ZEH住宅とは?
特徴やメリットから補助金の申請方法まで詳しく解説
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INDEX目次
近年、ZEH住宅への関心が高まっています。ZEH住宅とは「ゼロ・エネルギー・ハウス」の略称で、年間の一次エネルギー消費量が正味でゼロとなる住宅のことです。
ZEH住宅にはさまざまな種類があり、それぞれに特徴があります。例えば、木造やRC造など構造の違いや、設置する設備機器の組み合わせによって性能が異なります。また、立地条件や家族構成に合わせてZEH住宅を選ぶことも重要です。
しかし、ZEH住宅のメリット・デメリットや補助金制度などの情報が錯綜しており、選び方に迷う声が多いのも事実です。
そこで本記事では、ZEH住宅の種類と特徴をわかりやすく解説します。メリット・デメリットや補助金制度なども詳しく紹介するので、ZEH住宅選びの参考にしてください。
01 ZEH住宅とは?
はじめに、ZEH住宅の基本情報を紹介します。
ZEH住宅の定義
ZEH住宅とは、年間の一次エネルギー消費量がほぼゼロとなる住宅のことです。断熱性能などを大幅に向上させるとともに高効率な設備システムを導入し、室内環境の質を維持しつつ大幅な省エネルギーを実現します。再生可能エネルギーを導入することにより、年間の一次エネルギー消費量の収支をゼロにする住宅です。
ZEH住宅の種類
ZEH住宅には大きく分けて3つの種類があります。1つ目は年間の省エネ性能が極めて高い「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)」、2つ目はZEHに準じた性能の「ネアリー・ゼロ・エネルギー・ハウス(NearlyZEH)」、3つ目は更なる省CO2性能を備えた「ゼロ・エネルギー・ハウス・プラス(ZEH+)」です。
各種類の性能基準や特徴を理解した上で、自分のライフスタイルや予算に合わせて選ぶことが大切です。
ZEH住宅の基本性能
ZEH住宅には、年間の一次エネルギー消費量が正味(発電量と消費量の差)でゼロとなる性能基準が設けられています。これは、高断熱・高気密で熱の逃げを抑えつつ、太陽光発電などでエネルギーを創出することで実現します。
ZEHに準じたNearlyZEHや、より高い水準のZEH+もあるので、ライフスタイルや地域の日照条件などを考慮して選ぶことが大切です。
02 ZEH住宅のメリット・デメリット
次に、ZEH住宅を選ぶメリットとデメリットを紹介します。
ZEH住宅のメリット
ZEH住宅のメリットは大きく分けて3つあります。まず、断熱性能や省エネ性能が高いため、光熱費の削減につながります。次に、太陽光発電などの創エネ設備を備えているので、エネルギーの地産地消が可能です。そして、停電時にも最小限の電力を確保できるため、災害時のリスク回避にもなります。
これらのメリットによって、ZEH住宅では快適な生活とコスト削減を両立できます。
ZEH住宅のデメリット
ZEH住宅のデメリットとして、初期投資費用が高くなる点が挙げられます。太陽光発電設備や断熱材、高性能な設備の導入には多額の費用がかかるためです。また、天候によっては発電量が不安定になる可能性もあります。
ただし、光熱費の大幅削減や災害時の対策としての利点も大きいです。費用対効果を総合的に判断することが大切です。
災害対策としてのZEH住宅
ZEH住宅は、災害時にも電力や給湯を確保できるため、災害対策にも優れています。停電時でも太陽光発電と蓄電池により必要最小限の電力が供給されるほか、ガスや灯油などの燃料を必要としない給湯設備を備えているため、ライフラインが途絶えても快適な生活を送れます。災害時に電力や給湯を確保できるZEH住宅は、防災性能にも優れています。
03 ZEH住宅と補助金
次に、ZEH住宅の補助金を紹介します。
