は、室内干しするためのアイテムを用意するのもいいでしょう。

またコインランドリーを使用する予定であれば、混雑状況をリサーチしておくなどといった準備ができます。

 

自由に窓が開けられない

養生により、基本的に窓は自由に開けられなくなります。

しかし、換気などを目的にどうしても使用したい窓があれば、事前に業者に相談してみましょう。

場合によっては、窓が開閉できる方法で養生してくれることもあります。

換気する際は、塗料の臭いが家の中に入り込むこともあるのでタイミングを計りながら開閉しましょう。

エアコンや換気扇を使用するなら特別な養生を

室外機も養生の対象となり、ビニールシートで全体を覆ってしまうため吸排ができず、 使用不可となります。

工期中もエアコンを使用する予定なら、吸入口・吹出口を塞がないメッシュタイプのシートを使用した養生をお願いしましょう。

また 排気口の形状によっては使用できるように養生してもらえます。

特に夏場の塗装で、窓が開けられない上に、エアコンや換気扇も使用できなくなるというのは、避けたい状況ですね。

体にも良くない環境になってしまうので、施工会社に確認しておくことをおすすめします。

常時在宅しなくても工事ができる

外壁塗装では作業員が室内に入ることがないため、常に在宅する必要はありません。

立ち合いが必要なのは、足場を設置する前の現地調査、塗装後の完了検査の時。

また近隣の挨拶に同行する方は、その日も在宅が必要です。そのほかの工程は依頼主が不在でも進められます。

足場の設置や解体、高圧洗浄時など大きめの音が発生する作業日には、ストレス回避のため逆に出かけてしまうというのも1つの手です

車の移動が必要な場合もある

足場の設置、高圧洗浄、足場の解体の時は、マイカーの移動が必要となる場合があります。

理由としては足場の運搬時に車を傷つけてしまう、洗浄水が飛散してしまうといったことが挙げられます。

それ以外の作業時は、車を養生して停めておくことができ、使用したいときはすぐ養生を外すことも可能です。

ただし、庭が狭い、家屋と駐車場の間にあまりスペースがないといった際には、駐車場にも足場を設置することがあります。

そのような場合は、数日間、別の場所に車を停めることになります。

近隣のコインパーキングなどを探す必要があるので、現地調査の段階で業者に確認しておきましょう。

また基本的に駐車料金は依頼主の負担となります。

空き巣に狙われやすいので戸締まりをしっかりする

足場に囲まれ、さらに保護シートが覆われた住宅は、人目に付きにくくなるため、空き巣に狙われやすいと言われています。特に作業後の夜間や休工日に出かける際は、しっかり戸締りをするよう心がけましょう。

 

 

04 まとめ

外壁塗装にかかる期間や流れを知っておくと、各家庭にとって都合によい時期に依頼することができ、施工主との話し合いもスムーズになります。

また各工程の内容をある程度知っておくことで、その都度どのくらい作業が進んでいるのかが把握でき、安心感も得られます。

外壁塗装中は普段と違う生活を送ることになります。

その中でもあまりストレスを感じることのないよう、こちらの記事を参考に計画を立て、生まれ変わったマイホームを気持ちよく迎えましょう。