外壁塗装リフォームの基本ガイド

INDEX目次

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01 外壁塗装で住まいを守り彩る

模型の戸建と虫眼鏡で覗く女性

新築時の美しい外観は、時間の経過とともに色あせや汚れ、ひび割れなどの劣化が目立ってきます。一般的に築10年前後を目安に、外壁塗装のリフォームを検討する人が増えてくるのが実情です。外壁塗装は、単なる美観の改善だけでなく、住宅の保護という重要な役割も担っています。定期的なメンテナンスで、外壁の機能を維持・回復させることが大切なのです。

外壁塗装リフォームによって、日光や雨風から建物を守る保護機能が高まります。塗り替えることで、壁材への雨水の浸入を防ぎ、光の反射や吸収を適切にコントロールできるようになります。また、耐震性や耐火性の向上にもつながり、災害に強い住まいを実現します。適切なタイミングでリフォームを行えば、大規模な補修工事を先送りできる可能性もあり、長期的にはコストを抑えられます。

一方で、外壁塗装は住まいの外観デザインを一新する絶好の機会でもあります。新築同様の鮮やかな色合いとツヤを取り戻し、毎日目にする景色を気持ちよく彩ることができます。費用はかかりますが、美しい住まいは生活の質を高め、心の豊かさにもつながるでしょう。

1-1. 劣化から家を保護する

年月の経過とともに、外壁の塗装は剥がれや浮きが生じ、家を守る機能が低下していきます。しかし、外壁塗装のリフォームを行えば、その保護機能を取り戻すことができます。新しい塗料には、光を効果的に反射したり、雨水の浸入を抑制したりする高い性能が備わっています。さらに定期的なメンテナンスで大がかりな修繕を未然に防げば、長期的な費用の削減にもつながるでしょう。

1-2. 外観デザインを一新する

外壁塗装リフォームは、単に家を保護するだけでなく、外観デザインを刷新する絶好の機会でもあります。新しい塗料を選ぶことで、色合いやツヤを変え、まるで新築のような美しい外観に生まれ変わらせることができます。しかし、色の選び方を誤ると、かえって住まいの価値を損ねてしまう可能性もあります。

例えば、面積の広さによって色の見え方が変わる「面積効果」に注意が必要です。広い面積では明るい色が鮮やかに、暗い色が暗くくすんで見えます。カタログの見本では想像していた色味と異なる仕上がりになるかもしれません。対策として、カタログは太陽光の下で確認し、面積効果を考慮して意図的にワントーン明るい、または暗い色を選ぶと良いでしょう。

また、屋根色や周辺の景観とのバランスを意識することも重要です。屋根は家全体の印象を左右する大きな面積を占めるため、外壁と調和のとれた色や質感を選ぶべきです。さらに、一部の自治体では景観ガイドラインに基づき、外壁の色味を制限している場合もあります。地域に馴染む色選びが求められます。このように、外観デザインの一新には様々な要素を考慮する必要があり、専門家のアドバイスを仰ぐことをおすすめします。

 

 

02 リフォームで行う主な工事

ペンキとブラシ

外壁塗装リフォームでは、建物の状態に応じて様々な工事が行われます。主な工事内容としては、ひび割れやクラックの補修、新しい塗料による塗り替え、外壁材の全面張り替え、既存外壁材への重ね張りなどがあげられます。建物の劣化具合や予算、ご要望に合わせて、最適な工事方法を選択することが重要です。補修工事は比較的低コストで済みますが、外壁材の状態が悪ければ張り替えや重ね張りなど大がかりな工事が必要となる場合もあります。適切な工事を選ぶことで、住まいの美観と機能を長期間維持できるでしょう。

2-1. ひび割れやクラック補修

外壁にできたひび割れやクラックは、放置すると雨水の浸入により壁材が劣化し、構造上の問題にもつながる恐れがあります。そのため、早期の補修が重要となります。補修工事では、まずひび割れの原因を特定し、適切な方法で補強を行います。ひび割れが小さい場合は、モルタルやコーキング材を充填することで補修できます。大きなひび割れの場合は、周辺の壁材を一部撤去し、新しい壁材と置き換える必要があるかもしれません。

一般的な補修工事では、足場を組む必要がないため、比較的低コストで行えます。しかし、ひび割れの原因が構造的な問題であれば、大規模な補強工事が必要になる場合もあります。状況に応じて、適切な補修方法を選ぶことが大切です。

