外壁塗装で失敗しない色選びのポイント

INDEX目次

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01 外壁塗装の色選びでよくある失敗

モダンなホワイトのハウス

外壁塗装の色選びは、住宅の外観を大きく左右する重要な要素です。しかし、適切な色を選べなければ、後々失敗に気づくことも多くあります。外壁塗装の色選びで起こりがちな失敗例としては、汚れが目立ちやすい色を選んでしまうこと、周辺の景観と調和しない色を選んでしまうこと、日光による色あせを考慮していないことなどが挙げられます。これらの失敗を避けるためには、事前に十分な検討が必要不可欠です。

1-1. 汚れが目立ちやすい色を選んでしまう

外壁塗装で人気の高い白や黒、鮮やかな原色は、実は汚れが目立ちやすい色です。白は壁全体が明るくなるため、ほこりや苔が付着しやすく、黒は砂やほこりの色が際立ってしまいます。また、赤や黄色などの原色は紫外線の影響で劣化が早く、汚れが付きやすくなります。汚れが目立つと外観が損なわれ、早期の塗り替えが必要になるため、メンテナンスコストがかさむ可能性があります。汚れが目立ちにくい色を選ぶことで、美しい外観を長く保つことができます。

1-2. 周囲の景観と調和しない色を選んでしまう

外壁の色選びで失敗しがちなのが、近隣の建物や自然環境と調和しない色を選んでしまうことです。例えば、落ち着いた住宅街にあるのに、鮮やかな原色を選んでしまうと目立ち過ぎて浮いた印象になります。また、緑豊かな環境に囲まれているのに、無機質な色を選んでしまうと不自然な外観になってしまいます。周辺の景観に馴染む色を選ぶことで、外壁が環境に溶け込み、調和のとれた落ち着いた印象を与えることができます。

1-3. 日光による色あせを考慮していない

外壁塗装で失敗しがちなのが、日光による色あせを十分に考慮していないことです。太陽光の中には塗膜を劣化させる紫外線が含まれており、長期間にわたって外壁に当たり続けると、徐々に色が褪せてくるのです。

色あせの主な原因は2つあります。1つ目は塗料の顔料が紫外線の影響で化学変化を起こし、色が変わってしまうことです。赤や黄色など原色系の鮮やかな色ほど、この影響を受けやすい傾向にあります。2つ目は塗膜自体が酸性雨などの影響で劣化し、変色してしまうことです。

色あせを防ぐには、日光に強い塗料を選ぶことが重要です。無機質の顔料を使用した塗料や、特殊な紫外線吸収剤が配合された塗料を使えば、色あせへの対策になります。また、日陰になる部分と日向になる部分では、色あせの進行に差が出るため、試し塗りで確認することをおすすめします。

長期的に美しい外観を保つためには、色あせに強い塗料を選び、日光の当たり具合を考慮した上で色を決める必要があります。

 

02 失敗しない外壁塗装の色選びのコツ

青い塗料をローラーで塗装する作業員の手

外壁塗装の色選びで最も重要なのは、実際の外壁に試し塗りをして確認することです。カラーシミュレーションや色見本帳では、実際の質感や見え方を正確に把握することが難しいからです。試し塗りをすれば、日向と日陰での色の違いや、天候による見え方の変化を確認できます。さらに、実際に塗装した色の質感を体感できるので、イメージと異なる場合にも早期に気づくことができます。試し塗りは、失敗のリスクを最小限に抑える上で欠かせない作業なのです。

2-1. 実際の外壁に試し塗りをして確認する

外壁の色選びで最も確実な方法は、実際の外壁に塗料を試し塗りすることです。カラーシミュレーションや色見本では質感が伝わりにくく、天候や光の当たり具合で見え方が大きく変わるためです。試し塗りを行えば、日向と日陰での色の違いや、晴れや雨など天気による変化を確認できます。夜間の印象も日中とは異なるので、できれば様々な条件下で確認するのがベストです。試し塗りを行えば、イメージと実物の色味の違いによる失敗を最小限に抑えられます。

2-2. 色見本帳やサンプルを活用して検討する

外壁塗装の色選びでは、実際の塗料の色見本や小さなサンプルを活用するのが効果的です。色見本帳には、塗料メーカー独自のものと業界団体が発行しているものの2種類があります。

塗料メーカーの色見本帳は、その会社の最新の塗料色が掲載されており、実際に使用する塗料の質感を確認できます。一方で、業界団体の色見本帳には、メーカーによって作られていない色も含まれているため、外壁塗装向きでない色が混在する可能性があります。

