家の外壁材の種類と長所・短所
適切な選び方とメンテナンス方法

INDEX目次

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01 外壁の重要な役割

白いサイディングに光があたっている

外壁は単に住宅の外観を決めるだけでなく、雨風から内部を守り、断熱性や遮音性を発揮して快適な生活空間を実現する機能的な役割も担っています。適切な外壁材を選ぶことで、構造体の保護や省エネ性能の向上、美しいデザインの実現など、様々なメリットが得られます。外壁は住宅の顔ともいえる重要な部分なので、材質や色合いの選定には十分な検討が必要不可欠です。

1-1. 構造体を保護する

外壁は建物の骨格である構造体を雨風や紫外線、温度変化などの外的要因から守る役割を担っています。適切な外壁材を選び、しっかりとした施工を行うことで、建物の基礎や柱、梁などの構造体を長期にわたって保護することができます。外壁が劣化すると、構造体への影響が避けられなくなるため、定期的なメンテナンスが欠かせません。外壁材の選定と施工、メンテナンスを怠ると、最悪の場合、建物自体の安全性が損なわれる恐れがあります。

1-2. 遮熱・断熱性能を発揮する

外壁には、住宅内部の快適な温熱環境を保つための遮熱・断熱性能が求められます。外壁材の種類によって熱の伝導率が異なり、遮熱・断熱性に差が生じます。一般的に、金属系サイディングは熱の伝導が良く、窯業系サイディングや木質系サイディングは断熱性に優れています。また、外壁の通気性や気密性も重要で、結露の防止や冷暖房効率の向上につながります。外壁材を選ぶ際は、地域の気候風土に合わせて、適切な遮熱・断熱性能を持つ材質を選ぶことが賢明です。

1-3. 意匠性を高める

外壁は住宅の外観デザインを左右する重要な要素です。色や素材を適切に選ぶことで、建物に個性と魅力を与えることができます。窯業系サイディングには木目調やレンガ調、石目調などさまざまなバリエーションがあり、デザインの自由度が高いのが特徴です。一方、金属系サイディングは機能性に優れる分、デザイン面では制約があります。モルタル外壁は職人の手作業で仕上げるため、デザインの可能性は無限大と言えるでしょう。タイル外壁は重厚感と高級感があり、経年変化による色の深まりも魅力的です。このように、外壁材を選ぶ際には意匠性も重要な判断材料となります。周辺環境と調和しつつ、自分の好みを反映させた外観デザインを実現できれば、より魅力的な住まいを手に入れられるはずです。

 

02 外壁材の見分け方のポイント

凹凸のある白いタイル外壁

外壁材を見分けるには、まず材質に着目することが重要です。窯業系サイディングは繊維質やセメントを原料とし、金属系はガルバリウム鋼板やアルミ、スチールなどの金属製、樹脂系は塩化ビニル樹脂を原料としています。次に表面の質感を観察すると、窯業系は目地が目立ち、金属系は目地があまり目立たない傾向にあります。さらに取り付け方法でも判別できます。窯業系は工場で成型された板材を張り付けるのに対し、モルタルは現場で塗り付けるため、目地の有無で区別がつきます。このように材質、質感、取り付け方法の3点に注目すれば、外壁材の種類を見分けられるでしょう。

2-1. 材質で判別する

外壁材の材質を判別するには、目地の有無や質感、取り付け方法などに注目する必要があります。窯業系サイディングは目地が目立ち、金属系は目地があまり目立たない傾向にあります。樹脂系サイディングは目地がなく、ボードを直接張り合わせています。木質系は天然木の風合いが感じられます。モルタル外壁は目地がなくシームレスな仕上がりで、タイル外壁は目地とタイルが一体化していないのが特徴です。ALC外壁は目地がなく、シーリングで処理されています。このように、材質ごとに目地の有無や質感が異なるため、これらのポイントを押さえておけば、外壁材の種類を判別しやすくなります。