補修の一部はDIYでも可能ですが、構造上の問題がある場合は専門業者に依頼するのが賢明です。DIYで対応できる範囲を理解し、自身のスキルに見合った作業を行うことをおすすめします。

2-2. 新しい塗料の塗装

外壁塗装リフォームで最も一般的な工事は、新しい塗料を塗り重ねることです。塗装工事は比較的短期間で完了し、費用も張り替えや重ね張りに比べて抑えられる傾向にあります。ただし、既存の外壁材の劣化具合によっては、塗装のみでは十分な効果が得られない場合もあります。

塗料の種類は多岐にわたり、アクリル塗料、ウレタン塗料、フッ素塗料、ラジカル制御型塗料、セラミック塗料、光触媒塗料、無機塗料、ナノテクノロジー塗料など、様々な特性を持った製品があります。耐用年数は3年程度の短命なものから20年以上の長寿命なものまであり、1平米あたりの施工費用も1,000円台から1万円を超えるものまで幅広い範囲にわたります。

例えば、低価格で短命なアクリル塗料に比べ、フッ素塗料やセラミック塗料は高価格ですが、優れた耐久性や断熱性、遮熱性を備えています。ラジカル制御型塗料は比較的新しい製品で、チョーキング現象の抑制に効果的です。無機塗料やナノテク塗料は環境配慮型の製品で、カビや燃え広がりを抑える特徴があります。このように、塗料の特性は様々なので、住宅の状況や予算、求める性能に合わせて適切な塗料を選ぶ必要があります。

2-3. 外壁材の張り替え

外壁材の張り替え工事は、現在の外壁をすべて剥がし、新しい外壁材を一から張り直す作業です。この工法は、工期が長く高額になる傾向がありますが、大きな利点もあります。まず、既存の外壁を完全に剥がすことで、外壁の下地部分までメンテナンスが行えます。ひび割れや劣化が進行している下地を補修でき、外壁の強度を大幅に改善することができます。また、最新の高性能な外壁材に張り替えることで、断熱性や耐震性、防火性能なども向上します。リフォーム後の住宅の寿命が大きく延びる可能性があるのです。費用は高くつきますが、長期的な視点で見れば、張り替え工事はコストパフォーマンスに優れた選択肢と言えるでしょう。

2-4. 外壁の重ね張り工事

外壁の重ね張り工事は、現在使用している外壁材をそのまま残し、その上から新しい外壁材を重ねて張る工事方法です。既存の外壁材を処分する必要がないため、外壁材の張り替え工事に比べて工期が短く、費用も抑えられるメリットがあります。

また、新しい外壁材を重ねることで、断熱性能が向上する効果も期待できます。しかし一方で、重ね張りにより外壁の重量が増加するため、建物の耐震性能が低下するリスクもあります。さらに、既存の外壁材の下地までは手が届かないため、徹底的な補修ができないというデメリットもあります。

重ね張り工事を検討する際は、建物の状態や立地条件、予算など総合的に判断する必要があります。耐震性への影響が気になる場合は、外壁材の張り替え工事を選ぶことをおすすめします。一方で、コストを抑えたい場合や一時的な対処を望む場合は、重ね張り工事も選択肢の一つとなります。

 

 

03 費用相場と補助金・助成金制度

白い電卓の上に補助金の文字

外壁塗装リフォームは、一般的に30坪の住宅で80万円から130万円程度の費用がかかります。この費用は使用する塗料の種類、施工面積、業者の選定などによって変動します。高機能で耐久性に優れた塗料を選べば費用は高くなり、塗装面積が広ければ広いほど高額になる傾向にあります。また、外壁の状態や工事の内容によっても費用は変わってきます。適切な費用を見積もるには、複数の業者から見積もりを取り、比較検討することをおすすめします。

一方、一部の自治体では省エネや断熱工事に該当する外壁塗装リフォームに対し、10万円から20万円程度の補助金や助成金を支給する制度があります。ただし、支給条件や金額は自治体ごとに異なり、助成制度自体がない自治体もあるため、事前の確認が必要です。一般的な支給条件としては、断熱塗料や遮熱塗料の使用、税金の完納、居住用住宅へのリフォームなどが挙げられます。申請には自治体指定の書類を用意し、審査を受ける必要があり、予算に限りがあるため早めの対応が求められます。

 

 

