2024年版:どんなリフォーム・リノベーションが補助金対象?
金額・申請時期・注意点は?
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INDEX目次
Webライター
木内つばめ
主に「旅」と「暮らし」をテーマに執筆。世界中の旅先やホテルで見つけたアイデアを自分の暮らしに落とし込むことを楽しんでいます。最近では、自宅を観葉植物で満たすことにも夢中。みなさんがより豊かで心地よい生活を送れるようなヒントをお届けしたいと思います。
リフォームにかかる費用の一部を国や自治体が支援してくれる補助金制度。リフォームの内容によっては自己負担をかなり軽減することができるので、ぜひ活用したいところですね。
しかし、実際にはどういったフォームに適用でき、どのように申し込めばよいのかわからないという方も多いのではないでしょうか?
本記事では、補助金が対象となるリフォーム内容、申請の流れ、注意点などをご紹介します。
01 国のリフォーム補助金の例
リフォームの補助金は国が提供しているものと、各自治体が提供しているものがあります。
まずは全国共通で利用できる国による補助金の一例を見ていきましょう。
介護保険
【概要】
介護保険は各市区町村の保険料と税金により運営されていますが、全国共通で利用できる制度です。
要支援・要介護と認定された方が生活している住宅で、バリアフリー化を目的としたリフォームに適用されます。
【補助金額】
●工事費用の7~9割を補助(所得状況に応じて変動あり)
●支給額の上限は20万円(1度目の工事費が20万円に満たなかった場合、次のリフォームで差額分を利用することが可能)
●健康状態の著しい悪化、転居が必要となったなどを理由に、さらにリフォームを行う場合には、新たに20万円を上限として申請することが可能
【対象となるリフォーム例】
手すりの取付け、段差の解消、滑りにくい床材への変更、移動しやすい床材への変更、引き戸への取替え、洋式トイレへの変更など
また以上の改修にかかわる工事
【申請期間・工事期間】
●随時申請を受付
●工事日の指定はなし
【主な手続きの流れ】
1.ケアマネージャーとリフォームについて相談(※)
2.施工業者に見積もりを依頼
3.市区町村に「事前申請」を行い、審査を受ける
4.通知が来てから、工事を実施
5.「事後申請」を行い、支給を受ける
※ケアマネジャーや福祉住環境コーディネーターなど有資格者による「理由書」の作成が必要
既存住宅における断熱リフォーム支援事業
【概要】
エネルギー消費効率の改善と低炭素化を総合的に促進する目的とした環境省による事業です。
既存住宅で高性能建材(断熱材・窓・ガラス・ドアなど)を使用して断熱リフォームをした場合に適用されます。
【補助金額】
●対象費用の3分の1以内を補助
●支給額の上限は、一戸建ての場合は120万円。集合住宅場合は15万円 または 20万円
●家庭用蓄電システムや熱交換型換気設備などを導入する場合は、別途補助あり
【対象となるリフォーム例】
「トータル断熱」と「居間だけ断熱」の2種類があり、それぞれ工事内容が異なる
<トータル断熱>高性能建材(断熱材・窓・ガラス・玄関ドア)を使用した断熱リフォーム
※玄関ドアは断熱材・窓・ガラスと同時に改修した場合のみ補助対象<居間だけ断熱>
居間に高性能建材(窓)を使用した断熱リフォーム
【申請期間・工事期間】
●随時設定される公募期間内に申請。予算の上限に達した場合は受付終了となる
(2024年9月公募の申請期間は2024年9月2日~12月13日、次回2025年1月公募の申請期間は1月下旬~3月上旬を予定)
●工事は補助金の交付決定後に着工し、工事完了後30日以内か提出期限日のいずれか早い日までに実績報告できる状態にする
【主な手続きの流れ】
1.施工業者に相談
2.必要書類を集めて申請
3.交付決定通知書を受け取ってから、着工
4.工事完了後、業者に工事費を支払い
5.工事完了実績報告を提出
6.補助金が支払われる
参照:公益財団法人北海道環境財団 既存住宅における断熱リフォーム支援事業(公式サイト)
長期優良住宅化リフォーム推進事業
【概要】
耐震・省エネなど住宅を長持ちさせる性能を高めることを主体としたリフォームを支援する国土交通省の事業です。
併せて行う三世代同居のための設備拡充、子育てのための整備も対象となる場合があります。
【補助金額】
●対象費用の3分の1以内を補助
●支給額の上限は、一戸あたりの80~210万円(工事内容・性能のレベルにより変動)
※補助金申請の手続きは、基本的に施工業者が担当する
【対象となるリフォーム例】
劣化対策、耐震対策、省エネ対策など一定基準を満たす改修工事を行なった上で、以下のようなリフォームが対象となる。
在来浴室からユニットバスへの交換、バリアフリーへの改修、テレワークのための環境整備、三世代で暮らすために行うキッチン・浴室・トイレ・玄関の増設工事など
【申請期間・工事期間】
●通年申請タイプの場合、申請受付は2024年5月13日~12月23日まで
●補助金交付決定後に着工し、工事完了から1ヶ月以内もしくは提出期限日(2024年6月17日~2025年2月21日)のいずれか早い日までに実績報告できる状態にする
【手続きの流れ】
1.インスペクション(住宅の現況調査)を実施する
2.工事内容を決定し、工事請負契約などの締結や維持保全計画を作成
3.住宅登録を行う
4.補助金の交付申請手続きをする
5.交付決定通知を受け取ってから、着工
6.工事完了実績報告を提出する
7.交付額確定通知を受け取る
8.補助金が支払われる
