屋根リフォームの全容を徹底解明
― 工事の種類から費用相場まで

INDEX目次

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01 屋根リフォームの3つの工事種別

電動ドライバーで屋根の設置に取り組む作業員

屋根リフォームには大きく分けて3つの工事種別があります。まず塗り替えリフォームは、既存の屋根材に新しい塗料を塗り重ねる比較的低コストの工事です。屋根材の保護効果を高めるだけでなく、新しい色で美観もよくなります。次に重ね葺きリフォームは、既存屋根の上から新しい防水シートと屋根材を重ねる工事です。工期が短く、屋根の厚みが増すことで断熱性や防音性が向上するメリットがあります。最後に全面葺き替えリフォームは、古い屋根材を全て撤去し、新しい屋根材を設置する大がかりな工事です。費用は高くなりますが、屋根の寿命を大幅に延ばすことができます。

1-1. 塗り替えリフォーム(塗装工事)

塗り替えリフォームは、既存の屋根材に新しい塗料を塗り重ねることで、屋根の美観を一新するとともに、屋根材の保護と長寿命化を図る工事です。主な工程は足場設置、高圧洗浄による汚れ落とし、下地調整、本塗装、棟板金の塗装となります。

塗装工事のメリットは、比較的低コストで屋根の機能回復と外観の向上が可能な点にあります。新しい塗膜により、屋根材を紫外線や雨水から保護し、劣化を防ぐことができます。また、遮熱性や断熱性に優れた塗料を選べば、室内の快適性と省エネにも貢献します。

一方で、塗装工事には屋根材の交換がないため、既存の屋根材の状態が良好である必要があります。著しく劣化している場合は、重ね葺きや全面葺き替えを検討する必要があるでしょう。適切な工事方法は、事前の専門家による点検が不可欠です。

1-2. 重ね葺きリフォーム(カバー工法)

重ね葺きリフォーム(カバー工法)は、既存の屋根材を残したまま、その上から新しい防水シートと屋根材を重ねて施工する工事方法です。従来の屋根を解体する必要がないため、工期が比較的短く、騒音や粉塵の発生も抑えられます。また、屋根の厚みが増すことで断熱性や防音性が向上するというメリットもあります。

一方で、屋根が重くなるため耐震性が低下するというデメリットがあります。さらに、重ね葺きは原則として1回しか行えず、次に屋根リフォームが必要になった際には、二重になった屋根材を全て撤去する必要があります。そのため、既存の屋根材の状態や、住宅の構造的な条件によっては、重ね葺きが適さない場合もあります。

1-3. 全面葺き替えリフォーム

全面葺き替えリフォームは、既存の屋根材を完全に撤去し、新しい屋根材を設置する大規模な工事です。屋根の寿命を延ばし、機能と美観を一新することができます。

まず古い屋根材を丁寧に解体・撤去します。この際、アスベストが使用されていた場合は専門の資格を持つ業者に依頼する必要があります。次に下地の野地板の状態を確認し、必要に応じて増し張りや交換を行います。

その後、新しいルーフィングシートを敷設します。透湿性や遮熱性など、地域の気候に合わせて適切な製品を選びましょう。ルーフィングシートの上に新しい屋根材を設置していきます。屋根材の種類は様々で、機能性やデザイン性を考慮して決めることができます。

最後に新しい棟板金を取り付けて工事は完了です。棟板金は雨水の浸入を防ぐ重要な役割があるため、丁寧な施工が求められます。

全面葺き替え工事は大がかりですが、長期的に見れば屋根や住宅全体の寿命を延ばすことができます。30坪の住宅で300万円前後が一般的な費用相場ですが、屋根材の種類や施工内容によって変動します。

 

02 塗り替え工事の内訳と費用目安

家の模型

塗り替え工事は屋根リフォームの中でも比較的低コストで実施できる工事です。まず足場を設置し、高圧洗浄機で屋根表面の汚れを落とします。下地のひび割れには補修材を塗布し、金属屋根ではケレン作業で錆びを除去して塗料の密着性を高めます。本塗装は下塗り、中塗り、上塗りの3工程で行われ、適切な塗膜厚が重要です。最後に棟板金部分も塗装して仕上げます。塗り替え工事は30坪の住宅で概ね50万円から100万円程度が一般的な費用相場となります。

