屋根修理業者の選び方と注意点

INDEX目次

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01 屋根修理業者の探し方

瓦屋根を修理している作業員

屋根の修理は頻繁に行うものではないため、初めての業者探しとなる方が多いでしょう。適切な業者を見つけるには、複数の方法を活用することが重要です。

まず、インターネット上の一括見積サイトを利用するのが手軽な方法です。希望の工事内容などを入力すれば、複数の業者から見積もりを受け取れます。サイト側で優良業者を選定しているため、安心して利用できます。

次に、地域の口コミや自治体の紹介を参考にするのも有効な手段です。知人の紹介は信頼できますし、自治体が紹介する業者は一定の水準を満たしています。地域密着型の業者なら、その地域の気候風土に合わせた修理が期待できます。

さらに、新築時の住宅メーカーやリフォーム会社にも相談してみましょう。長期保証の対象となれば無償で修理を受けられる可能性があります。アフターサービスの内容をよく確認しましょう。

1-1. 地域の口コミや自治体の紹介を活用する

地元の口コミや評判は、業者選びの際に重要な情報源となります。近隣の方から直接体験談を聞けば、業者の対応や技術力を把握しやすくなります。また、自治体が公式サイトで紹介している業者も、一定の基準を満たした信頼できる業者が多いでしょう。自治体による紹介業者は地域密着型が多く、地域の気候風土に合わせた適切な修理が期待できます。口コミと自治体の情報を上手に活用して、地元に根差した優良業者を選びましょう。

1-2. 住宅メーカーやリフォーム会社に相談する

新築住宅を建てた際の住宅メーカーやリフォーム会社に相談するのも一つの方法です。多くの業者では、建物の長期保証サービスを提供しています。保証期間内であれば、屋根の修理を無償または割安な費用で行ってくれる可能性があります。まずは各社のアフターサポート窓口に現在の屋根の状況を説明し、保証の適用範囲を確認しましょう。新築から長い年月が経過していても、メーカーによっては長期保証が残っている場合もあります。自社の製品を長く使い続けてもらうため、メーカー側も協力的な対応が期待できます。

1-3. インターネットや専門サイトで業者を検索する

近年では、インターネットを活用して屋根修理業者を探す方法が増えています。一括見積りサイトに必要な情報を入力すると、複数の業者から見積もりが一度に集まるため、効率的に比較検討できます。サイトによっては優良業者のみを掲載していたり、無料で利用できるものもあります。

また、一般の検索エンジンを使って「○○地域 屋根修理業者」などのキーワードで検索をすれば、地元で実績のある業者の公式サイトがヒットします。サイトには業者の概要や施工実績、得意分野などが掲載されているので、事前に確認しておくと良いでしょう。口コミサイトでの評判なども参考になります。

インターネットを上手に活用すれば、自宅から業者を探して比較検討できるため、効率的な業者選びが可能です。ただし、ネット上の情報だけでなく、実際に現地調査や見積り打ち合わせを行うことが重要です。

 

02 屋根修理業者の種類

2階建ての戸建模型を両手で抱える男性

屋根修理を請け負う業者は大きく分けて3種類あります。工務店は地域密着型が多く、スピーディな対応が期待できます。一方で、塗装工事は下請けに頼る場合もあり、費用が高くなる可能性があります。リフォーム業者なら建築工事から塗装工事まで一括して依頼できますが、技術レベルにばらつきがある点が課題です。塗装専門業者は足場組立から塗装まで自社で完結するため、コストパフォーマンスに優れています。ただし塗装のみの業者もあり、他工程は外注となり余計な費用がかかる場合があります。

2-1. 工務店 – 迅速な対応が期待できる

工務店は地域に根ざした業者が多いため、その地域の気候風土に合わせた修理が期待できます。また、小規模な家族経営から大手の全国展開企業まで様々な規模の業者がありますが、地元密着型の工務店であれば、迅速な対応が魅力です。緊急時の修理依頼にも素早く対処してくれるでしょう。一方で、工務店によっては屋根の修理は請け負えても、仕上げの塗装工程は別の専門業者に外注する場合があります。その際は中間マージンが発生し、費用が高くなる可能性があるので注意が必要です。

2-2. リフォーム業者 – 一括で修理が可能

リフォーム業者は、屋根の修理から内外装のリフォームまで、さまざまな工事に一括で対応できる業者です。一社に全ての工程を任せられるため、余計な中間マージンがかからず、コストを抑えられるのがメリットです。ただし、業者によって技術力や経験値に差があるため、実際に依頼する前に実績や信頼性を確認することが重要です。

一括対応できる業者に依頼すれば、屋根の修理と同時に外壁の塗装や内装のリフォームなども行えます。工事の手間が省け、スムーズに進行するでしょう。ただし、技術力が不十分な業者に依頼すれば、手抜き工事で症状が悪化するリスクもあります。複数の業者を比較検討し、実績と信頼性のある優良業者を選ぶことが大切です。

