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屋根塗装の費用相場と賢い選び方

INDEX目次

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01 屋根材別の塗装費用目安

書類の上にある戸建の模型と黒い電卓

屋根塗装の費用は、使用する塗料の種類や屋根材の違いによって大きく変動します。ここでは主要な屋根材ごとの塗装費用の相場を紹介しましょう。スレート屋根、セメント瓦屋根、トタン屋根など、一般的な屋根材の塗装費用の目安を確認できます。また、足場代や養生費用など追加で必要となる費用についても触れています。屋根材の特性を理解し、適切な塗装費用を把握することが重要です。

1-1. スレート屋根の塗装費用

スレート屋根は現代の住宅で最も一般的な屋根材です。セメントを薄く加工した軽量で耐震性に優れた屋根材で、様々な色合いのバリエーションが魅力です。設置やメンテナンスコストが抑えられることから人気が高まっています。

スレート屋根の塗装費用は、使用する塗料の種類によって異なります。
・ウレタン塗料:1平方メートルあたり1,600円~2,200円
・シリコン塗料:1平方メートルあたり1,900円~2,700円
・フッ素塗料:1平方メートルあたり3,400円~4,800円

耐久性に優れたフッ素塗料は初期費用が高めですが、長期的にはメンテナンス回数が少なくて済むのでコストパフォーマンスに優れています。一方で価格が手頃なウレタン塗料は耐候性に劣るため、数年おきの塗り替えが必要になる点に注意が必要です。

1-2. セメント瓦屋根の塗装費用

セメント瓦は、セメントや砂を混ぜ合わせて瓦型に成形した屋根材です。陶器瓦に比べて安価で施工が容易なため、以前は多くの住宅で使用されていました。セメントは耐火性に優れていますが、主成分がセメントのため定期的な塗装が不可欠です。おおよそ10年に1度を目安に、メンテナンスを行う必要があります。

セメント瓦屋根の塗装費用相場は以下の通りです。
・ウレタン塗料: 1,600円~2,200円/m2
・シリコン塗料: 2,400円~2,800円/m2
・フッ素塗料: 3,200円~3,800円/m2

ウレタン塗料は初期費用が抑えられますが、耐候性が他の塗料に比べて劣ります。シリコン塗料は費用対効果に優れ、最も一般的に使用されています。フッ素塗料は高価ですが、長期間の耐久性があり、メンテナンス回数を減らすことができます。

1-3. トタン屋根の塗装費用

トタン屋根は、戦後の高度経済成長期に普及した金属製の屋根材です。薄い鋼板に亜鉛めっきを施したトタン板を使用しており、住宅だけでなく工場や倉庫などでも広く利用されてきました。現在の新築住宅ではあまり採用されていませんが、古い建物では今でも見られます。ガルバリウム鋼板の屋根と見分けがつきにくい場合もあるので注意が必要です。

トタン屋根の塗装費用は、使用する塗料の種類によって異なります。一般的な費用相場は以下の通りです。

・ウレタン塗料: 1,800円~2,200円/m2
・シリコン塗料: 2,000円~2,400円/m2
・フッ素塗料: 3,500円~4,700円/m2

ウレタン塗料は初期費用が抑えられますが、耐候性に劣るため頻繁な塗り替えが必要になります。シリコン塗料は費用と耐久性のバランスが良く、現在最も広く使われている塗料です。フッ素塗料は高価格ですが、15年以上の長期にわたり屋根を保護してくれるので、トータルコストを考えるとコストパフォーマンスに優れています。

1-4. その他の追加費用

塗装費用以外にも、作業に伴う様々な追加費用が発生します。主な追加費用としては、足場代、養生シート代、清掃代、廃棄物処理代などがあげられます。

足場代の相場は1平方メートル当たり700円から950円程度で、一般的な住宅では20万円前後が目安とされています。一部の業者が「足場代無料」と宣伝していることもありますが、その場合は別の費用に上乗せされている可能性があるため注意が必要です。

養生シート代は1平方メートル当たり350円から450円程度が相場です。塗装作業時に周辺を汚さないよう、しっかりと養生を行うことが重要です。

その他、清掃代や廃棄物処理代なども発生する可能性があります。安全性を確保しつつ、適正な価格で工事を行うためには、信頼できる業者に依頼することが何より大切です。複数の業者から見積もりを取り、価格だけでなく対応や実績なども総合的に判断しましょう。

