屋根が軽いと耐震性が向上する?
リフォームにおすすめの屋根材と特徴をご紹介します
INDEX目次
住宅リフォームライター
永沢リョウ
宅地建物取引士
後悔しない外装リフォームの方法を多くの方に知ってもらうため、ライターとして活動中。 外壁塗装や屋根工事を中心に、これまで集めた現場の声や施工主の声をもとに執筆を行う。
屋根が軽いと耐震性が向上するのをご存知でしょうか。
重たい屋根だと重心が高くなって地震の際に揺れ幅が大きくなり、建物に大きな力がかかります。
一方で屋根が軽いと重心が低くなり揺れ幅が小さくなるため、倒壊などのリスクも軽減されます。
日本は地震大国です。屋根材のリフォームを行って屋根を軽くし、地震に備えてはいかがでしょうか。
今回は耐震リフォームにおすすめの屋根材と、その特徴を詳しく紹介します。
地震による被害を少しでも抑え、安心して過ごせる住まいづくりの参考にしていただけたら幸いです。
01 耐震性と屋根の重さの関係とは?
冒頭でもお伝えした通り、屋根の重さによって地震による揺れの大きさは異なります。
建築基準法では屋根材の種類で「非常に重い屋根」「重い屋根」「軽い屋根」の3種類に分類されています。
屋根が重いからといって必ずしも耐震性が低いというわけではありません。
しかし、地震対策の一つの手段として屋根のリフォームをするという選択肢があります。
なお、国土交通省では様々な大地震の経験から、2030年までに耐震性が不十分な住宅をおおむね解消することを目標として掲げ、耐震化の支援をしています。
まずは、屋根リフォームなどを行っている業者に相談をし、建物の耐震性を調査してもらいましょう。必要に応じて屋根材などのリフォームを含めた、耐震改修リフォームや建替えを検討されることをおすすめします。
02 屋根の種類と重さ
屋根材には様々な種類があり、重さも全く異なります。
どのような屋根があるのか「非常に重い屋根」「重い屋根」「軽い屋根」の中からいくつかご紹介します。
「非常に重い屋根」の土葺き屋根
土葺き屋根は昭和初期の頃までは主流の工法でした。
瓦の下に大量の土を敷いて瓦を重ねていく工法で、土の重さで瓦を固定します。
断熱性があり瓦が飛びにくいというメリットがある一方で、屋根が重たくなり耐震性に弱いデメリットがあります。
大きな地震では瓦が崩れ落ち、建物が倒壊する恐れがあります。
「重い屋根」の瓦屋根
日本家屋に多く見られる屋根で、伝統的な和瓦と欧米を中心に使われている洋瓦に大きく分けられます。
瓦自体が高額で材料費が高く、加えて施工費用も高いです。
耐久性や断熱性に優れていますが、他の屋根材と比べて重さがあり、地震や台風などの災害時に瓦が落ちるリスクもあります。
「軽い屋根」スレート屋根瓦・ガルバリウム鋼板
スレート屋根瓦はセメントに繊維を混ぜた屋根材で、従来の瓦の約半分の重さです。
阪神淡路大震災以降に屋根の軽量化が着目され、使用されるようになりました。
断熱性や防音性に優れていますが、約10年ごとのメンテナンスが必要になります。
ガルバリウム鋼板は鉄の表面にアルミや亜鉛をメッキ加工した屋根材です。
スレート屋根瓦より薄く軽量で耐震性に優れていますが、断熱性や防音性は高くありません。
屋根材の裏側に断熱材が貼り付けられた断熱材一体型のものもあるので、求める性能によって適した商品を選ぶといいでしょう。
03 リフォームにおすすめの屋根材は?
リフォームで屋根材を選ぶ際は、耐用年数や費用の他にもデザイン性や断熱性など様々な要素を考慮する必要があります。
それぞれにメリット・デメリットがありますので、ご自身が求める性能や価格とのバランスを取りながら、お家にあった屋根材を選びましょう。
耐震性重視で選ぶなら「ガルバリウム鋼板」
先述した通りガルバリウム鋼板は耐震性に優れているので、地震に強い家にしたいと思ったら、採用していただきたい屋根材の一つです。
断熱性・遮音性ともに高い仕様の商品もあります。
屋根の葺き替え費用は40坪の一戸建てで約140〜230万円です。
屋根材のグレードによって大きく変動するので、詳しくは業者の無料見積もりなどをご利用ください。
やっぱり瓦屋根にしたいなら「軽量瓦」
軽量瓦とは従来の瓦よりも軽い素材で作られた屋根材です。
和風・洋風の、どちらの住宅にも馴染み、「瓦屋根にしたいけど耐震性も向上したい」という方にぴったりです。
災害で建物に負担がかかっても屋根の重みで家がつぶれにくく、瓦が落下した場合の被害も小さくできます。
04 まとめ
地震などの自然災害は、いつどこで起こるか予測ができません。
そろそろメンテナンスをしようと思っている方は、耐震性など含め、軽量の屋根材を候補に入れてみてはいかがでしょうか。
最新の屋根材は軽くて耐震性が高いもの、固定する力が強くて台風に強いもの、デザインのバリエーションが豊富なものなど、多数の製品が登場しています。
今後、安心して過ごすためにも沢山の屋根材の中から厳選した最適な屋根材を選択されることをおすすめします。