2-1. 足場設置

屋根の塗り替え工事を行う際には、まず足場を組み立てる必要があります。足場は高所作業の安全性を確保するために欠かせない設備です。作業員が安心して作業に集中できる環境を整えるとともに、万が一の事故にも備えることができます。足場の設置は熟練の職人が行い、安全性と作業性の両面から適切な構造を選定します。足場の組立てには一定の時間を要しますが、作業の質を左右する重要な工程なのです。

2-2. 高圧洗浄による汚れ落とし

塗装前の屋根表面には、カビや藻、古い塗膜の剥がれかすなどの汚れが付着していることがあります。このような汚れが残ったままでは、新しく塗布する塗料が下地に密着しにくくなり、早期の剥がれや浮きの原因となってしまいます。そのため、高圧洗浄機を使って汚れを徹底的に落とすことが不可欠な工程となります。汚れが残らないよう丁寧に洗浄を行い、新しい塗料が密着しやすい状態に下地を整えることが大切です。

2-3. 下地調整とケレン作業

下地調整では、屋根材のひび割れや欠損部分にコーキング材を注入して補修を行います。特に金属製の屋根では、ケレン作業が重要となります。ケレン作業とは、やすりやサンダーを使って金属面の汚れや錆を丁寧に除去する作業です。下地を適切に調整し、清浄な面に塗装することで、塗膜の密着性が高まり、長期にわたる防錆効果が期待できます。塗装前のこの工程を怠ると、塗膜の剥がれや浮きが生じ、耐用年数が大幅に短くなる恐れがあります。

2-4. 塗装本工事

塗装本工事は下塗り、中塗り、上塗りの3段階に分けて行われます。下塗りではプライマーやシーラーを使用し、上に塗る塗料の密着性を高めたり、下地の吸収を調整します。中塗り、上塗りでは同じ塗料を2回塗装することで、適切な塗膜の厚みを確保します。塗膜が薄すぎると耐久性が低下し、逆に厚すぎると透湿性が失われ屋根材が傷みやすくなるため、使用する塗料に合わせた適切な塗装が重要になります。

2-5. 棟板金の塗装

棟板金は屋根の頂上部分に設置される重要な部材で、雨水の浸入や飛来物の衝撃を直接受けるため、劣化しやすい箇所です。そのため、屋根塗装工事では棟板金への丁寧な塗装が欠かせません。棟板金に適切な塗装を施すことで、腐食や劣化から守り、屋根全体の耐久性を高めることができます。

塗装の際は、まず既存の塗膜を完全に除去し、下地を露出させます。次に防錆処理を行った上で、専用の塗料で下塗り、中塗り、上塗りと3回に分けて重ね塗りします。このように丁寧に塗装を行うことで、長期にわたり棟板金を保護することが可能です。

また、近年では耐候性や防汚性に優れた高機能塗料が開発されており、これらを使用することで塗り替え周期を延ばすことも可能です。棟板金の塗装は手間がかかる作業ですが、屋根全体の寿命を左右する重要な工程なのです。

 

03 重ね葺き工事の工程と費用相場

重ね葺き工事は、既存の屋根材の上から新しい防水シートと屋根材を重ねて施工する工事です。工期が比較的短く、コストを抑えられるのが大きなメリットです。一方で、屋根の重量が増すため耐震性が低下するデメリットもあります。

まず、足場を組んだ後、既存の棟板金を撤去し、下地の貫板を補修または交換します。次に、透湿性や遮熱性のある高機能ルーフィングシートを敷設します。その上に、軽量で耐久性の高いガルバリウム鋼板やSGL鋼板などの新しい屋根材を重ね葺きします。最後に、新しい棟板金と換気棟を設置して完了です。

換気棟は屋根裏の熱や湿気を外に逃がす重要な役割があり、重ね葺きによる断熱性の向上と相まって、屋根の長寿命化につながります。

重ね葺き工事の費用は、30坪の住宅で120万円から200万円程度が一般的です。屋根材の種類や劣化状況によって変動しますが、材料費と設置費が半分以上を占め、残りが下地補修費や処分費、足場費となります。