色見本帳を活用する際は、自宅の外壁に実際に色見本を当ててみるのがおすすめです。日向と日陰で同じ色でも見え方が変わるため、様々な条件で確認することが大切です。また、インターネットで販売されている色見本は廃番の色が含まれていたりするので、最新のものを塗装業者から取り寄せるのが安心です。

小さなカラーサンプルも、色の雰囲気を掴むのに役立ちます。ただし、面積が狭いため実際の外壁に塗装した際の見え方とは異なる場合があります。色見本帳やサンプルだけでなく、試し塗りやシミュレーションなど、複数の方法を組み合わせて検討するのがベストな色選びにつながります。

2-3. 専門家によるカラーシミュレーションを利用する

外壁塗装後のイメージを事前に把握するには、専門家によるカラーシミュレーションが有効な手段となります。シミュレーションでは、さまざまな住宅デザインの画像から好みのものを選び、希望の色を適用することで、仮想的に塗装後の外観を視覚化できます。塗料メーカーや塗装業者のウェブサイトでこの機能を提供していることが多く、簡単な操作で活用できます。

しかし、カラーシミュレーションには塗料の質感や素材感が完全には再現されないという限界があります。そのため、シミュレーション結果を参考にしつつ、実際の色見本や試し塗りなど、他の方法も併せて検討することが賢明でしょう。専門家のアドバイスを仰ぎながら、総合的に色選びを進めていくことが大切です。

2-4. 同じ地域の過去の塗装事例を参考にする

外壁塗装の色選びでは、同じ地域の過去の施工事例を参考にするのがおすすめです。塗装業者の公式サイトには、多くの事例写真が掲載されていることが一般的です。これらの事例を見ることで、実際の仕上がりをイメージしやすくなります。

また、同じ地域の事例を見ることで、その土地ならではの景観や気候条件に適した色選びのヒントが得られます。例えば、緑が多い住宅地ではナチュラルカラーが馴染みやすく、交通量の多い道路沿いでは汚れが目立ちにくい色を選ぶなど、環境に合わせた色選びができます。

さらに、塗装業者に現地の施工事例を見学できるかを尋ねてみるのも良いでしょう。実際に完成した外壁を見ることで、色の質感や陰影の出方をより正確に把握できます。このように、地域性を考慮した上で過去の事例を参考にすれば、周辺に馴染む外観を実現しやすくなります。

 

03 外壁塗装の色を決める際のポイント

外壁塗装の色選びは、住まいの印象を大きく左右する重要な要素です。適切な色を選ぶためには、いくつかのポイントを押さえる必要があります。まず、同系色で全体を統一させることで、まとまりのある上質な印象を与えることができます。また、地域に馴染む無難な色を選ぶことで、次回の塗装までの期間、違和感なく過ごせるでしょう。さらに、使用する色の数を3色程度に抑えることで、バラバラな印象を避けられます。加えて、周辺の建物や自然と調和する色を選ぶことが大切です。最後に、既存のサッシや玄関ドアの色から外壁の色を決めると、全体的な調和が取れた外観になります。これらのポイントを意識しながら、慎重に色を選んでいきましょう。

3-1. 同系色で全体を統一させる

外壁塗装では、1階と2階で色を分けたり、縦方向に塗り分けたりと、複数の色を使用することがあります。そのような場合、同系色を選ぶことで全体的な統一感が生まれ、落ち着いた雰囲気を醸し出すことができます。

色相やトーンが異なる色を組み合わせると、視覚的に刺激が強くなりすぎてしまいます。一方で、同系色を使えば色のなじみが良く、上品で洗練された印象に仕上がります。まずはベースとなるメインカラーを決め、そこから同系色の中から補色を選ぶのがおすすめです。

例えば、ベースカラーにグレーを選んだ場合、アクセントカラーにはグレーの中からトーンを変えた色を選ぶなど、同系色の範囲内で色を変えていくことで、バランスの取れた配色が実現できます。

3-2. 地域に馴染む無難な色を選ぶ

外壁の色選びで迷ったら、地域に馴染む無難な色を選ぶのがおすすめです。無難な色とは、飽きのこない人気色で、次回の塗り替えまで違和感なく過ごせる色を指します。例えばベージュやグレーなどのアースカラーは、屋根や外構、窓枠の色とも調和しやすく、街並みにも溶け込みやすい色です。一方で、原色系の鮮やかな色は目立ちすぎる可能性があり、長期間使うには向いていません。地域の景観に合わせて、無難でありながら自分の好みの色を選ぶことが大切です。

3-3. 使用する色の数を3色程度に抑える

外壁塗装で失敗しないためには、使用する色の数を3色程度に抑えることが大切なポイントです。4色以上の色を使うと、目から入ってくる情報量が多くなりすぎて見た目がバラバラになり、落ち着きのない印象を与えてしまいます。