ZEH住宅の補助金制度
ZEH住宅を新築やリフォームする際、国からの補助金を利用できます。代表的なものに住宅エコポイントがあり、対象工事費用の一定割合を還元してもらえます。申請期限があるのでスケジュールを確認し、住宅性能評価機関からの評価書を取得して申請しましょう。
地方自治体によっても補助制度があるので、併用することで大きな経済的メリットが得られます。
ZEH住宅と住まい給付金の相性
ZEH住宅を新築やリフォームする際、住宅の性能に応じて最大で350万円の住まい給付金を受け取れます。ZEH住宅であれば、断熱性能等級4と相性が良く、より高い給付金を得られる可能性が高いです。
住まい給付金は申請する住宅の性能に応じて支給されるため、ZEH住宅を選ぶことで最大限の給付金を受け取れるチャンスです。
04 ZEH住宅の選び方と維持方法
次に、ZEH住宅の選び方やメンテナンス方法を紹介します。
ライフスタイルに合わせた選び方
ZEH住宅を選ぶ際は、家族構成やライフスタイルに合わせて選ぶことが大切です。例えば子育て世帯の場合、断熱性能が高く快適な室内環境を実現できるZEH住宅がおすすめ。
一人暮らしの場合は発電設備のメンテナンス負担を考え、NearlyZEHを選択することもあります。いずれにしろ専門家に相談しながら、自分の生活に合ったZEH住宅を選ぶことが大切です。
ZEH住宅に最適な地域と状況
ZEH住宅に最適な地域や状況ですが、日射量の多い地域であるほど太陽光発電の効率が良くなるため、年間を通して晴れる日が多く日射量の高い地域がおすすめです。具体的には九州や四国、中国地方が適しています。
また、家族構成としては、昼間も家にいる可能性が高い子育て世帯や在宅ワークをする世代に向いています。省エネ性能が高く、光熱費の削減効果を実感しやすいでしょう。
ZEH住宅の長期的な維持管理
ZEH住宅の長期的な維持管理は、太陽光パネルや蓄電池などの機器の定期的なメンテナンスが重要です。パネルの清掃や点検を定期的に行うことで、発電効率を維持できます。
また、蓄電池の寿命は10年程度と言われているので、適切な時期に交換する必要があります。これらのメンテナンス費用は、初期投資に比べればそれほど高くありませんが、予算化しておくことが大切です。
05 ZEH住宅と他の省エネ住宅の比較
次に、ZEH住宅と他の省エネ住宅の性能を比較して紹介します。
他の省エネ住宅とのメリット・デメリットを比較
ZEH住宅と他の省エネ住宅では、断熱性能や発電設備の有無などで大きな違いがあります。例えば、ZEH住宅は年間の一次エネルギー消費量がほぼゼロに抑えられているのに対し、他の省エネ住宅はそこまで高い水準にはない場合が多いです。
ZEH住宅は初期コストがかさむ反面、光熱費の削減や災害時の対策としてのメリットが大きいです。ライフスタイルや予算に合わせて、総合的に判断することが大切です。
省エネ住宅選びのコツ
ZEH住宅を選ぶ際のコツとして、まずはライフスタイルや家族構成に合わせた住宅を選ぶことが大切です。単身者向けのコンパクトなZEH住宅もあれば、家族向けの広々としたZEH住宅もあります。
次に重要なのが、設置場所です。日照条件や風通しなど、発電や断熱効果を左右する地域の特性を考慮する必要があります。最後に大切なことは、信頼できる施工業者を選ぶこと。品質の高いシステムを構築できるかどうかが、ZEH住宅の性能を大きく左右します。
06 まとめ
ZEH住宅は、断熱性能、省エネ性能、創エネ性能が高く、年間の一次エネルギー消費量の収支がゼロ以上となる住宅です。光熱費の大幅削減や災害時の電力確保など、多くのメリットがあります。
一方で、初期費用がかかることや、発電量が天候に左右されることがデメリットです。補助金の活用や適切なメンテナンスでコストを抑えられます。ライフスタイルや地域性を考慮してZEH住宅を選びましょう。