3-1. 既存棟板金の撤去

重ね葺き工事を行う際の最初の工程は、屋根の頂上部分にある既存の棟板金を撤去することです。棟板金は屋根の中でも最も劣化しやすい箇所の一つで、雨風にさらされる環境にあるため、不具合が生じていることが多くみられます。そのため、まずは棟板金を取り外し、その下にある貫板と呼ばれる下地部分の状態を確認します。下地が健全であれば補修を行いますが、劣化が進行している場合は新しい部材への交換が必要となります。近年では木材の代わりにアルミ製の貫板を使用する住宅も増えており、状況に応じて適切な対応を取ることが重要です。

3-2. ルーフィングシート敷設

棟板金の撤去後、次の工程はルーフィングシートを敷設することです。ルーフィングシートは防水下地材の一種で、屋根の隙間から内部に雨水が浸入するのを防ぐ役割を果たします。透湿性や遮熱性能に優れた製品を選ぶことで、結露の防止や省エネにも貢献します。ルーフィングシートは重ね葺き工事の要となる作業なので、確実な施工が求められます。シートの重なり部分のずれや、釘の打ち忘れなどの手抜かりがあると、雨漏りの原因となる恐れがあります。熟練の職人による丁寧な作業が不可欠です。

3-3. 新しい屋根材の重ね葺き

ルーフィング敷設が完了したら、次は新しい屋根材を従来の屋根の上から重ねて張っていきます。重ね葺き工事で使用される屋根材は、軽量でありながら高い耐久性を持つガルバリウム鋼板やSGL鋼板(エスジーエル鋼板)が一般的です。これらの金属製の薄い屋根材を重ねることで、屋根の厚みが増し、結果として断熱性と防音性が向上します。また、新しい屋根材で覆うことで、従来の屋根材を経年劣化から保護する効果もあります。屋根材の種類によって施工方法は若干異なりますが、重ね葺きという工法自体は同様の手順で行われます。

3-4. 新しい棟板金と換気棟の設置

屋根材の本体張りが完了したら、最後に新しい棟板金と換気棟を設置します。棟板金は屋根の頂上部分に設置され、雨水の浸入を防ぐ重要な役割を果たします。古い棟板金は撤去されているので、新しい棟板金を確実に取り付ける必要があります。一方、換気棟は屋根裏部分の換気を促進し、結露の発生を抑制します。適切な換気がなされないと、屋根裏の湿気が溜まり、カビや腐食の原因となるためです。換気棟の設置は重ね葺き工事の完了に欠かせない工程なのです。

3-5. 重ね葺き工事の一般的な費用

重ね葺き工事は全面的な屋根の葺き替えに比べて低コストで実施できる利点があります。一般的な目安として、30坪程度の住宅で120万円から200万円前後の費用が見込まれます。この費用には、新しい屋根材や防水シートの資材費のほか、設置工事の人件費、足場の設置費用、既存屋根の補修費、廃棄物処理費用なども含まれています。

費用の内訳を大まかに見ると、材料費と設置工事費が全体の半分以上を占めています。残りの3割程度が下地の補修費と廃棄物処理費、2割程度が足場設置費となっています。ただし、屋根の劣化状況や使用する資材の種類によって、費用は増減する可能性があります。

重ね葺き工事は一度に行える上限があるため、長期的な視点で屋根のメンテナンスを検討する必要があります。適切なタイミングで全面的な葺き替え工事を実施することで、住宅の資産価値を維持できます。

 

04 全面葺き替え工事の手順と費用目安

全面葺き替え工事は、既存の屋根材を完全に撤去し、新しい屋根材で屋根を一新する大がかりな工事です。屋根の寿命が尽きた場合や、重大な損傷があり修繕が難しい場合に選択される工事方法です。工期が長く費用もかさむ反面、屋根の構造部分まで手を入れられるため、住宅の長期的な安全性と耐久性を大幅に向上させることができます。

4-1. 古い屋根の解体撤去

全面葺き替え工事では、まず既存の屋根材を丁寧に解体・撤去する作業から始まります。屋根材の撤去時には、破片が飛散したり粉じんが舞うリスクがあるため、周辺への養生と近隣への事前の挨拶が重要です。また、古い屋根材にアスベストが使用されている場合は、特別な資格を持った業者による対応が義務付けられています。アスベストの飛散を防ぐ適切な措置が欠かせません。既存屋根の撤去作業は、全面葺き替え工事の中で最も手間と時間がかかる重要な工程です。

