外壁のひび割れ対策
– DIYと業者選択のポイント

INDEX目次

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01 外壁のひび割れ補修の種類

亀裂の入った外壁

外壁のひび割れ補修には大きく分けて2つの種類があります。ひび割れの範囲や程度によって、部分的な補修で済ませることができる場合と、外壁全体の修理が必要となる場合があります。

まず、ひび割れが局所的で範囲が限られている場合は、部分補修で対応が可能です。この場合、ひび割れ部分のみを丁寧に処理し、新しい塗料を塗り重ねることで美観を取り戻すことができます。一方、ひび割れが広範囲に及んでいる場合は、外壁全体の修理工事が避けられません。古い塗料を完全に剥がし、下地処理から行う必要があり、作業工程も複雑になります。

1-1. 部分的な補修

外壁のひび割れが限られた範囲にとどまっている場合、部分的な補修で対応することができます。まずはひび割れ部分を入念に研磨し、古い塗料を完全に除去します。次にパテ処理を施し、ひび割れや穴を確実に埋めます。下地処理としてプライマーを塗布した後、最後に新しい塗料を重ね塗りすることで、部分的な補修が完了します。このように範囲を限定して作業を行えば、コストを抑えつつ外壁の美観を維持できます。

1-2. 全面的な修理

ひび割れが外壁の広い範囲に広がっている場合、部分的な補修では不十分です。このような状況では、外壁全体の修理作業が求められます。まず既存の塗装を完全に剥がし、下地となる壁面を適切に処理します。その後、新しい塗料を何層にも重ねて塗装することで、外壁全体を補強し、美観を取り戻すことができます。広範囲の修理作業には、専門的な知識と経験が必要不可欠です。

 

02 DIYで外壁補修を行う手順

外の家の修理。 コークガンを使ってはしごの上に立っている男性。

外壁のひび割れを自分で補修する場合、まず必要な道具と材料を揃える必要があります。サンディングペーパー、パテ、プライマー、新しい塗料などを用意しましょう。作業手順としては、最初にひび割れ部分を研磨し、古い塗料を除去します。次にパテを使って穴や割れ目を埋め、下地を整えます。その後プライマーを塗布し、新しい塗料の下地を作ります。最後に新しい塗料を何度か塗り重ね、仕上げていきます。この一連の作業を丁寧に行えば、DIYでもある程度の外壁補修は可能です。ただし広範囲の場合は技術的に難しいため、専門業者に依頼するのが賢明でしょう。

2-1. DIYで対応できる範囲

外壁のひび割れは、その規模によってDIYで対応できる範囲が異なります。ひび割れの幅が0.3mm以下の小さなものであれば、ホームセンターなどで購入できるコーキング剤を使って自分で補修することができます。しかし、ひび割れの幅が1mm以上に広がっている場合は、構造的な問題が潜んでいる可能性があるため、専門の業者に相談し、適切な対処を依頼することが賢明でしょう。また、ひび割れの範囲が広範囲に及んでいる場合も、DIYでは対応が難しくなります。部分的な補修ならDIYで行えますが、外壁全体に及ぶ場合は、業者への依頼を検討する必要があります。

2-2. 事前の準備

DIYで外壁のひび割れ補修に取り組む前に、必要な道具と材料を事前に揃えることが重要です。まずは作業に欠かせないサンディングペーパーを用意しましょう。これを使ってひび割れ部分の古い塗料を除去し、新しい塗料が密着しやすい下地を作ります。次に、ひび割れの穴や割れ目を埋めるためのパテも必須アイテムです。パテを塗布することで平らな面を作り出せます。さらに、新しい塗料を塗る前に、プライマーを塗布する必要があります。プライマーは塗料の密着性を高め、耐久性を向上させる役割があります。最後に、実際に塗る塗料を選びます。外壁用の高品質な塗料を選ぶことで、長期間の防水性と美しさを保つことができるでしょう。これらの道具と材料を事前に揃えておけば、DIYでの外壁補修作業がスムーズに進められます。

2-3. 補修の手順

1. ひび割れのある部分を耐水ペーパーやサンディングブロックで丁寧に研磨し、古い塗膜を除去します。
2. 研磨後の穴や割れ目にパテ剤を詰め込み、平らに整えます。
3. パテ剤が完全に乾燥したら、プライマーを塗布して新しい塗料の下地を作ります。
4. プライマーの上から最終的に新しい塗料を2~3回に分けて重ね塗りします。