04 外観デザインの色選び

カラフルな戸建の外観

外壁塗装における色選びは、住まいの外観を左右する重要な要素です。適切な色を選ばないと、イメージと異なる仕上がりになったり、汚れが目立ってしまったりする可能性があります。そこで、色選びのポイントをしっかりと理解し、理想の外観を実現しましょう。

まず、面積効果に注意が必要です。面積が広いほど明るい色は鮮やかに見え、暗い色は更に暗く見えてしまう錯覚が起こります。カタログでは実際の色味と異なって見えるため、太陽光の下で確認するのがおすすめです。また、あえてワントーン明るい、もしくは暗い色を選ぶ方法もあります。

次に、屋根色との調和を意識しましょう。屋根は面積が広く、外観の印象を大きく左右します。外壁と屋根のデザインや質感を合わせることで、全体的にバランスの取れた外観になります。サッシやドアとの統一感にも気をつけると良いでしょう。

軒天の色は、外壁よりも薄めの色を選ぶのが無難です。軒天は日光が当たらず影になりがちなので、薄い色を選ぶことで立体感が出て外観にメリハリがつきます。

最後に、お住まいの地域で景観ガイドラインが定められていないか確認しましょう。一部の自治体では、外壁の色味を制限しているところもあります。地元の業者に相談すれば、ガイドラインに沿った色選びのアドバイスが得られるでしょう。

4-1. 面積効果で印象が変わる

外壁の面積が広いと、明るい色は一層鮮やかに映り、暗い色は更に暗く見えがちです。これは「面積効果」と呼ばれる視覚的な錯覚現象です。サンプルの小さな見本では想像しにくい仕上がりになるため、実際の面積を想像しながら色を選ぶ必要があります。

例えば淡い黄色を選んだ場合、見本では爽やかな印象ですが、実際の外壁に塗ると強すぎる黄色に見えるかもしれません。一方、グレーを選んでも、見本では落ち着いた色味ですが、実際には暗くくすんで見えるでしょう。

このような面積効果を考慮して、あえて「ワントーン明るい色」または「ワントーン暗い色」を選ぶと良いでしょう。明るい色を選ぶ場合はワントーン暗めの色を、暗い色を選ぶ場合はワントーン明るめの色を選ぶと、実際の仕上がりに近い印象を得られます。

4-2. 屋根色との調和を意識

外壁塗装のリフォームでは、屋根の色味と調和するよう外壁色を選ぶことが重要です。屋根は家全体の印象を大きく左右する面積が広い部分なので、外壁色を屋根色に合わせることで、まとまりのある美しいデザインに仕上がります。例えば、落ち着いた色調の屋根なら、外壁色も同系色の落ち着いた色を選ぶとよいでしょう。一方で、鮮やかな屋根色の場合は、外壁色を少し落ち着いた色にするなど、バランスを意識するとよりすっきりとした印象になります。また、和風の屋根には和風の外壁色を、洋風の屋根には洋風の外壁色を合わせるなど、デザインの統一感にも気を配りましょう。

4-3. 軒天は落ち着いた色が無難

軒天は日光があまり当たらない場所なので、外壁よりも落ち着いた色を選ぶのが賢明です。明るい色を選んでしまうと、軒天部分が暗く見えてしまい、外観のメリハリが損なわれてしまいます。ナチュラルな木目調やグレーなど、落ち着いた色を選ぶことで、軒天と外壁のコントラストが生まれ、立体感のある外観に仕上がります。

4-4. 地域の景観ルールを確認

一部の自治体では、街並みの統一感を保つため、外壁の色味に一定のルールを設けている場合があります。例えば、住宅地域では落ち着いた色合いに制限されたり、歴史的な街並みでは伝統色の使用が義務付けられていたりします。このような景観ガイドラインに違反すると、行政から是正を求められる可能性があります。そのため、外壁塗装のリフォームを検討する際は、必ず事前に自治体のウェブサイトや窓口で景観ルールを確認しましょう。地元の塗装業者に相談すれば、ガイドラインに沿った適切な色選びのアドバイスを受けられるでしょう。

 

 

05 業者の種類と選び方

ローラーで黄色の塗料を壁に塗る作業者

外壁塗装リフォームを行う際には、適切な業者を選ぶことが重要です。業者によって得意分野や施工品質、価格設定が異なるため、自分のニーズに合った業者を選ぶ必要があります。まずは業者の種類と特徴を理解し、複数の業者から見積もりを取って比較検討することをおすすめします。信頼できる業者を選べば、高品質な仕上がりと長期的なコストメリットが期待できます。

