破風板・鼻隠し
破風板とは屋根の側面に位置する部位で横からの雨風や下から吹き上げる雨風に対して侵入を防ぐ役割があります。
破風板と鼻隠しという言葉がよく一緒に使用されていたり説明されていますが、この2つの違いは、屋根の造りなどで名称が変わってきます。例えば切妻屋根で樋がついていない面を妻面といいますがこの部位を破風板といいます。そして軒樋がついている側が鼻隠しになります。特徴としては破風の方が紫外線や雨風の影響が受けやすいため年数経過による劣化が早まる場合があります。
破風板の素材として木材系、金属系、モルタル系、窯業系、樹脂系など様々なものがあります。それぞれ使用する建材によって見た目や耐久性が変化してきますが、役割としては同じで、新築時や工場で製造されている際に塗装をされているものがほとんどなのでメンテナンスが必要になります。破風板・鼻隠しを塗装するのは建材を保護するためです。
工程としては、建材の種類や状態にもよりますが下塗り材を使用せずに上塗り2階塗りで仕上げるケースもあります。2回塗装を行うことによりムラなく、綺麗に仕上げていくことが出来、また、しっかりと耐久性を担保することが出来ます。たまに2回塗りでムラが止まらない場合は3回目の塗装を行います。
特に屋根付近は雨漏りに直結しやすい部分にもなる為、防水効果をしっかりと付与し、良い状態を保つことがお住まいにとって大切になります。
破風板・鼻隠しの
施工工程
破風板・鼻隠し の施工工程をご紹介します。
安全に考慮し、これまで培ったノウハウを元に適切に対応させていただきます。
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01洗浄
外壁や屋根と同様に破風板・鼻隠しも洗浄を行います。一般的には外壁・屋根塗装を行う際に合わせて綺麗にされる方が多いので足場を設置し、飛散防止シートをはってから、洗浄の工程に入ります。この時の注意点としては、外壁や屋根と同じ水圧で洗浄を行うと建材を傷めてしまう可能性があるため、水圧を弱めて洗浄を行います。毎日の紫外線や雨風の影響で劣化していたり、細かいゴミやチリ・埃などもついているため、洗浄で表面を綺麗にし塗料の付着性を高めるためにも重要な工程の1つなります。
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02下地処置・ケレン作業
十分に乾燥しているのが確認できたら破風板や鼻隠しに色あせ、変形、破損がないか目視確認します。破風板や鼻隠しに傷みがある場合はサンドペーパーや皮スキなどでケレン作業(研磨作業)を行い汚れを落としたり、旧塗膜を除去していきます。ケレンとは塗装を行う前の下地処理のことで素地調整を行うことをいいます。また建材の状態によっては塗料の密着性を高めるためにヤスリをかけて表面に凹凸をつけます。そうすることで塗料が凹凸の部分にくいつき浸透し、建材と塗料の密着性が高まることで耐久性を保つことが出来ます。また破風板や鼻隠しにシールとよばれる継ぎ目がある場合は、劣化により硬化やひび割れを起こしているケースも多いため新しいコーキングを打ち替えます。傷みが激しく塗装工事での修復が困難な場合は塗装ではなく、張替えまたはカバー工法とよばれる方法をご提案する事もあります。
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03下塗り
破風板や鼻隠しに使用されている建材や、状態を確認して適した下塗り材、を選定していきます。外壁・屋根塗装同様に下塗りの工程は建材と塗膜との密着性を高めるため重要な工程です。また、そこまで建材の状態が傷んでおらず、元々の塗膜に問題がない場合は上塗りを2階塗装することで仕上げる場合もあります。この時は、シーラーレスという塗装を使用して、下塗りの工程を行わなくても使用できる塗料で施工を行います。
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04中塗り・上塗り
中塗り・上塗り作業は使用する塗料によって様々な特性があります。防水性・親水性・低汚染性・防藻・防カビなどの効果が期待できます。基本的にはウレタン系の塗料を使用していきます。例えば破風板・鼻隠しに板金が使用されていたら、「防さび」効果のある塗料を使用したりと建材に適した材料を選定し施工を行います。中塗り・上塗り作業を行う上での注意点は大きく次のポイントがあります。①サビが発生しやすい地域では錆止め効果のある塗料を使う。②塗装前に傷みがある場合は下地処理を行う。③十分な乾燥時間が必要なため中塗り・上塗りは規定の時間を空けてから行う。④塗残し、塗ムラ、ダレ、ピンホールがないか確認を行う。⑤素材や立地条件によっては塗り回数が変わる。
