屋根の形状ごとの特徴と費用相場を徹底解説

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01 人気の屋根形状8種類とその特徴

戸建4棟のリアルな3Dレンダリング

住宅の屋根には様々な形状があり、それぞれ異なる特徴を持っています。屋根の形状は建物の外観デザインはもちろん、雨水の排水性や通風・採光性、施工コストなど、さまざまな点に影響を与えます。新築や屋根リフォームの際には、自分の好みや用途に合った屋根形状を選ぶことが重要です。ここでは、日本で人気の高い8種類の屋根形状とその特徴について解説します。

1-1. 切妻屋根の特徴

切妻屋根は両側に三角形の妻面を持つ代表的な屋根形状です。勾配がついているため、雨水の排水性に優れています。また、軒の出を深くすることで日射を調整でき、夏場の暑さ対策にもなります。伝統的な和風住宅に多く採用されてきた形状ですが、デザイン性は控えめで無個性的な印象があります。住宅街に溶け込みやすい反面、目立ちにくいデメリットもあります。

1-2. 片流れ屋根の特徴

片流れ屋根は、屋根面が一方向にのみ傾斜している形状です。構造が単純なため、施工が容易で費用を抑えられるメリットがあります。一方で、雨水の排水が一方向に集中するため、排水対策が重要になります。また、勾配のある屋根下の空間を有効活用しにくいという課題もあります。しかし、シンプルでスタイリッシュなデザインが魅力的で、近年人気が高まっています。

1-3. 寄棟屋根の特徴

寄棟屋根は、4面の勾配屋根が組み合わさった形状です。この形状により、どの方向からも日射を受けにくく、雨水もスムーズに排水できるため、快適な室内環境を保つことができます。また、4面で屋根を支えているため、高い耐風性と安定感があります。一方で、構造が複雑なため、施工費用が比較的高額になる点がデメリットです。太陽光パネルの設置面積にも制限があるため、導入を検討する場合は事前に確認が必要です。

1-4. 方形屋根の特徴

方形屋根は四方を同じ長さの垂直な面で構成された平らな屋根です。近年の住宅で人気が高まっている理由は、シンプルでモダンなデザインにあります。垂直な面が建物の存在感を際立たせ、都会的でスタイリッシュな印象を与えます。また、平らな屋根面を有効活用できるのも魅力的です。ベランダやテラス、屋上庭園などの空間を設けることができます。一方で、排水対策が最重要課題となります。勾配がないため雨水が溜まりやすく、排水設備を十分に設置する必要があります。また、積雪地域では雪庇対策も欠かせません。

1-5. 入母屋屋根の特徴

入母屋屋根は、切妻屋根の両側に小屋根が取り付けられた形状です。この構造により、屋根裏部分に換気口が設けられ、優れた通風性を実現しています。また、四方から光が入るため、採光面でも高い性能を発揮します。さらに、切妻屋根の特徴である良好な雨水排水性も備えており、機能面では総合的に高評価できる屋根形状です。一方で、その複雑な構造ゆえに、施工が難しく費用がかさむデメリットもあります。耐久性の高い屋根を求める場合は、入母屋屋根を選択するメリットは大きいでしょう。

1-6. 陸屋根の特徴

陸屋根は屋根面が完全に水平な平らな形状です。近年の建築デザインにおいて人気が高まっており、シンプルでスタイリッシュな外観が魅力的です。しかし一方で、雨水の排水性が悪いことが最大の課題となります。適切な勾配と排水溝の設置が不可欠で、メンテナンスにも注意が必要です。また、積雪地域では雪下ろしの手間がかかるデメリットもあります。一方で、屋上を有効活用できるメリットもあり、ベランダやテラス、ガーデニングスペースなどの用途に使えます。

1-7. 招き屋根の特徴

招き屋根は玄関ポーチの上部に設けられた小さな屋根で、玄関を視覚的に引き立たせる効果があります。この形状は「おいでおいで」と手招きするような印象を与えるため、そう呼ばれています。デザイン性が高く、玄関まわりに個性を出したい場合に適した屋根形状です。一方で、小さな屋根なので本体の屋根ほど機能的ではありません。雨よけ程度の役割しか果たせず、採光や通風への寄与は限られます。

1-8. はかま腰屋根の特徴

はかま腰屋根は、切妻屋根の下部に寄棟屋根のような小屋根が取り付けられた形状です。この構造により、雨水の排水性が高く、軒の深さを調整することで日射調整も可能となります。伝統的な和風住宅によく見られる屋根形状ですが、構造が複雑なため、施工費用が比較的高額になる傾向があります。また、雨漏りのリスクも高いため、定期的なメンテナンスが欠かせません。

 

02 形状変更のリフォームにかかる費用相場

図面を眺める夫婦

屋根の形状を変更するリフォームでは、既存の屋根を解体する費用と新しい屋根を施工する費用の2つがかかります。一般的な概算費用は100万円から300万円程度とされていますが、建物の大きさや使用する素材によって大きく変動することがあります。例えば、高級な素材を使用する場合は費用が高くなる傾向にあります。正確な費用を知るためには、複数の施工業者から見積もりを取ることが重要です。事前に十分な情報収集と比較検討を行うことをおすすめします。