5-1. ハウスメーカー

ハウスメーカーは全国に広範な営業網を持つ大手住宅メーカーです。ブランド力が高いため、安心して発注できるメリットがあります。また、自社で建築した住宅の詳細データを保有していることが多く、同じメーカーに外壁塗装を依頼すれば、適切な提案が期待できます。

一方で、ハウスメーカー自体に塗装の専門職人がいるわけではありません。そのため、実際の施工は協力業者に外注されるケースが多く、その分コストがかさむデメリットがあります。さらに、外注先の職人の技術力にばらつきがある可能性も指摘されています。

5-2. リフォーム専門店

リフォーム専門店は、外壁塗装のほかにも水回りの設備交換や内装の変更など、様々なリフォーム工事を手掛けています。外壁塗装と併せて屋根工事や内装のリフォームを行いたい場合に適した業者といえます。ただし、リフォーム実績は豊富でも、外壁塗装の経験が浅い業者もあるため、外壁塗装の実績を重視して選ぶ必要があります。地域に根ざした営業スタイルが多く、口コミや評判を参考にすると信頼できる業者が見つかるでしょう。

5-3. 工務店

工務店は地域に根ざした中小規模の建設業者で、地元に拠点を構えて営業活動を行っています。地域密着型の事業スタイルが特徴で、長年にわたり地域社会と深い関わりを持っているケースが多くあります。そのため、地元での評判や口コミを参考にすれば、技術力と信頼性の高い工務店を見つけやすいでしょう。

特に創業から長い年月を経ち、豊富な実績を持つ老舗工務店であれば、外壁塗装のノウハウや経験値が高いことが期待できます。一方で、工務店の規模が小さいため、大型の工事は下請け業者に外注せざるを得ない場合があり、その分コストがかさむデメリットもあります。施工費の見積もり額と、業者の実績や評判を総合的に勘案し、適切な工務店を選ぶことが重要です。

5-4. 塗装専門業者

塗装専門業者は、その名の通り外壁塗装を中心に扱う専門店です。塗料の選定や施工方法など、塗装に関する豊富な知識と経験を有しており、熟練した職人が多数在籍しているのが特徴です。一方で、悪質な業者も一部に存在するため、業者選びには細心の注意を払う必要があります。優良な塗装専門業者かどうかを判断する際のポイントは、代表者が職人出身で専門知識を持っていること、国家資格や県知事許可証を保有していること、アフターフォローや品質管理体制が整っていることなどです。地域に根ざした実績のある塗装専門店に依頼すれば、適切な塗料選定と高い施工品質が期待できるでしょう。

 

 

06 塗料の種類と耐用年数

ブラシとペンキ

外壁塗装に使用される塗料には、アクリル塗料、ウレタン塗料、フッ素塗料、ラジカル制御型塗料、セラミック塗料、光触媒塗料、無機塗料、ナノテクノロジー塗料など、様々な種類があります。これらの塗料は、主成分や配合される材料、機能が異なるため、耐用年数や施工費用も大きく変わってきます。例えば、低コストながら耐用年数が短いアクリル塗料に対し、フッ素塗料やセラミック塗料は高価格ですが長期間の耐久性に優れています。また、ラジカル制御型塗料やナノテクノロジー塗料のように、新しい技術を取り入れた塗料も登場しています。住宅の寿命やメンテナンスコストなどを考慮し、適切な塗料を選ぶことが重要です。

6-1. アクリル塗料

アクリル塗料は、アクリル樹脂を主成分とする塗料で、施工費用が安価なのが特徴です。1平方メートルあたり1,000円から1,800円程度と比較的低コストですが、その分耐用年数は3年から8年と短めです。頻繁な塗り替えが必要になるため、長期的な利用には向きません。しかし、解体を控えた一時的な利用であれば、コストパフォーマンスに優れた選択肢となります。建物の状態や利用目的に合わせて、アクリル塗料の採用を検討するとよいでしょう。

6-2. ウレタン塗料

ウレタン塗料は、ウレタン樹脂を主成分とする塗料です。耐用年数は5年から10年程度と比較的短めですが、1平米あたりの施工費用は1,700円から2,500円と安価な部類に入ります。以前はコストパフォーマンスが良いことから住宅用の外壁塗装によく使われていましたが、近年では耐久性が高く経済的な塗料が多数登場したことで、ウレタン塗料の人気は下がってきています。数年で建て替えを検討している場合など、短期的な使用を前提とするならウレタン塗料も選択肢の一つとなりますが、長期的な視点に立てば他の塗料を検討する方が賢明でしょう。

