フローリングの張り替えタイミングはいつ? 床材の種類や費用、リフォーム工法も紹介
- リフォーム
INDEX目次
Webライター
木下しずく
お声がけいただいたテーマで執筆活動を行っている、駆け出しのライターです。 様々な情報が溢れる中、ここが知りたい!のポイントを押さえた記事で、皆さんの日常や暮らしがより充実するお手伝いをしたいと思っています。
長い間、愛着を持って大切な家族と住み続けるなかで、少しずつ老朽化してくるフローリング。
中でも、壁と共に空間の中で大部分を占めるフローリングは、見た目により印象が大きく左右されます。そのため、フローリングのメンテナンスや張り替えを検討している方も多いのではないでしょうか。
今回はフローリングの張り替えのタイミング、床材の種類や選び方、張り替え費用やリフォーム工法についてご紹介します。
01 フローリングの張り替え-目安とタイミング
以下に挙げる症状は、フローリングの張り替えの目安となります。張り替えのタイミングに悩んでいる方はぜひ参考にしてみてください。
床鳴りや浮きがある時
床の床鳴りや浮き・きしみは、フローリングが湿気や熱などの影響で収縮したり膨張したりすることが原因で起こります。
少し待つと改善することもありますが、長期間に渡って床鳴りやきしみがある場合は、大きく変形していることが考えられるので、張り替えを検討した方が良いでしょう。
落ちない汚れやシミ、傷が目立ってきた時
汚れやシミは床としての機能は問題がありませんが、見た目が気になりますよね。
経年劣化によるフローリングのシミや傷は、生活をしている以上避けることは困難です。
全体的に落ちない汚れや傷が目立ってきたら、張り替えの検討をされることをお勧めします。
日焼けや色褪せによる変色が気になってきた時
シミや汚れ同様、経年劣化による日焼けも完全に予防することは難しいもの。特に南向きのお部屋や、日当たりのいい窓際では注意が必要です。
フローリングが紫外線のダメージを受けることで劣化のスピードが加速、乾燥してしまい、色褪せや変色だけでなく、ツヤも失ってしまいます。
乾燥によって状態が悪化すると、フローリングが剥がれたり浮いてきたりするといった症状が出てきますので、早めに張り替えされる方が良いでしょう。
ライフスタイルが変わった時やリフォームをする時
ご両親から住宅を受け継いだり、結婚したお子様と同居をすることになったりした場合など、家族構成やライフサイクルの変化により、リフォームをすることは多いと思います。その際、壁紙の張替えやドアや家具を新しいものに変えることで、床の傷みや色あせが目立ってしまうことも。好みのインテリアに合わせてフローリングの張替を検討するとよいでしょう。
02 張り替えでよく使用される床材
次に張り替えに使用する床材について紹介します。
フローリング
フローリングは大きく分けて、無垢材フローリングと複合(合板)フローリングの2種類に分類されます。それぞれ特徴を見てみましょう。
無垢フローリング
天然の木を一枚の板へと加工したものです。木目の表情が1枚1枚異なり、木の香りや柔らかな風合いを感じることができます。
調湿機能や断熱効果があるため、一年を通じて快適に過ごすことができます。また、耐久性も高く、年を重ねるごとに深くなっていく味わいを楽しむことができる点も非常に魅力的です。
主寝室や書斎といった、落ち着いた雰囲気を必要とする部屋や高級感・木質感を重視したい場所には無垢材が良い選択かと思います。
ただ、複合(合板)フローリングよりもかなり高価であり、水に弱い、シミや汚れが目立ちやすいといった欠点があります。また、日々のこまめな掃除や定期的なワックスがけといったメンテナンスが必要となります。
膨張や反りといった変形しやすい特徴もあり、施工に技術も必要となるため、施工費用も高くなります。
複合(合板)フローリング
複数の合板を接着剤で張り合わせ、表面に天然木の薄板を張りつけたフローリングです。無垢フローリングより安価で、色の種類も多く、木目調やヘリンボーンなど様々なデザインがあるので、お部屋の雰囲気に合わせやすいといったメリットが沢山あります。