4-2. 野地板の増し張り補強

既存の屋根材を撤去すると、屋根の下地となる野地板が露出します。この野地板の状態次第で、新しい屋根材を設置する前に補強工事が必要となります。野地板に大きな損傷がない場合は、上から構造用合板を増し張りすることで補強を行います。一方、野地板が雨漏りなどで著しく傷んでいる場合には、新しい野地板への交換工事が必要不可欠です。適切な補強工事を行うことで、新しい屋根材を安全に設置でき、屋根全体の耐久性と機能性を高めることができます。

4-3. 新しいルーフィングシートの敷設

既存の屋根材を撤去し、野地板の補強工事が完了すると、次はルーフィングシートの敷設作業に移ります。ルーフィングシートは防水性と透湿性を併せ持つ高機能な下地材料で、屋根の長寿命化に欠かせません。適切なルーフィングシートを選択し、隙間なく丁寧に敷設することが重要です。ルーフィングシートの種類は多岐にわたり、地域の気候風土に合わせて最適な製品を採用する必要があります。熱線反射や高透湿性など、様々な機能を備えたルーフィングシートが開発されているので、専門家に相談しながら適切な製品を選定しましょう。

4-4. 新しい屋根材の設置

ルーフィングシートの敷設が完了したら、いよいよ新しい屋根材を設置する工程に入ります。全面葺き替え工事では、既存の屋根材を完全に撤去するため、新しい屋根材を自由に選択することができます。

屋根材には、金属製、化粧スレート、天然スレート、セメント瓦、Clay-Roofなど様々な種類があります。機能性やデザイン性、耐久性、価格などを総合的に検討し、住宅の立地環境や気候風土に適した屋根材を選ぶことが重要です。

施工方法は屋根材の種類によって異なりますが、一般的には下地の野地板に直接屋根材を固定していきます。金属屋根の場合は専用の止め釘やビスで、スレートやセメント瓦の場合は金具を使って固定します。屋根勾配が緩い場合は滑り止め加工が必要になる場合もあります。

屋根材の設置作業は、熟練の職人による丁寧な施工が求められます。ずれや歪みがあると雨漏りの原因になるほか、美観も損なわれてしまいます。特に棟部分は最も重要な箇所なので、専門的な技術と経験が必要不可欠です。

また、換気や遮熱性など、屋根材の機能を最大限に発揮させるためには、適切な施工が欠かせません。例えば金属屋根の場合、通気層を確保して結露を防ぐ工夫が求められます。遮熱性の高い屋根材を選んだ場合も、施工方法次第で性能が発揮できなくなる可能性があります。

このように、新しい屋根材の設置は、全面葺き替え工事の中核をなす重要な工程です。屋根材の選定から施工まで、専門業者に相談しながら進めることが賢明でしょう。

4-5. 新しい棟板金の取り付け

全面葺き替え工事の最後は、新しい屋根材の設置が完了した後に新しい棟板金を取り付ける作業が行われます。棟板金は屋根の頂上部分に設置され、雨水の浸入を防ぐ役割を担っています。古くなった棟板金は雨漏りの原因にもなるため、葺き替え工事の際には必ず新しい棟板金に交換します。

近年では従来の金属製の棟板金に加え、樹脂製の棟板金も採用されるようになってきました。樹脂製の棟板金は軽量で施工が容易なうえ、耐候性に優れているのが特徴です。一方で金属製の棟板金は重厚感があり、高級感のある外観を演出できます。棟板金の素材は用途や好みに合わせて選択することができます。

棟板金の取り付け作業は、熟練の職人による丁寧な施工が求められます。棟板金の固定が不十分だと、強風時に剥がれ落ちるリスクがあります。また、棟板金の継ぎ目から雨水が浸入すると、屋根全体の防水性が損なわれてしまいます。このため、棟板金の取り付け作業では、しっかりとした固定と継ぎ目の防水処理が欠かせません。経験豊富な職人による確かな技術力が、屋根全体の品質を左右するのです。

4-6. 全面葺き替え工事の標準的な費用

全面葺き替え工事は、屋根リフォームの中で最も大がかりな工事となります。既存の屋根材を完全に撤去し、下地の補強から新しい屋根材の設置まで行うため、工程が多岐にわたります。そのため、費用面でも他の工事に比べて高額になる傾向があります。

一般的な全面葺き替え工事の費用相場は、30坪程度の住宅で200万円から400万円前後が目安とされています。この金額には、屋根材や下地材料費、足場設置費、解体・撤去費、処分費などがすべて含まれています。