2-2. 表面の質感で判別する

窯業系サイディングは目地が目立ち、表面は滑らかですが、金属系サイディングは目地があまり目立たず、金属の質感があります。樹脂系サイディングはプラスチック質の質感があり、木質系サイディングは木目が確認できます。モルタル外壁は目地がなく、コテの跡が残る滑らかな仕上がりです。タイル外壁は目地が浮き上がっており、タイル自体の質感が特徴的です。ALC外壁は目地がなく、シーリングで処理されています。このように、表面の質感を観察することで、外壁材の種類を見分けることができます。

2-3. 取り付け方法で判別する

外壁材の取り付け方法にも特徴があり、これを見ることで種類を判別できます。窯業系サイディングは工場で成型された板状の素材を壁に張り付けるため、目地が目立ちます。一方、金属系サイディングの目地は目立ちにくい傾向にあります。樹脂系サイディングは目地がなく、ボードを直接張り合わせています。木質系は木の素材感が出ており、モルタル外壁やALC外壁はシームレスでジョイント部分がわかりにくいのが特徴です。タイル外壁は目地とタイル本体が一体化していないことがポイントになります。

 

03 主な外壁材の種類と特徴

外壁材には大きく分けて窯業系、金属系、樹脂系、木質系のサイディングと、モルタル、タイル、ALCの3種類があります。サイディングは工場で生産された板材を使うため施工が容易で費用を抑えられますが、モルタルやタイルは職人技が必要で高価になる傾向にあります。一方でモルタルやタイルは耐久性に優れ、メンテナンスが比較的楽です。ALCは軽量で断熱性に優れていますが、防水性が低いのがデメリットです。このように外壁材には一長一短があり、用途や予算、デザイン性などを考慮して適切に選ぶ必要があります。

3-1. 窯業系サイディング

窯業系サイディングは、セメントや繊維質を主原料とした板状の外壁材料です。製造工程で高温の窯で焼成されるため、この名称がついています。レンガ調、タイル調、木目調など、様々な質感や模様のデザインバリエーションが用意されており、戸建て住宅の7割以上で使用されている人気の外壁材です。工場で大量生産されるため、価格も比較的リーズナブルな水準となっています。目地の存在感が強く、目地を隠す幕板が設置されていることも多いのが、この種の外壁材の特徴です。

3-2. 金属系サイディング

金属系サイディングは、ガルバリウム鋼板、アルミニウム、スチールなどの金属製の外壁材です。窯業系サイディングに次いで人気が高く、シェアを伸ばしています。金属の種類によって多少の違いはありますが、総じて耐久性に優れ、腐食にも強いのが特徴です。

住宅用としては主にガルバリウム鋼板製が使われており、強度が高く長期間の使用に耐えられます。また、断熱性や防音性、耐震性も備わっているのがメリットです。価格は窯業系サイディングよりやや高めですが、アルミやスチールよりは安価です。

デザインの面では、かつてはシンプルなものが主流でしたが、最近ではレンガやタイルの質感を再現したものも登場し、窯業系との見分けがつきにくくなってきました。その際の判別ポイントは目地で、金属系は目地が目立ちにくいのが特徴です。

3-3. 樹脂系サイディング

樹脂系サイディングは、塩化ビニル樹脂を主原料とした外壁材です。国内シェアは小さいものの、耐久性に優れ20年以上の長期間使用できます。塗装の必要がなく、ボード同士の目地もないため、メンテナンスが簡単です。一方で、デザインバリエーションが限られており、費用が比較的高めになる傾向にあります。プラスチック質感の外観が特徴的で、ボードを継ぎ目なく張り合わせた外観から見分けられます。

3-4. 木質系サイディング

木質系サイディングは、天然木を薄く加工した板状の外壁材です。無垢材を使用しているため、人工木材にはない自然な木目や質感が特徴です。高級感があり、落ち着いた雰囲気を醸し出すことができます。

一方で、木材は腐食しやすく、定期的なメンテナンスが必要不可欠です。適切な塗装や補修を行わないと、早期に劣化が進行してしまいます。また、価格が比較的高めで、1平方メートル当たり5,000円から8,000円程度と見積もられています。