6-3. フッ素塗料

フッ素樹脂を主成分とするフッ素塗料は、耐熱性や耐候性に優れており、12年から20年程度の長期間にわたり外壁の美しさを維持することができます。施工費用は1平方メートルあたり3,500円から5,000円程度と比較的高めですが、長期的な視点でみれば、メンテナンスコストを抑えられる可能性があります。外壁の塗り替え周期を長くしたい場合や、長期間外観を損なわずに済ませたい場合には、フッ素塗料がおすすめです。

6-4. ラジカル制御型塗料

ラジカル制御型塗料は、2010年代に登場した革新的な外壁塗料です。従来の塗料では避けられなかった「チョーキング現象」と呼ばれる白い粉が発生する問題を大幅に低減することができます。チョーキングは塗膜の劣化を促進し、美観を損なう原因にもなるため、この塗料の登場は画期的でした。耐用年数は8年から16年程度と、中長期的な視点で見ると経済的です。施工価格は1平米あたり2,200円から4,000円前後が一般的で、高価な塗料ではありません。長期的なコストパフォーマンスに優れているため、リフォームを検討する際の選択肢として適しています。

6-5. セラミック塗料

セラミック塗料は、セラミック(陶磁器)の粒子を一定量含んだ塗料です。セラミックの配合により、優れた断熱性と遮熱性を発揮します。塗膜が強固で、劣化に強いのが特長です。また、セラミックの質感を生かした石材調の高級感ある仕上がりも可能となります。耐用年数は10年から20年程度と長期間にわたり美しさを保つことができます。施工費は1平米あたり3,500円から4,500円が一般的ですが、石材調の場合は5,000円から14,000円程度とコストがかかります。初期費用は高めですが、長期的には塗り替え費用を節約できるメリットがあります。

6-6. 光触媒塗料

光触媒塗料は、光触媒の酸化還元作用を利用した機能性塗料です。光触媒は太陽光や室内照明の光エネルギーを受けると、塗膜表面で活性酸素を生成し、付着した汚れを分解する「セルフクリーニング機能」を発揮します。また、同様の原理で空気中の有害物質を分解する「空気浄化機能」や、赤外線を反射して室内の温度上昇を抑える「遮熱機能」も備えています。

しかし近年、光触媒塗料の主要メーカーが製造を中止したことで、市場での使用頻度が低下しています。現在でも一部メーカーが販売を継続していますが、価格が高めに設定されていることが多く、1平方メートル当たり4,000円~6,000円程度が相場となっています。耐用年数は10年~20年程度と言われています。

光触媒塗料は機能面で優れた特長を持つ一方、価格が高めであることから、コストパフォーマンスを重視する場合は他の塗料を選択するのが賢明でしょう。ただし、環境対応や快適性を追求したい場合は、光触媒塗料も有力な選択肢の一つとなります。

6-7. 無機塗料

無機塗料は、鉱物などの無機物を主原料とした塗料です。合成樹脂を使わないため、燃えにくく安全性が高いのが特徴です。また、カビや藻が付着しにくいため、長期間美しい外観を保つことができます。耐用年数は10年から25年程度と長く、1回の塗装で長期間メンテナンスフリーを実現できます。施工価格は1平米あたり3,500円から5,500円程度が相場となっており、初期投資は高めですが、ライフサイクルコストを抑えられるのがメリットです。無機質な質感が特徴的な外観になるため、モダンなデザインにも適しています。

6-8. ナノテクノロジー塗料

ナノテクノロジー塗料は、ナノ粒子を配合した革新的な塗料です。従来の合成樹脂に比べ、有害物質の放出が抑えられているため、シックハウス対策に適しています。また、ナノ粒子の特性を活かし、優れた耐候性と長期にわたる美しさを保つことができます。耐用年数は10年から15年程度と、比較的長持ちする塗料です。施工価格は1平米あたり2,400円から5,500円程度が相場となっています。ただし、ナノテクノロジー塗料に対応できる業者数が限られているため、事前に確認が必要不可欠です。環境に配慮しつつ、高い機能性を求める方におすすめの塗料といえるでしょう。