費用の内訳を見ると、材料費が全体の3割程度を占め、残りの7割が人件費や付帯費用となっています。特に解体・撤去作業には手間がかかるため、人件費の割合が高くなる傾向にあります。

ただし、費用は屋根の形状や素材、劣化の程度によって大きく変動します。例えば、アスベストが使用されていた場合は、特殊な処理が必要となり、追加費用が発生します。また、屋根の勾配が急な場合も、作業が困難になるため費用が高くなる可能性があります。

このように、全面葺き替え工事は高額になりがちですが、その分屋根の寿命が大幅に延びるメリットがあります。長期的な視点で検討することが重要です。費用を抑えるには、複数の業者から見積もりを取り、適正な価格を比較検討することをおすすめします。

 

05 リフォーム費用を抑える賢い方法

屋根リフォームは家計に大きな負担がかかる大がかりな工事です。しかし、賢く対策を立てることで費用を大幅に抑えることができます。まずは自治体の補助金制度を活用するのがおすすめです。地震や台風などの災害復旧工事や、環境配慮型の遮熱塗料使用、耐震工事の一環としての屋根リフォームなどが対象となることが多いので、早めに情報を集めましょう。また、事前に専門業者に点検を依頼し、本当に必要な工事のみを行うことで無駄な出費を避けられます。複数の業者に見積もりを取り、内容と価格を比較検討するのも賢明です。さらに、外壁塗装など他の外装工事と同時に行えば、足場代などのコストを削減できます。長期的な視点に立って、トータルコストを抑える工夫が大切です。

5-1. 補助金制度の有効活用

屋根リフォームを検討する際は、住んでいる自治体の補助金制度を確認するのがおすすめです。多くの自治体で、環境に配慮した遮熱塗料の使用や、耐震性向上を目的とした屋根工事が補助金の対象となっています。対象工事かつ条件を満たせば、補助金を受けられるため、リフォーム費用を抑えることができます。

また、自然災害による被害を受けた場合は、原状回復を目的とした補助金制度を利用できる自治体もあります。ただし、この場合は美観向上やグレードアップを目的としたリフォームは対象外となる点に注意が必要です。

補助金制度の多くは先着順や抽選となるため、早めに情報収集と申請手続きを行うことが重要になります。不明な点は専門業者に相談するのも良い方法でしょう。

5-2. 事前点検で必要最小限の工事に

屋根の状態によっては、すぐに大がかりな工事を行う必要がないケースもあります。まずは専門家に点検を依頼し、屋根の劣化具合を正しく把握することが大切です。点検の結果次第では、応急処置で対応できる場合もあれば、完全な葺き替えが必要な場合もあります。過剰な工事は無駄なコストにつながるため、事前点検で適切な工事内容を見極めることが賢明です。複数の業者に点検を依頼し、様々な意見を参考にすると、より的確な判断ができるでしょう。

5-3. 他の外装工事と同時施工

屋根リフォームでは必ず足場の設置が必要になります。この足場は外壁の塗装工事でも使用されるため、屋根と外壁の工事を同時期に行えば、足場設置の費用を1回分で済ませることができます。一時的な出費は増えますが、長期的に見れば費用を抑えられるでしょう。例えば、外壁の塗り替えが必要な時期に合わせて屋根工事を行うなど、計画的に複数の外装工事を組み合わせることで、トータルコストを下げる賢い選択ができます。

5-4. 複数業者の見積り比較

屋根リフォームの工事内容が決まれば、次は施工業者の選定です。同じ工事内容でも、業者によって見積もり金額は異なります。大手業者は資材の仕入れが安価であるため、材料費を抑えられる傾向にあります。一方、中小業者は人件費が安く、工事の速度も速いため、工期の短縮が期待できます。また、施工実績の多寡によっても、見積もり金額に違いが出てくるでしょう。

そのため、複数の業者から見積もりを取り、金額だけでなく、工事内容の詳細を確認し、比較検討することが賢明です。単に安価な業者を選ぶのではなく、自身のニーズに合った適切な業者を選ぶことが大切です。見積もり時には、各工程の費用内訳を確認し、不明点は遠慮なく質問するようにしましょう。複数の業者を比較検討することで、リフォーム費用の節約にもつながります。