しかし、丁寧にケアを行えば、木質系サイディングは長期間美しさを保つことができます。自然素材ならではの味わいある表情を楽しめるのが、最大の魅力といえるでしょう。

3-5. モルタル外壁

モルタル外壁は、セメントや砂などを混ぜ合わせた塗り壁材を、職人が手作業で壁面に塗り重ねて仕上げる伝統的な外壁です。左官職人の技術によって、様々な模様や質感を表現することができ、デザイン性に富んでいます。色合いも自由に選べるため、建物の個性を際立たせることができます。

一方で、モルタル外壁は経年劣化による剥がれやひび割れが発生しやすく、定期的な補修が欠かせません。また、職人の手作業による施工のため、コストが比較的高くなる傾向にあります。メンテナンスに手間がかかることから、近年ではサイディングなどの工場生産品に人気が移っています。

3-6. タイル外壁

タイル外壁は、粘土や石を焼き固めた素材を使用しています。焼き物ならではの素朴な風合いと色合いが特徴で、年月を経るごとに深みのある表情に変化していきます。耐久性に優れ、半永久的に長持ちすると言われています。また、耐火性や耐水性も高く、メンテナンスが比較的楽な外壁材です。一方で、タイル自体が重量があるため、建物の構造的な負担になる可能性があります。地震などの振動で割れや剥がれが生じるリスクもあり、施工には専門的な技術を要します。価格は1平方メートル当たり13,000円から35,000円程度と、他の外壁材に比べて高額になる傾向にあります。

3-7. ALC外壁

ALCは、発泡剤を混ぜて気泡を含ませた軽量コンクリートパネルです。主原料はセメント、生石灰、アルミニウム粉末などで、金網が補強材として内部に入っているため高強度です。重量はコンクリートの約4分の1と軽く、住宅への負荷が比較的小さいメリットがあります。耐火性と断熱性に優れているのも大きな長所です。一方で防水性が低いため、仕上げ材で保護する必要があり、シーリングが不十分だと雨漏りのリスクもあります。工場生産品のため、デザインや性能のばらつきが少ないのが特徴で、目地はシーリングで処理されています。

 

04 最も一般的な外壁材はサイディング

サイディングは現在、国内の新築住宅の8割以上に採用されている外壁材です。サイディングには窯業系、金属系、樹脂系、木質系の4種類がありますが、その中でも窯業系サイディングが最も広く使用されています。窯業系サイディングは工場で製造された板状の外壁材で、レンガ調やタイル調、木目調など様々なデザインバリエーションがあり、価格も比較的手頃なことから人気が高いのが特徴です。あらかじめ工場で成型された素材を壁に張り付けるだけなので、施工が容易で工期も短縮できるというメリットもあります。

 

05 外壁材を賢く選ぶポイント

外壁材を選ぶ際は、単に価格や見た目だけでなく、材質の特性を十分に理解することが大切です。各材質には長所と短所があり、住宅の立地環境や気候、メンテナンス頻度などを考慮して、最適な材質を選ぶ必要があります。例えば木質系は質感が良いものの腐食しやすく、金属系は耐久性に優れる一方で機械的な印象になりがちです。このように一長一短があるため、自分の用途に合った材質を選ぶことが賢明な選択につながります。

また、地域の気候風土にも目を向ける必要があります。例えば雨が多い地域では防水性の高い材質を、寒冷地では断熱性能に優れた材質を選ぶなど、立地環境を考慮して適切な材質を選びましょう。気候条件を無視すると、外壁の劣化が早まる可能性があります。

さらに、メンテナンス性の良し悪しも重要なポイントです。外壁はいずれ劣化が進行するため、定期的なメンテナンスが欠かせません。塗装の必要がなく目地も少ない材質を選べば、メンテナンス作業が格段に楽になります。初期費用が高くても、長期的にはメンテナンスコストを抑えられるでしょう。

5-1. 材質の長所・短所を理解する

窯業系サイディングは価格が手頃で、デザインバリエーションが豊富なのが長所ですが、防水性に乏しく塗装の劣化に注意が必要です。金属系サイディングは耐久性と断熱性に優れていますが、デザインの選択肢が限られる傾向にあります。樹脂系サイディングはメンテナンスフリーが魅力的ですが、取扱業者が少なく価格が高めです。木質系サイディングは自然な風合いがありますが、腐食に弱い点が短所です。モルタル外壁は自由度の高いデザイン性が長所ですが、ひび割れなどのメンテナンスが大変です。タイル外壁は耐久性に優れる一方で重量物なので建物への負担が大きくなります。ALC外壁は軽量で断熱性に優れますが、防水性が低いのがデメリットです。