以上のポイントに注意しながら施工を行って行きます。
破風板・鼻隠しの
施工事例
三和ペイントにて手がけた 破風板・鼻隠し 施工の事例です。
お客様一組一組に真摯に向き合い、お住まいをより長く、より美しく維持できるよう丁寧に施工させていただきました。
破風板・鼻隠しの
ポイント
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01しっかりとした現状把握
外壁・屋根の塗装工事を行っていく際、同時に付帯物の塗装を行う事も少なくないのですが、一言に付帯物と言っても、施工する箇所によって施工方法や使用する材料は様々ですし、同じ施工個所だとしてもお住まいによって材質や傷みの状況が違ってくるため、各現場で施工方法が大きく変わってきます。
今回外壁塗装工事を行う上で施工が必要な箇所はどこなのか、建材には何が使われているのか、どういった対処が必要でどのような塗料を使用していくべきなのかなど、各現場に合わせて臨機応変に対応していく必要があります。各部位の施工方法を誤ってしまうと塗装工事における防水効果を担保できなかったり、美観にも大きく影響を与えてしまう可能性があるため、付帯物の施工は外壁・屋根のついでに行う工事ではなく、お住まいの一部という事を忘れずひとつひとつ丁寧に仕上げていきます。
また、塗装の仕上がりだけでなく、現場に入った段階で既に問題が発生している付帯物がある場合もあるため(雨樋のつまりやコーキング割れ・ネジが外れてしまっているなど)、お客様とどう対応していくか事前に相談を行い、職人の経験と技術でしっかりと対応させていただきます。
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02高耐久を実現するための下地処理
塗装工事において下地処理は非常に重要な工程になります。どんなに表面にいい塗料を使用しても下地処理の工程を怠った場合、新たな塗膜が数年で剥がれてしまい、施工不良に繋がってしまいます。付帯物も外壁・屋根と同様で、各部位にわけた適切な下地処理を行うことが大切です。
付帯物にも木材やトタン・塩化ビニル製のものなど多種多様な付帯物がある為各部適切な下地処理を行っていく必要があります。そのため付帯物の部位や材質によって下地処理もケースバイケースで対応致します。下地処理をしっかりと行うことで後のプライマーや塗料の密着率が上がり、高耐久を維持することが出来ます。ケレンがけ・皮スキなどを行い、また場所によっては高圧洗浄をしっかりと行うことで、付帯物を塗装していく上でベストな下地を作るよう心がけております。そうすることで付帯物も耐久性、美観などがしっかりと担保され長く安心してお住まいに住んで頂けることに繋がります。
塗った直後はどんな塗料を使用しても仕上がりは綺麗になりますが、数年たった時その差がで始めるものなので、手間や時間がかかるような作業にはなりますが、見えないところまでしっかりとこだわって施工していきます。
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03美観を意識した提案と施工
外壁塗装工事において、外壁・屋根部分だけでなく付帯物をどれだけ綺麗に仕上げているかで塗装全体の仕上がりが大きく変わってきます。業者によっては付帯物を塗装しない業者もあるにはありますが、付帯物の塗装を行うことで耐久力を高めるだけでなく、全体の美観としてもメリハリがつき仕上がりとして非常に見栄えします。
逆に付帯物部分の塗装を怠ってしまった場合は、その部分だけ色あせや汚れがでてしまっているため外壁が綺麗になっても引き締まらない仕上がりになっったり、汚れがある箇所に目が生きやすくなります。事前の打合せの段階でお客様とコミュニケーションをとり、外壁・屋根の配色を決めるタイミングで付帯物の色も相談し、お客様のご要望に近づけていきます。
基本的には原状色(新築時と同色)にされる方がほとんどにはなりますが、中には外壁・屋根に合わせてガラッと全体の配色を帰られる方もおられます。全体の配色バランスに関してはプロの目線も取り入れつつ、アドバイスもさせていただいた上でお客様が納得のいく仕上がりになるよう慎重に配色を決めていきます。
外壁塗装工事は何度もやる様な工事ではない為、この配色決めの時間には色板見本等も用いながら特に時間をかけてご相談させていただきます。