2-3. 塗装専門業者 – コストパフォーマンスに優れる

塗装専門業者は、屋根の修理から塗装までのすべての工程を自社で行えるのが特長です。足場の組立て、下地調整、塗装など、一連の作業を一括して請け負うことができます。そのため、外注によるコストアップを抑えられ、コストパフォーマンスに優れています。

さらに、将来的に外壁の塗装が必要になった場合も、同じ塗装専門業者に依頼できるメリットがあります。屋根と外壁の塗装を同時に行えば、足場代などのコストを節約できます。また、塗装の色合わせなども容易になり、建物の外観を統一しやすくなります。

ただし、塗装専門業者の中には屋根工事に対応していないところもあるため、事前に確認が必要です。屋根の一部を葺き替える必要がある場合は、別途屋根工事業者に外注する可能性があり、その分コストがかさむ恐れがあります。

03 業者選びのポイント

屋根修理の内容や規模に応じて、最適な業者の種類を選ぶことが肝心です。塗装の劣化であれば塗装専門業者、雨漏りなら地域密着の工務店、部分的な葺き替えならリフォーム業者など、得意分野に合わせて選びましょう。また、一社だけでなく複数の業者から見積もりを取り、費用や工程内容を比較検討することで、適正な価格と質の高い施工を見極められます。さらに、現地調査時の業者の対応や過去の実績も確認し、信頼性の高い業者を選ぶようにしましょう。

3-1. 修理内容から適切な業者の種類を選ぶ

屋根修理の内容によって、最適な業者の種類が異なります。例えば、屋根材の塗装が劣化して剥がれている場合は、塗装に特化した専門業者がコストパフォーマンスに優れています。一方、雨漏りなどの緊急性が高い修理が必要な場合は、地域密着型で迅速な対応ができる工務店がおすすめです。また、部分的な屋根材の張り替えや内外装のリフォームなど、複数の工事を一括で依頼したい場合は、リフォーム業者に任せるのが無難でしょう。このように、修理内容に合わせて適切な業者の種類を選ぶことが重要です。各業者の得意分野を事前に確認し、自身のニーズにマッチする業者を選びましょう。

3-2. 複数業者から見積もりを取り比較する

屋根修理の費用は業者によって大きく異なる可能性があります。材料費、人件費、利益率などが異なるためです。そのため、一社だけでなく複数の業者から見積もりを取ることが不可欠です。

複数の見積もりを比較すれば、適正な修理費用がわかります。また、極端に高額な見積もりがあれば、悪徳業者の可能性も考えられます。見積もり内容を細かく確認し、使用する材料や工程などを比較しましょう。安価すぎる見積もりは、手抜き工事のリスクがあります。

インターネットには一括見積もりサービスもあり、複数業者への依頼が簡単にできます。地域の優良業者を紹介してくれるサービスも多いので、活用するのがおすすめです。口コミサイトなども参考にして、信頼できる業者を選びましょう。

3-3. 現地調査で業者の対応や実績を確認する

業者選定の際は、必ず現地調査に立ち会い、業者の対応を詳しく確認しましょう。屋根の状態を丁寧に調査し、わかりやすく説明してくれる業者なら、確実な工事が期待できます。一方で、屋根の状況を適切に把握せずに見積もりを出す業者は避けるべきでしょう。優良業者は、屋根の劣化具合を写真で撮影し、修理が必要な箇所を丁寧に説明してくれます。現地調査時の対応から、業者の実績や信頼性を判断することができるのです。

 

04 悪徳業者に注意

悪徳業者には様々な手口がありますが、代表的なものとして、屋根の状態を過剰に危険視させ高額な修理を勧める、契約を急がせる、大幅な値引きを持ちかけるなどがあげられます。こうした業者に引っかからないためには、修理費用の相場を事前に把握しておくことが重要です。相場を大きく上回る見積もりや、安すぎて手抜き工事が疑われる見積もりには注意が必要です。また、ネット上の口コミサイトで業者の評判を確認し、悪質な業者がいないかをチェックすることをおすすめします。

4-1. 一般的な手口を理解しておく

悪徳業者には、いくつかの一般的な手口があります。まず、屋根の状態を適当に調査し、「このままでは雨漏りして構造部材が傷むおそれがある」などと不安をあおり、高額な修理工事の契約を結ばせようとします。また、契約を早急に結ばせようと、期限を切って急かしてくることも多いです。悪質な行為が発覚するのを恐れ、できるだけ早く契約を済ませようとするためです。

さらに、一時的に大幅な値引きを持ちかけ、契約を急がせる手口もあります。値引き額が大きすぎれば、それ自体が疑わしいと考えるべきでしょう。悪徳業者の中には、飛び込み営業をする業者も存在します。飛び込み営業をしているからといって、すべてが悪徳とは限りませんが、慎重に対応する必要があります。