5-2. 地域の気候風土に適した材質を選ぶ

外壁材の選定においては、地域の気候風土に適した材質を選ぶことが肝心です。例えば、日照時間が長く乾燥した地域では、耐候性と耐熱性に優れた金属系サイディングや窯業系サイディングが適しています。一方、湿潤な気候の地域では、木質系サイディングなどの通気性の良い材質を選ぶと良いでしょう。また、積雪の多い寒冷地では、耐久性と断熱性に優れたALCパネルが有利です。このように、地域の気象データを参考にして、外壁材の特性を見極めることが重要なのです。

5-3. メンテナンス性を重視する

外壁材の選定においては、メンテナンス性能も見逃せない重要なポイントです。外壁は日々の風雨にさらされるため、経年劣化は避けられません。しかし、メンテナンスが容易な外壁材を選べば、長期的なコストを抑えることができるのです。

一般的に、塗装の必要がなく目地が少ない外壁材ほど、メンテナンスが楽です。タイルは色落ちや劣化が少なく、手入れが比較的簡単な外壁材と言えます。ただし、タイルは初期費用が高額になる傾向にあります。一方で、サイディングは工場生産品のため価格が手頃で、メンテナンス性にも優れています。特に樹脂系サイディングは、塗装やシーリングの必要がほとんどありません。

いずれの外壁材を選んでも、定期的な点検と適切な補修が欠かせません。メンテナンス性に優れた外壁材を選び、適切なケアを行えば、外壁の美しさを長期間維持することができるでしょう。

 

06 外観デザインに影響する色の選び方

外壁の色は家の外観デザインに大きな影響を与えます。周辺の環境と調和し、落ち着いた印象を与える色を選ぶことが重要です。一方で、あまりにも地味すぎる色は個性を失ってしまう恐れがあります。人気の定番色を参考にしつつ、風水的な意味合いなども考慮して、ご家庭に合った外壁色を選びましょう。また、メンテナンス性の観点から、汚れが目立ちにくい色を選ぶのも賢明です。

6-1. 周辺環境と調和させる

外壁の色を選ぶ際は、周辺の住宅や街並みと調和するかどうかを確認することが大切です。周囲と雰囲気が異なりすぎると、違和感を覚えてしまいます。そのため、ベースカラーとしては無難なベージュやグレーなどの淡い色を選ぶのが一般的です。一方で、あまりにも地味すぎる色を選びすぎると、個性を失ってしまう恐れがあります。ベースカラーは無難な色を選びつつ、一部にアクセントカラーを取り入れるなど、バランスの取れた色使いをすることが賢明でしょう。

6-2. 人気の定番カラーを参考にする

無難で飽きの来ないベージュやグレーなどの淡い色合いが人気の定番カラーとして選ばれがちです。こうした色合いは濃い色の屋根材とのバランスが取りやすく、周辺の住宅とも調和しやすいためです。一方で個性を出したい場合は、ベースを無難な色にしつつ、一部にレンガやタイルなど異なる素材を組み合わせたり、アクセントカラーを取り入れるなどの工夫が有効でしょう。全体の雰囲気に表情を加えることができます。

6-3. 風水的な意味合いを考慮する

風水では、色にはそれぞれ異なる意味合いがあると信じられています。例えば、赤は活力や情熱を表し、緑は安らぎや成長を象徴します。黄色は陽気さや明るさ、白は清浄さや新しい始まりを意味するとされています。一方で、黒は権威や重厚さを連想させますが、過剰に使うと重苦しい印象を与えてしまう可能性があります。外壁の色を選ぶ際には、こうした風水的な色の意味合いを参考にすると、より良い環境づくりにつながるかもしれません。ただし、あくまでも個人の価値観次第なので、強制するものではありません。