また、床暖房対応や、水回り用、防音といった機能性を備えたものもあります。
中性洗剤を使用することができるため、メンテナンスも比較的楽に行えますが、無垢フローリングに比べると踏み心地が硬く、商品によっては作り物感や安っぽさを感じることもあるでしょう。
カーペット
カーペットは繊維が埋め込まれたタイプの床材です。温かみがあり、足元にやわらかな心地よさを伝えてくれるため、赤ちゃんやお年寄りがいるご家庭には特におすすめです。ホコリの舞い上がりを抑える防塵性、転倒時の衝撃を吸収する弾力性だけでなく、防音性にも優れています。
取り換えや洗濯が可能なカーペットもありますので、お子様がいたり、ペットを飼っていたりするご家庭は、そういった機能を持つものを選ぶと良いでしょう。洋風の家具との相性が良いのも魅力の一つです。
一方、ダニやカビが発生しやすいので、定期的な掃除が必要です。
フロアタイル
フロアタイルは塩化ビニル樹脂を主成分とするタイル状の床材です。
クッションフロアより高価ではありますが、デザインやカラーバリエーションが豊富で、表面に凹凸があるもの、大理石のような模様や木目調のものなど、様々な質感の床が実現可能なため、インテリアにこだわりたい方にも人気の高いアイテムです。
お部屋の雰囲気を変えたい場合や、既存の床につく傷の予防、すでについてしまった傷を隠す用途でも需要が高まっています。
水や汚れに強く、お手入れもしやすいので、キッチンや水廻りにおすすめです。
畳
畳は、日本で利用されている伝統的な床材で、表面の畳表(たたみおもて)と芯材となる畳床(たたみどこ)を、畳縁(たたみべり)とともに縫いつけたものです。
夏は高温多湿、冬は低温低湿という相反する状況となる日本において、畳は優れた断熱性能を発揮し、夏場は涼しく、冬場はほのかに温かいという過ごしやすい環境をつくってくれます。
そして、適度な弾力性を持ち合わせているため、転んでも怪我をしにくく、身体への負担も和らげてくれます。
一方、カビやダニが発生しやすく、裏替え、表替えなどのメンテナンスが必要です。
03 フローリングの選び方
これから選ぶフローリングはどのような暮らしや場所で使われるのでしょうか。
インテリア性だけでなく、機能性、メンテナンスのしやすさ、費用等、選ぶ際のポイントをご紹介します。
フローリングの種類から選ぶ
ご紹介したように、フローリングには無垢材フローリングと複合(合板)フローリングの2種類があります。
ただ、無垢材フローリングと言っても樹種によって硬さや風合い、木肌の模様などそれぞれ違いがあります。
また、複合(合板)フローリングは、木材は未使用ですが、コストパフォーマンスの高いシートフローリング、木材感を出しつつコストも抑えられる突板(つきいた)フローリング、やや高価格帯にはなりますが、無垢材の高い意匠性を持つ挽板(ひきいた)フローリングの3種類に分けられます。
また、複合(合板)フローリングの表面化粧材は挽板(ひきいた)」「突き板(つきいた)」「シート」の3種類があります。
「挽板」は、木材を2〜3mmほどの厚さに挽いた板で、仕上がりの質感は無垢に近いものとなります。
「突き板」は、木材を0.2〜1mmほどの薄さにスライスした板で、コストを抑えつつ木材の風合いを楽しむことができます。
「シート」は、樹脂に木目模様などをプリントしたもので、木材感はありませんが、コストパフォーマンスとお手入れのしやすさがメリットです。
使用している木材の特徴を知り、優先したい見た目や質感を木の種類から選ぶことが重要なポイントになります。
どちらにおいても、フローリング材に使用する木材の特徴を知り、優先したい見た目や質感を木の種類から選ぶことが重要なポイントになります。
好みのインテリアの色みや質感から選ぶ
理想のお部屋や空間はどんなインテリアで、どのような色みになるかを
イメージしてみましょう。
色みはお部屋の雰囲気に一番影響のある要素です。
シンプルで飽きの来ないナチュラルモダンであれば、白やライトブラウンといった明るめの色みがベースカラーとなってきます。懐かしさを醸し出すアンティークスタイルであればブラウン系、豪華さや高級感をもったラグジュアリースタイルであれば、ダークトーンといったように、ある程度色みが決まってきます。