4-2. 修理費用の相場を事前に把握する

屋根修理の費用相場を知っておくことが重要です。一般的な部分修理の相場は、瓦屋根で1坪あたり3万円前後、金属屋根で2万円前後となっています。一方、全面葺き替えとなると瓦屋根で30坪の場合100万円前後、金属屋根で70万円前後が目安となります。屋根材の種類によっても費用は変わってきますので、使用する屋根材の相場も確認しておきましょう。例えば、瓦屋根は1平米あたり3,000円前後、金属屋根は2,000円前後、スレート屋根は1,500円前後が一般的な相場です。業者から提示された見積もりが、この相場から大きく乖離している場合は要注意です。法外な高額請求や、手抜き工事を疑う必要があります。

4-3. 口コミサイトで業者の評判を確認する

業者選定の際は、インターネット上の口コミサイトを活用するのが賢明です。近年では専門の口コミサイトが増え、実際に修理を依頼した利用者からの生の声を確認できます。口コミには業者の対応力や工事の質、価格設定の適正さなど、様々な観点からの評価が書かれています。複数の口コミを参考にすれば、業者の実態が手に取るように分かります。

特に注目したいのが、クレーム対応力に関する口コミです。トラブルが発生した際の業者の姿勢が、サービス品質を物語っています。些細な事例でも、業者が誠実に対応しているかどうかがポイントになります。また、工事完了後の点検体制や保証内容についても、口コミから確認することができます。中には長期保証を提供している業者もあり、アフターフォローが手厚い業者かを見極められます。

一方で、口コミサイトを悪用する業者も存在します。自社の評価を不当に高めるため、社員や関係者が作為的な書き込みをする「口コミ偽装」があとを絶ちません。そのため、信頼できる口コミサイトを選ぶ必要があります。運営体制が整っており、口コミの信憑性を担保しているサイトを利用しましょう。

 

05 費用相場と修理期間

屋根修理の費用は、修理の内容や規模、使用する材料などによって大きく変わります。一般的な部分修理の相場は数万円から数十万円程度ですが、全面的な修理となると10万円以上かかる場合もあります。また、屋根材の種類によっても修理費用は異なり、高級な素材を使えば費用は高くなる傾向にあります。修理期間も同様に、作業の規模によって大きく変動します。瓦の一部交換なら半日程度で済みますが、全面的な葺き替え工事となれば1週間以上の期間を要します。事前に複数の業者から見積もりを取り、費用と期間を比較検討することが重要です。

5-1. 一般的な屋根修理費用の相場

屋根修理の費用相場は、修理の範囲や内容によって大きく異なります。部分的な修理であれば数万円から数十万円程度ですが、全面的な修理となると10万円以上の費用がかかる可能性があります。

一般的な部分修理の相場は以下の通りです。
・一部瓦の補修: 3万円~5万円
・一部塗装補修: 5万円~10万円
・一部葺き替え: 10万円~20万円

一方、全面的な修理となると、以下のような相場になります。
・全面塗装: 20万円~40万円(30坪の場合)
・全面葺き替え: 50万円~100万円(30坪の場合)

修理費用は屋根の広さや素材、足場の組み方など様々な要因で変動します。正確な見積もりを出すには、業者による現地調査が不可欠です。

5-2. 屋根材別の修理費用相場

屋根材の種類によって修理費用は大きく変わります。一般的な屋根材の修理費用相場は以下の通りです。

・瓦屋根: 1平米あたり3,000円~6,000円
・スレート屋根: 1平米あたり4,000円~8,000円
・金属屋根(ガルバリウム鋼板など): 1平米あたり5,000円~10,000円
・合金めっき鋼板屋根: 1平米あたり6,000円~12,000円

瓦屋根は比較的安価ですが、重量があり作業が大変なため人件費がかさみます。一方、金属屋根は材料費が高めですが、軽量で作業性に優れています。全面的な葺き替え工事となれば、屋根材の他にも下地の補修費用が加算されるため、さらに費用は高くなる傾向にあります。修理費用を抑えるには、定期的なメンテナンスと早期の部分補修が重要です。

5-3. 標準的な屋根修理所要期間

屋根修理に要する期間は、修理の内容や規模によって大きく異なります。軽微な修理であれば1日程度で完了しますが、全面的な修理となると1週間以上の期間を要する場合があります。

一般的な目安としては、以下のような期間が想定されます。

・部分的な修理(1~2枚の瓦の差し替えなど):半日程度
・塗装工事:1~3日程度
・屋根の葺き替え工事:8~10日程度

ただし、下地の修理や大工工事が必要な場合は、さらに期間を要することがあります。また、工事の規模が大きい場合は、仮住まいの確保なども検討する必要があるでしょう。

修理業者に見積もりを依頼する際は、工期についても必ず確認しましょう。適切な工期が確保されないと、手抜き工事のリスクが高まります。

 

06 まとめ

屋根修理は住宅の大切な部分を扱う作業です。適切な業者を選ばないと、手抜き工事や過剰な費用請求などのトラブルに巻き込まれる可能性があります。そのため、複数の業者から見積もりを取り、費用相場や修理期間、実績などを比較検討することが不可欠です。また、悪徳業者の手口を理解し、口コミサイトなどで評判を確認するなど、慎重に業者を選定する必要があります。屋根修理は専門的な知識と技術が求められる作業なので、信頼できる業者に依頼することが何より大切なのです。