6-4. 汚れが目立ちにくい色を選ぶ

外壁は日々の風雨にさらされるため、時間の経過とともに汚れが付着していきます。そのため、汚れが目立ちにくい色を選ぶことで、外観の美しさを長期間維持することができます。一般的に、グレーやベージュ、アイボリーなどの淡い色合いが汚れを目立たせにくい特徴があります。これは、外壁に付着しやすい砂ぼこりやカビ、コケなどの汚れが中間色であるため、色の差が小さくなり目立ちにくくなるためです。一方で白や黒などのコントラストの強い色は、汚れが際立ってしまいがちです。定期的なメンテナンスが難しい場合は、淡い色合いの外壁を選ぶと良いでしょう。

 

07 外壁のメンテナンスと補修方法

外壁は日々の風雨にさらされ、徐々に劣化が進行します。適切なメンテナンスを怠ると、防水性や断熱性が低下し、建物の寿命を縮めてしまう恐れがあります。外壁の補修には、部分的な補修と全面的な再塗装の2つの方法があります。状況に応じて適切な方法を選ぶことが重要です。

7-1. 部分的な補修

外壁の小さなひび割れや錆び、コーキングの劣化などの軽微な損傷には、部分的な補修が適しています。部分補修は全面的な補修に比べて費用を大幅に抑えられるメリットがあります。

ひび割れの補修では、まず割れ目の周りをこすって汚れを落とし、割れ目にパテ状の補修材を詰めていきます。乾燥後に同系色の塗料で上塗りすれば、目立たなくなります。錆びの補修も同様に、サンディングで錆を落とし、さび止め塗料を塗布することで進行を食い止められます。

コーキングの補修には「増し打ち」と「打ち替え」の2種類があります。増し打ちは既存のコーキングの上から新しいコーキング材を重ねる方法で、打ち替えは古いコーキングを全て除去してから新しく打ち直す方法です。コーキングの劣化具合によって適切な方法を選びましょう。

部分補修は自分でも行えますが、ひび割れが3mm以上の深刻な亀裂の場合は構造的な問題が疑われるため、専門業者に依頼するのが賢明です。

7-2. 全面的な再塗装

外壁の劣化が著しい場合、部分補修では対応しきれず、全面的な再塗装工事が必要となります。再塗装工事では、古い塗膜を完全に除去した後、新しい塗料を塗り重ねていきます。使用する塗料の種類によって、塗り重ね回数や工程が変わってくるため、工事費用にも大きな開きが生じます。

一般的に安価なアクリル塗料は、1平方メートルあたり1,500円前後が相場ですが、耐用年数は5年から8年程度と短めです。一方で、フッ素塗料やシリコン塗料、ハイブリッド塗料などの高級塗料を選べば、1平方メートルあたり4,000円から5,000円と初期費用は高くなりますが、15年から20年以上の長期間にわたり美観を保つことができます。

したがって、長期的なコストを抑えるためには、初期投資は高くなりますが、耐久性に優れた高級塗料を選ぶことが賢明な選択肢となります。ただし、高級塗料を使用した場合でも、10年から15年を目安に定期的な補修が必要不可欠です。

 

08 まとめ

外壁材には様々な種類があり、それぞれ長所と短所があります。窯業系サイディングは価格が手頃で種類が豊富ですが、防水性に乏しい点がデメリットです。金属系は耐久性に優れますが、デザインの選択肢が限られます。樹脂系は耐久性が高く手入れが楽ですが、価格が高めです。木質系は自然な風合いがありますが、腐食しやすいのが難点です。モルタル外壁は職人技で仕上げるため、デザイン性に富みますが、ひび割れが発生しやすいです。タイル外壁は丈夫で長持ちしますが、重量物なので建物への負担が大きくなります。ALC外壁は軽量で断熱性に優れますが、防水性が低いのがデメリットです。外壁材を選ぶ際は、価格、デザイン性、耐久性、メンテナンス性などを総合的に判断し、地域の気候風土にも留意する必要があります。また、外観デザインを決める色選びも重要で、周辺環境と調和させつつ、汚れが目立ちにくい色を選ぶのがおすすめです。外壁のメンテナンスも欠かせません。部分補修と全面的な再塗装を適切に行い、外壁を長持ちさせましょう。