 

02 屋根塗装の単価に影響する要因

青空と黄色い外壁の戸建

屋根塗装の費用は、屋根の広さや形状、勾配の度合いなどによって大きく変わってきます。広い面積の屋根ほど塗装に手間がかかり、複雑な形状や急勾配の屋根は作業が困難になるため、費用が高くなる傾向にあります。屋根の高さも影響し、高い場所では足場の設置費用が加算されることもあります。このように、住宅の構造によって塗装単価は変動するので、正確な見積りを出すには事前の現地調査が不可欠です。

2-1. 屋根の面積と形状

屋根塗装の費用を左右する大きな要因の一つが、屋根の面積と形状です。面積が広ければ広いほど、塗料の必要量が増え、作業工数も多くなるため、費用は高くなる傾向にあります。一方で、屋根の形状が複雑であれば、作業が難しくなり、足場の設置費用なども加算される可能性があります。

屋根の面積を正確に測るには、実測によるメジャー計測や、設計図面から算出する方法があります。概算で面積を知りたい場合は、坪数に3.31を掛けると簡易的に面積が分かります。例えば30坪の屋根なら、30×3.31=99.3平方メートルとなります。

一方、屋根の形状が複雑な場合、通常の平面的な面積だけでなく、曲面部分の面積も考慮する必要があります。また、作業スペースの確保が難しい箇所では、特殊な足場が必要になるなど、追加費用が発生することもあります。このように、面積と形状の両方を総合的に見て、適正な見積りを立てることが重要です。

2-2. 屋根の勾配と高さ

屋根塗装の費用を左右する大きな要因の一つが、屋根の勾配と高さです。同じ面積の屋根でも、勾配が急勾配であればあるほど、実際に塗装する面積が広くなります。そのため、勾配が大きい屋根ほど塗装費用は高額になる傾向にあります。さらに、屋根が高すぎて職人が容易に屋根に乗れない場合は、追加で高所作業用の足場を組む必要があり、その分足場代がプラスされます。自宅の屋根の勾配と高さを事前に確認し、塗装業者に伝えておくことで、より正確な見積もりを得られるでしょう。

 

03 屋根の劣化サインと塗り替え時期

屋根は住宅を守る重要な役割を担っていますが、日々の風雨や紫外線の影響で徐々に劣化が進行します。劣化が進むと雨漏りなどのトラブルにつながる可能性があるため、定期的な点検と適切なタイミングでの塗り替えが不可欠です。屋根の劣化具合をチェックする際は、自分でも目視による簡単な確認ができる箇所があります。ひび割れや剥がれ、変色などの異常がないか、こまめに点検しましょう。また、築年数が20年を超えた住宅は、塗膜の機能低下が懸念されるため、専門業者による詳細な診断を受けることをおすすめします。

3-1. 自分で確認できる劣化チェックポイント

屋根の劣化には様々な兆候があり、塗装の必要性を自分で判断することができます。まずは目視で屋根材の状態を確認しましょう。ひび割れや剥がれ、変色などが見られれば劣化の可能性が高くなります。また、雨漏りの痕跡や排水溝の詰まりなども要注意です。さらに、屋根材の種類によっては特有の劣化サインがあるので、それらにも気を付ける必要があります。例えばスレート屋根ではタスペーサーの浮きや外れ、セメント瓦屋根では素地の露出などです。こうした目視チェックだけでなく、屋根の上を歩いて踏み抜きの有無を確かめるのも良いでしょう。ただし高所作業は危険が伴うため、専門家に依頼するのが賢明です。また、築年数が20年を超えている住宅は、塗装の劣化が進んでいる可能性が高いと言えます。

 

04 賢く屋根塗装費用を節約する方法

屋根塗装の費用を抑えるには、塗料の耐久性が鍵となります。初期費用は高くても耐用年数が長い塗料を選べば、長期的に見るとメンテナンスコストを大幅に削減できます。例えばフッ素塗料は1平米あたり4,000円前後と高額ですが、15年以上の長期間メンテナンスフリーなので、結果的にコストパフォーマンスに優れています。