色の使い分けには「ベースカラー」「アソートカラー」「アクセントカラー」という考え方があります。ベースカラーは外壁の主要な色で、全体の70%を占めるのが理想的とされています。アソートカラーは25%程度の割合で、屋根の色などに使われることが多くなります。そしてアクセントカラーは5%程度の少量で、玄関ドアの色などにアクセントを付ける役割があります。この3色の割合を意識しながら、色の数を抑えることで調和のとれた外観を実現できます。

3-4. 周辺の建物や自然と調和する色を選ぶ

外壁の色を選ぶ際には、周辺の建物や自然環境と調和するかどうかを考慮する必要があります。住宅地によっては、落ち着いた色調が求められる場合もあれば、個性的な色使いが許容される地域もあるでしょう。周囲の景観に溶け込む色を選ぶことで、外観が浮いた印象にならず、落ち着いた雰囲気を醸し出すことができます。

例えば、緑が多い静かな住宅街では、ナチュラルなアースカラーを選ぶと自然と調和し、違和感なく馴染むでしょう。一方、都会の高層マンションが立ち並ぶエリアでは、モダンでスタイリッシュな色使いが適切かもしれません。道路沿いの家屋では、汚れが目立ちにくい色を選ぶとメンテナンスが楽になります。このように、周辺環境に合わせて外壁の色を決めることが大切です。

事前に近隣を散策し、街並みの雰囲気を確かめることをおすすめします。自宅の外観だけでなく、周りの建物の色調や素材感、緑地の有無なども注意深く観察しましょう。そうすることで、調和のとれた外観を実現できるはずです。

3-5. サッシや玄関ドアの色から外壁の色を決める

外壁塗装の際には、既存のサッシや玄関ドアの色調と調和を図ることが重要です。住宅の外観は様々な要素が組み合わさって全体のイメージが決まるため、窓枠やドアの色を無視して外壁の色を選んでしまうと、バランスを欠いた仕上がりになってしまう可能性があります。

例えば、サッシがブラウン系の色合いの場合、外壁にナチュラルなベージュやグレーを選ぶと調和が取れやすくなります。一方で、モダンなブラックのサッシに、暗めのブラウンを組み合わせると全体が暗くくすんだ印象になりがちです。

また、玄関ドアの色も考慮に入れましょう。ドアがアクセントカラーとなっている場合は、外壁の色をベースカラーに設定し、ドアの色を引き立たせるようにするとバランスが取れた外観になります。

このように、既存の部分と新しい外壁の色が馴染むよう配慮することで、まとまりのある住まいの外観を実現できます。サッシや玄関ドアは長期間使用するものなので、それらの色調に合わせて外壁の色を選ぶことをおすすめします。

 

04 人気の外壁塗装の配色パターンと事例

外壁塗装では、単色で統一するスタイルから、上下や縦方向で色を分けるツートーンカラーなど、さまざまな配色パターンが人気です。周辺の環境や建物のスタイルに合わせて、適切な配色を選ぶことが大切です。

一般的に人気の高い配色パターンとしては、上下2色のツートーンカラーがあげられます。1階部分に落ち着いた色を使い、2階部分で明るい色を取り入れることで、メリハリのある洗練された印象を演出できます。また、縦方向に色を分けるスタイルも人気で、玄関周りにアクセントカラーを取り入れるなど、おしゃれな外観を実現できます。

一方で、単色で統一するシンプルな配色も根強い人気があります。お気に入りの色で外壁全体を塗装することで、印象的な外観が生まれます。ただし、単色の場合は色の選び方が重要で、周辺の環境と調和する色を選ぶ必要があります。

いずれの配色パターンを選ぶ場合でも、色の組み合わせが大切なポイントとなります。同系色で統一することで上品な印象に、アクセントカラーを取り入れることでおしゃれな外観になるなど、色の使い分けによって様々な表情が生まれます。

 

05 外壁塗装の色選びのまとめ

外壁塗装は長期間にわたって住宅の外観を決定づける大切な工事です。適切な色選びは、美しい外観を維持し、メンテナンスコストを抑えるためにも欠かせません。色選びで失敗しないためには、汚れが目立ちにくく、周辺環境と調和し、日光による色あせに強い色を選ぶことが重要です。また、同系色で統一感を持たせ、使用する色の数を3色程度に抑えることで、バランスの取れた外観を実現できます。事前に試し塗りやカラーシミュレーション、過去の事例を参考にすることで、イメージとのギャップを小さくできるでしょう。住まいの価値を長く保つためにも、慎重な色選びが不可欠です。