 

03 業者に依頼する基準

外壁のひび割れや塗装の剥がれが広範囲に及んでいる場合、DIYでの補修は非常に困難になります。広範囲の補修作業には専門的な知識と経験が必要不可欠です。一方的な補修では根本的な原因に対処できず、一時しのぎの対処にすぎません。そのため、ひび割れや剥がれが広範囲に及んでいる場合は、外壁の全面的な修理を専門業者に依頼することが賢明な選択肢となります。

さらに、ひび割れの原因が構造上の問題である可能性もあります。構造的な欠陥が原因の場合、DIYでは適切な対処が困難です。専門業者ならば、構造診断を行い、適切な補強工事を提案してくれます。構造上の問題が疑われる場合も、安全性を考慮し、業者への依頼が推奨されます。

3-1. 広範囲のひび割れや剥がれ

外壁のひび割れや塗装の剥がれが広範囲に及んでいる場合、自力での補修は避けるべきです。そのような状況では、外壁全体の修繕が必要不可欠となります。専門的な知識と高度な技術を要するため、経験豊富な業者に作業を委ねることが賢明な選択肢です。素人が手を出すと、適切な下地処理や塗装ができず、結果的に費用の無駄遣いに終わる可能性が高くなります。

3-2. 構造上の問題

ひび割れの原因が建物の構造的な欠陥や地盤の問題である可能性がある場合、DIYでは適切な対処が困難です。建築物の基礎や土台に不具合があったり、地盤沈下や地震による被害が原因で外壁にひび割れが生じていると、素人の手に余る補修が必要となります。このような構造上の問題が疑われる場合は、早期に専門業者に相談し、的確な診断と対策を仰ぐべきでしょう。構造補強を要する場合もあり、経験と技術を持つ業者に一任するのが賢明な選択肢と言えます。

 

04 外壁補修に必要な費用

外壁のひび割れや塗装の劣化に対処するための補修費用は、作業の範囲によって大きく異なります。部分的な補修であれば比較的安価に済みますが、外壁全体の修理となると高額になる可能性があります。また、DIYで外壁塗装を行う場合も、材料費と作業の難易度を考えると業者に依頼する方が賢明でしょう。

4-1. 部分補修の費用

部分的な外壁のひび割れ補修であれば、必要な材料費を含めても概ね5,000円から2万円程度で対応できるでしょう。ひび割れの範囲が小さければ小さいほど費用を抑えられます。ただし、ひび割れの原因が構造的な問題である可能性もあるため、専門家に相談することが賢明です。構造上の問題が見つかれば、部分補修ではなく全面的な修理が必要となり、費用は高額になる可能性があります。

4-2. 全面修理の費用

外壁の全面修理は、ひび割れや剥がれの範囲が広範囲に及ぶ場合に必要となります。この場合、古い塗料を完全に剥がし、下地処理から行う必要があるため、費用が高くなる傾向にあります。一般的に、30坪程度の住宅で外壁全面修理を行うと、10万円以上の費用がかかると見積もられています。ただし、使用する塗料の種類や現場の状況によって、さらに費用が増える可能性もあります。広範囲の修理作業では、専門的な知識と経験を持つ業者に依頼することが賢明です。業者に依頼すれば、適切な工程と確かな技術により、外壁の機能と耐久性を十分に発揮できる仕上がりが期待できます。

4-3. DIY外壁塗装の費用

DIYで外壁塗装を行う際には、塗料代と必要な道具一式の購入費用が発生します。塗料は面積に応じて必要量が変わりますが、一般的な25坪程度の住宅では2万円前後が見込まれます。一方で、サンディングペーパーや養生シート、ローラーなどの道具一式を揃えると3万円程度かかるでしょう。つまり、DIYで外壁塗装を行う場合の費用は概算で5万円前後と言えます。

しかし、外壁塗装は高所作業が伴うため危険が伴います。また、塗装の仕上がりは作業者の技量次第です。下地処理が不十分だと塗膜の密着性が損なわれ、早期に塗り替えが必要になる可能性があります。このように、DIYでの外壁塗装には高い難易度が伴うため、費用対効果を考えると業者に依頼する方が賢明でしょう。経験豊富な業者なら確実な仕上がりが期待でき、長期的に見れば安心して任せられます。