参照:国立研究開発法人 建築研究所 長期優良住宅化リフォーム推進事業(公式サイト)
子育てエコホーム支援事業
【概要】
省エネリフォームを支援することによって、2050年カーボンニュートラル(温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡化)の実現を目指す国土交通省の事業です。
省エネを目的とした必須工事を行い、さらに子育てしやすい環境へのリフォームなどに補助金が支給されます。
実際には子育て世帯以外も利用することができます。
【補助金額】
1戸あたり5~60万円を補助(世帯形態や長期優良住宅の認定の有無などにより、最大補助金額が異なる)
※補助金申請の手続きは、基本的に事業登録している施工業者が担当する。
【対象となるリフォーム例】
開口部の断熱改修(窓ガラスの交換など)、外壁や床の断熱改修、エコ住宅設備設置(節湯水栓など)のいずれかを行うことが条件。
その必須工事に加えて、以下のようなリフォームが対象となる。
対面キッチンへの変更、ビルトイン食洗機の設置、浴室乾燥機の設置、宅配ボックスの設置、生活騒音対策など。
【申請期間・工事期間】
●2023年11月2日以降に着工したリフォームが対象
●完工後に交付申請を行う。申請受付は2024年12月31日まで(任意の交付申請予約は2024年11月30日で終了)。予算の上限に達した場合は終了となる。
【手続きの流れ】
1.事業者登録をしている施工業者と締結
2.リフォーム着工
3.リフォーム完了
4.交付申請を行う
5.交付決定後、補助金が支払われる
02 各自治体によるリフォーム支援制度
全国共通の補助金制度のほかに、自治体によっては特定のリフォームに対して補助や助成を行っている場合もあります。
補助金を支払うスタイル以外にも、工費を無利息で貸付する融資や、県産品等と交換できるポイントを付与するなど、支援の形はさまざま。
当然ですが、その自治体に居住している方が利用できます。
対象となるリフォーム例
各市町村により、リフォーム支援が実施されていているか否か、また支援制度の詳細は異なりますが、主に以下のような改修工事が支給の対象として見受けられます。
●耐震化
●バリアフリー化
●省エネルギー化
●環境対策
●防災対策
●同居対応
●空き家活用
国で行われている補償金制度と類似した内容のほか、空き家活用の改修工事など各地域の特色や取り組みを反映した支援制度を設けている自治体もあります。中には目的問わず、リフォーム全般を対象としている地域まであります。
国の事業に該当しないリフォームを行う場合や希望していた補償金制度の申し込みが締め切りになってしまった場合は、お住まいの自治体がどういったリフォーム支援をしているか、調べてみる価値は大いにありますね。
申し込み窓口、要件の特色
一口に自治体の支援と言っても、都道府県が主体となっているもの、市町村が行っているものなどがあり、申し込み窓口も細かく分かれます。
また住民税を滞納していない世帯、地元の施工業者に依頼するなど、地域ならではの要件を設けている自治体もあります。
以下の「地方公共団体における住宅リフォームに係わる支援制度検索サイト」では、居住している地域で行われている支援制度、申し込みの窓口、要件などが紹介されています。
予定しているリフォームが対象となっていればリフォーム費用の節約になるので、ぜひ活用してみてください。
参考:地方公共団体における住宅リフォームに係わる支援制度検索サイト
03 リフォーム補助金を活用する際に注意すべきこと
リフォーム補助金を利用する場合にはいくつか注意すべき点があります。特に以下のようなことに注目しながら、リフォームを進めていきましょう。
補助金制度に詳しいリフォーム会社を選ぶ
補助金を申請するには、書類の用意、要件を満たしたリフォームの計画、そして着工まで細かな段取りを踏むことになります。
ただ、施工主(依頼主)だけで全て行なっていくのは不安ですよね。そんな中で頼りになるのが、経験豊富なリフォーム会社です。
補助金制度を利用したリフォームの実績が多い業者を選ぶことで、適度にアドバイスをもらいながら、よりスムーズに工事を進めることができます。
申請時期・着工時期をしっかり把握する
ほとんどの補助金制度で申請時期、着工時期が決まっています。
さらに申請期間内であっても、国や各自治体の予算に達してしまった場合に締め切りとなるものも多くあります。
最新の情報を確認しながら、手続きにかかる時間を考慮して計画的に進めていきましょう。
また申請が通ってから着工するもの、工事完了後に申請を行うもの、着工前・完了後の両方で申請が必要なものなど各制度によって申請のタイミングがさまざまです。
この順番を間違えると支給対象外となってしまう場合があるので、手続きの流れを把握することも重要です。
補助金が併用できるかを確認する
補助金制度には併用が可能なものもあります。
基本的にリフォームの目的が異なる場合(省エネとバリアフリーなど)や、国と地方自治体など資金源が異なる場合に併用可能です。
複数のリフォームを検討している場合は、利用予定の補助金制度が併用できるかについても確認しましょう。
04 まとめ
リフォームに対する補助金制度があること自体を知らなかった方も多いことでしょう。
意外にも多くのリフォームが補助の対象となっており、内容によってはかなりの額が支給される場合もあります。
現在、どういった補助金制度を利用できるか知ることは、先延ばしにしていたリフォームを具体的に考えるきっかけにもなります。
ぜひ、国やお住まいの地方自治体の補助金制度・支援制度を知り、少しでも自己負担の少ない快適なリフォームを叶えてくださいね。