また、屋根と外壁の塗装を同時に行えば、足場代が重複して不要になるため費用を大きく抑えられます。さらに、複数の業者から見積もりを取り、価格を比較検討することで、適正な費用水準を把握できます。

加えて、自治体による住宅リフォーム補助金や税制控除措置を利用すれば、さらなるコスト削減が可能です。火災保険の補償対象となる場合もあり、事前の確認が賢明です。このように、様々な工夫と事前準備を行えば、屋根塗装の費用を大幅に節約できるはずです。

4-1. 長期的に見れば高価な塗料がお得

屋根塗装の費用を抑えるには、塗料の耐久性が重要なポイントになります。初期費用は高くても、耐用年数が長ければ長期的にみるとコストパフォーマンスに優れているのです。

アクリル塗料は1平米あたり1,500円前後と最も安価ですが、耐用年数は4年程度と短命です。頻繁な塗り替えが必要になり、結果的に費用がかさむ可能性があります。

ウレタン塗料は1,800円前後/平米で、耐用年数は8年ほどです。初期費用は抑えられますが、他の塗料に比べ耐候性に劣ります。

一般的に使用されるシリコン塗料は、2,500円~3,500円/平米で耐用年数は10年~15年と、費用対効果に優れています。

フッ素塗料は4,000円~5,000円/平米と高額ですが、15年~20年の長期にわたり塗り替え不要で、メンテナンス回数を最小限に抑えられます。

無機質塗料は4,500円~5,000円/平米で、20年~25年の超長期耐用年数が特徴的です。不燃性も高く、火災に強い塗料です。

このように、初期費用は高くても長期的な視点で見れば、高価な塗料のほうがトータルコストを抑えられる可能性が高くなります。

4-2. 外壁と同時に塗装するとコスト削減

屋根や外壁の塗装工事では、足場の設置費用が高額になる傾向にあります。一般的な住宅で足場を組む場合、およそ20万円前後の費用がかかるとされています。そのため、屋根塗装と外壁塗装を別々のタイミングで行うと、足場設置費用が2回必要になり、結果的にコストがかさんでしまいます。一方で、屋根と外壁の塗装を同時期に行えば、足場を1回で済ませることができ、費用を大幅に抑えられるでしょう。ただし、安全性が疑わしい簡易的な足場を使うのは避けるべきです。適正な価格の範囲内で、信頼できる業者に依頼することが賢明な選択となります。

4-3. 複数業者の見積もりを比較する

屋根塗装の費用を抑えるためには、2社以上の業者から見積もりを取り、比較検討することが賢明です。同じ条件で複数の業者に見積もりを依頼し、価格の妥当性を確認できます。単に安価な業者を選ぶのではなく、適正価格と高い施工品質を両立している業者を選ぶことが大切です。

見積もり時の業者の対応や雰囲気も、業者選定の重要なポイントです。丁寧な説明や質問への適切な回答、現場確認の入念さなどから、業者の信頼性が伺えます。安価な見積もりだけを重視すると、手抜き工事や事故のリスクが高まる可能性があります。価格以外の要素も総合的に判断し、安心して依頼できる業者を選びましょう。

4-4. 補助金や控除制度を活用する

屋根塗装工事の費用を抑える有効な方法の一つが、自治体が実施する補助金制度や税制控除措置の活用です。各地方自治体によって制度の内容は異なりますが、環境対策や住宅リフォームの促進を目的とした支援策が用意されている場合があります。例えば、遮熱性能の高い塗料を使用した場合に一定額の補助金が支給されたり、工事費用の一部が所得控除の対象となったりするケースがあります。制度を利用できれば、自己負担額を大幅に軽減できる可能性があるため、事前に自治体のウェブサイトなどで詳細を確認し、要件を満たしていれば積極的に申請を検討するとよいでしょう。

4-5. 火災保険の適用可能性を確認

火災保険は、火災や落雷、風災、雪災などの自然災害による損害を補償する保険です。屋根塗装の費用が火災保険の補償対象となる場合があります。例えば、落雷や強風による屋根の損傷で塗装が必要になった場合などが該当します。ただし、単に経年劣化による塗り替えは補償されないケースがほとんどです。保険の種類や条件によって適用範囲は異なるため、加入している火災保険の内容を確認することが重要です。補償の対象となれば、自己負担額を除いた費用が保険金から支払われるので、費用の負担が軽減されます。一方で、保険金の請求には損害の証明が必要になるなど手続きが発生するデメリットもあります。火災保険の適用可能性を事前に確認し、メリット・デメリットを勘案して判断するのがよいでしょう。