フローリング材の色味は、大別するとライトブラウン、ダークブラウンの2種類ですが、同じライトブラウンでも元の素材となった木材によって、赤みが強いもの、黄みが強いもの、ピンクがかったものなど様々です。どの色味を選ぶかでお部屋の雰囲気が大きく変化するので、じっくりと吟味することが大切です。
また、素肌に直接触れるので、肌触り・手触りもとても重要です。
フローリング材の質感も、木材の種類や塗装によって変わりますので、サンプル材やショールーム等を利用して、色味や質感の違いを自分自身の目や肌で確認してから、使用するフローリング材を決めることをおすすめします。
メンテナンス性から選ぶ
フローリングは毎日使用しますので、耐久性やメンテナンスのしやすさは非常に重要な選択基準となります。小さいお子様がいたり、ペットを飼っていたりする場合は、耐傷性や耐水性に優れているものや掃除がしやすいもの、高齢者の方がいる場合はノンスリップ対応といった機能性を備えたものを選ぶと良いでしょう。
コストから選ぶ
フローリングの価格は、使用される材料の種類や品質に大きく左右されます。
高品質の天然木を使用した無垢材フローリングは、その質感や耐久性から高額になる傾向にあります。一方、合成樹脂や再生木材を使用した複合フローリングは、コストを抑えることができるため、無垢材に比べると安価に提供されることが多いです。
リフォーム全体の予算と用途・機能性を考慮して選びましょう。
04 フローリングの張り替え工法
張り替えするフローリングの施工方法は「張り替え」と「重ね張り」の2種類があります。違いをよく理解して、どちらがご自身に最適かを見極めましょう。
張り替え
既存の床材を一度剥がしてから新しいフローリングを施工する方法です。
家具の搬出・搬入の手間が必要になり、剥がしたフローリングの処分で費用は高額になりますが、床を全部剥がすので下地の腐食やシロアリ被害の有無も確認できます。
また、カビ臭がしたり、床が沈んだりしている場合は、下地が傷んでいる可能性が高いため、張り替えのタイミングで下地の確認をした方が良いでしょう。
底冷え対策として断熱材を入れたい場合も、重ね張りでは施工できないため、張り替えとなります。
10年以上下地の状況を確認していない場合は、下地の補修が必要となる可能性が高いので、張り替えを選ぶと安心です。
重ね貼り
既存の床材の上に新しいフローロングを重ねる施工方法です。
床を剥がす作業がないため、張り替えに比べて工期も短く、安価にリフォームすることができます。ただ、重ね貼りの場合は下地の確認ができません。
また、6~15ミリ程度の段差ができることも覚えておきましょう。
05 フローリングの張り替え費用
最後にフローリングを張り替える費用についてお伝えします。
重ね張りの場合、6畳で約4.9万~9.72万円、張り替えの場合はおよそ14.6万円~19.5万円となっています。
張り替え範囲や選ぶ素材や方法によって費用は変動しますが、素材にこだわりたいのか、機能性を重視したいのか、ご自分の優先順位をしっかり把握することが重要です。
DIYでコスト削減は可能ですが、慣れていないと、すき間ができてしまったり様々な道具や材料をそろえたりする必要があるため、あまりおすすめはできません。
後悔しないためにも、必ず数社見積をとり、ご自身が行いたいフローリングの張り替え費用の相場を把握しましょう。そして、口コミやHP等で施工実績を確認することも大事なポイントです。
06 まとめ
居住空間の中で広面積となる床材は、インテリアのイメージを左右するだけではなく、歩いたり座ったりと肌が直接触れることが多いため、暮らしやすさ・心地よさに大きく影響するアイテムです。
また、選び方によって、メンテナンスのしやすさも異なり、費用も大きく変わってきます。
高価なものを選ぶことが最良ではなく、ご自身のライフスタイルや家族構成、使用場所・使用頻度などを十分に考慮し、どれだけの予算をかけられるのか、どんな機能やインテリアを求めているのかを把握したうえで、最も適したものを選ぶことが重要です。