カバー工法スタートアップガイド
外壁カバー工法の基本から工事期間まで

INDEX目次

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外壁の劣化や汚れは、建物の美観を損なうだけでなく、耐久性や断熱性の低下にもつながります。
しかしながら、外壁の塗り替えやタイル貼り替えなどの大掛かりなリフォームは、工事費用や期間の面でハードルが高いのが現状です。

そこで注目されているのが、「外壁カバー工法」です。
既存の外壁の上から、新しい外装材を被せることで外観を改善する工法で、大掛かりな工事を必要としないため、工事費用と期間を大幅に抑えることができるのが特徴です。

しかし、外壁カバー工法にはどのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか。
また、工事期間はどの程度なのか。
本記事ではこうした点について詳しく解説していきたいと思います。ぜひ最後までご覧いただければと思います。

 

 

01 外壁カバー工法とは

1-1. 外壁カバー工法の基本的な説明

外壁カバー工法とは、既存の外壁に新しい外壁材を張り替えるリフォーム方法です。既存の外壁の上から、金属製パネルやタイル、塗装などの新しい仕上げ材を施工することで、外観や断熱性、防水性を向上させることができます。工事期間は標準的な木造住宅で1~2週間程度で、在宅しながらの施工が可能です。既存の外壁を壊さずに新しい外壁材を重ねるため、大掛かりな内外装リフォームに比べて低コストかつ短時間で実現できるメリットがあります。

1-2. 外壁カバー工法に用いる主な外壁材

外壁カバー工法に用いる主な外壁材には、金属系のアルミサッシやステンレス、FRP(繊維強化プラスチック)、化粧スレートなどがあります。アルミサッシは軽量で加工しやすい反面、錆びやすいという弱点があります。一方、ステンレスは錆びにくいものの、加工が難しく高価です。FRPは軽量で加工しやすく、耐久性や耐候性に優れているため、最近ではFRPが最も多く使われています。

1-3. 外壁カバー工法の施工手順と工事期間

外壁カバー工法の施工手順は、まず既存の外壁の下地処理を行い、断熱材や防水シートを貼り付けます。次に選択した外壁材を張り付けていきます。工事期間は、一軒家の場合、外壁面積200~300m2で約10日程度が目安です。足場の設置撤去作業や乾燥の時間などを考慮すると、実際の現場では2~3週間程度が必要です。既存の外壁の状態や選択する外壁材の種類によっても異なりますが、外壁カバー工事ならば比較的短時間で外壁のリフォームが可能です。

 

 

02 外壁カバー工法の詳細と費用

2-1. 外壁カバー工法にかかる費用とその詳細

外壁カバー工法にかかる費用は、使用する外壁材や住宅の規模によって異なります。石膏ボードやALCパネルを使用した場合、1平方メートル当たり1万5千円程度からが相場です。費用の内訳としては、外壁材や足場の設置費、人件費などがあります。デザイン性の高い外壁材を使用するほどコストは高くなる傾向にありますが、補助金を活用することで負担を軽減できる場合があります。

2-2. リフォーム前の予備知識

外壁カバー工法を検討する前に、現在の外壁の状態を確認することが大切です。外壁の劣化具合や必要な下地処理の内容が事前にわかれば、工事の見積もりや工期の設定もしやすくなります。例えば外壁にひび割れがある場合は補修が必要で、工事費用や日数が増える可能性があります。事前の下見で外壁の状態を確認し、適切な工事計画を立てましょう。

2-3. カバー工法の補助金や制度について

カバー工法を利用する場合、国や自治体の補助金制度を活用できるケースがあります。例えば、省エネ改修を伴う外壁改修工事に対する補助金や、防災・減災に資する工事への支援制度があるので、事前に自治体の担当窓口に相談することをおすすめします。補助金額や対象工事の要件は地域によって異なるので、詳細を確認した上で検討することが大切です。

 

 

03 外壁カバー工法の考慮点

3-1. 外壁カバー工法のメリットとデメリット

外壁カバー工法のメリットは、工事期間が短く済むことと低コストな点です。デメリットは既存の外壁の状態に影響される可能性があることです。下地処理が重要なポイントとなります。

3-2. カバー工法がモルタルに対して及ぼす影響

外壁カバー工法を行うと、既存の外壁に塗布されているモルタル層に影響が及びます。カバー工法の施工過程でモルタルの一部を削ることになるため、モルタルの保水性や断熱性が低下します。しかし、新しい外壁材を重ね塗りすることで、遮熱性や遮音性といった性能を回復できます。外壁の劣化状況や使用目的に合わせ、適切な新外壁材を選ぶことが大切です。

3-3. カバー工法を行う際の確認申請の必要性と方法

外壁のカバー工法を行う際は、自治体によって確認申請が必要な場合があります。申請が必要かどうかは、工事内容や規模によって異なりますので、事前に自治体の建築指導課などに確認することをおすすめします。申請が必要な場合は、必要書類の提出など、手続きに時間がかかることがあるため、工事開始前に余裕をもって準備することが大切です。

 

 

04 外壁カバー工法と耐震性について

4-1. 外装カバー工法と耐震性に関する詳細

外装カバー工法は、既存の外壁に新しい外壁材を張り替える工法です。この工法は耐震性能も高く、地震の揺れに対する安全性が確保されます。具体的には、カバー工法で使用する金属下地などが壁体の耐震補強となるほか、外壁のひび割れを防止する効果があります。また、適切な工法を選び施工することで、十分な耐震性を確保できるとされています。

4-2. アルミ製外壁材の特徴とその扱い

アルミ製外壁材は、軽量で加工しやすいことから、外壁カバー工法において最も一般的に使用されている外壁材の一つです。熱伝導率が低く断熱性に優れ、さらに錆びにくい耐久性も魅力です。施工面では、軽量ゆえ人力での取り付けがしやすく、工期の短縮につながります。一方で、アルミは熱膨張率が大きいため、取り付け時の温度管理が重要です。適切な施工を行うことで、メンテナンスフリーなアルミ外壁の恩恵を長く享受できるでしょう。