05 屋根塗装に役立つ知識と選び方

屋根塗装を行う際には、適切な塗料の選択や施工方法の知識が重要です。遮熱性能に優れた塗料を使えば、夏場の室温上昇を抑えられます。スレート屋根の場合は、タスペーサーと呼ばれる部材で屋根と屋根の間に隙間を設ける必要があります。また、屋根の色は外観に大きく影響するため、人気色を参考にしながら外壁との調和を意識して選ぶことが賢明です。このように、屋根塗装には様々な知識が必要となるため、事前に十分な情報収集を行いましょう。

5-1. 遮熱塗料で夏の暑さ対策

夏場の住宅は冷房使用により電気代がかさみがちです。そこで注目されているのが遮熱塗料です。遮熱塗料は太陽光の熱を反射する特殊な塗料で、建物内部への熱の侵入を抑制します。結果として冷房負荷が軽減され、電気代の節約につながります。また、遮熱により外気温の上昇を抑えるため、ヒートアイランド対策にもなります。一部の自治体では、遮熱塗料の使用に対する助成金制度を設けているところもあり、費用面でのメリットも期待できます。ただし、遮熱塗料は価格が高めの塗料なので、導入を検討する際は費用対効果を確認することが重要です。

5-2. スレート屋根にはタスペーサーが必須

スレート屋根を塗装する際は、タスペーサーの設置が欠かせません。タスペーサーとは、屋根と屋根の間に隙間を作る部材のことです。この隙間によって雨水の排水経路が確保され、屋根材の腐食が防げます。スレート屋根は比較的軽量で扱いやすい反面、水はけが悪いデメリットがあるためです。タスペーサーを設置することで、この欠点を補うことができます。したがって、スレート屋根の塗装見積書にはタスペーサー設置費用が必ず含まれているはずです。見積書を確認する際は、この費用が計上されているかどうかを必ずチェックしましょう。

5-3. 人気の屋根塗装色とは

屋根塗装の色を選ぶ際は、外観の美しさだけでなく、汚れが目立ちにくいかどうかも重要なポイントです。近年人気が高い屋根色は、スチールグレーやアイボリーブラック、スレートグリーン、トーブなどのダークトーンが主流です。これらの色は落ち着いた印象を与え、汚れも目立ちにくいのが特徴です。

一方で、明るい色の屋根も一部で人気があります。ホワイトやアイボリーなどの淡い色は、開放的で明るい印象を与えますが、汚れが目立ちやすいデメリットがあります。色選びの際は、外壁や周辺環境との調和も意識する必要があります。地域によっては住宅の色彩に関するガイドラインが設けられている場合もあり、事前に確認しておくことをおすすめします。

最終的な色の決め手は、サンプルなどで実際の色味を確かめることが重要です。プロの業者に相談しながら、自分の好みと合わせて総合的に判断するのが賢明な選び方といえるでしょう。

 

06 屋根塗装はDIYで行えるか

屋根塗装は高所での作業が避けられず、落下の危険性が常にあります。適切な安全対策を施さずに行えば、重大な事故につながる可能性があります。また、塗装の品質を保つには専門的な知識と経験が必要不可欠です。素人が行うと塗膜の剥がれや浮きなどのトラブルが生じ、結果的に業者に依頼するよりも高額になってしまう恐れがあります。屋根は住宅の重要な部分なので、安全性と品質を考えれば、DIYよりも信頼できる専門業者に依頼する方が賢明な選択肢といえるでしょう。

 

07 信頼できる業者に依頼することが重要

屋根は住宅の重要な構成要素であり、適切な塗装と定期的なメンテナンスが不可欠です。塗装作業は高所作業を伴うため、安全面での配慮が欠かせません。また、塗料の選定や下地処理など、専門的な知識と経験が求められます。そのため、屋根塗装は一般の方がDIYで行うよりも、信頼できる専門業者に依頼する方が賢明です。業者選びの際は、複数の業者から見積もりを取り、価格だけでなく実績や信頼性、対応の良さなども総合的に判断することが大切です。