戸建て住宅にもやっぱり欲しい?!
「バルコニー・ベランダ」の有効活用術5選
- 住まい
- 暮らし
INDEX目次
バルコニーやベランダの用途といえば「洗濯物や布団を干すこと」でしたが、室内干し派やドラム式洗濯機派が増えてきた今、バルコニーを省く新築住宅が見られるようになりました。計画性がないままバルコニーをつくっても結局ムダな空間となってしまうもの。用途を考えて設計すれば、上階ならではの開放感や見晴らしのよさを生かすことができ、利用価値がぐっと広がります。そこで今回はバルコニー・ベランダの違いや活用方法、気をつける点など、快適なバルコニーライフのポイントを探ってみました。
01 バルコニーとベランダは、意味が違う?
戸建て住宅の2階以上にある屋外空間を、なんとなくバルコニーやベランダと呼んでいませんか?実はこの2つ、建築用語としては意味が違います。ポイントは屋根のあり・なしで、「ベランダ」とは家の外に張り出した屋根のある空間、「バルコニー」は同じく外に張り出した屋根のない屋外空間です。
バルコニーの派生としてよく耳にする「インナーバルコニー」は、家の外に張り出していない屋根付きの空間のこと。「ルーフバルコニー」は、下階の屋根部分を活用したバルコニーを指します。以下にまとめてみました。
・ベランダ……2階以上にある、建物の外に張り出した屋外空間。屋根が付いている。
・バルコニー…… 2階以上にある、建物の外に張り出した屋外空間。屋根がなく開放的。
・インナーバルコニー……建物の内側に組み込まれた屋根付きバルコニー。天候に左右されにくい。
・ルーフバルコニー……下の階の屋根を利用してつくるバルコニー。面積を広くしやすい。
・屋上……最上階のフラットな屋根を活用した空間。屋上テラスやスカイバルコニーとも。
02 戸建て住宅のバルコニーは洗濯以外にどう使う? 5つの活用法
「リゾートホテルのようにバルコニーでのんびりしたい」と憧れてつくったのに、全然バルコニーを使っていないというのはよくあるケース。戸建て住宅のバルコニーを有意義に使いこなすためには「室内とのつながり」がカギになります。今ドキの活用法と間取りのコツを紹介しましょう。
①大人のひとり時間に最適「ベランピング」
在宅ワークをきっかけに、脚光を浴びたキーワードが「ベランピング」。バルコニーにチェアやテント、ラグを置くだけで、手軽にアウトドア気分を味わえます。住宅街や道路に面した立地で非日常感を味わいにくい場合は、夜や早朝の活用を想定してみては?寝室や書斎の前にバルコニーをつくると、月見酒や朝のカフェタイムなど贅沢な大人時間を楽しめます。
②2階リビングと溶け合う「アウトドアリビング」
2階リビング×広めのルーフバルコニーは好相性です。室内外の床をフラットにして同様の床材で統一し、全開口サッシを採用すれば、バルコニーまで連続する大空間が完成。空の下で食事やプロジェクターの上映を楽しむといった、リゾートライクな暮らしが叶います。視線が外まで抜けるので、室内が広々と感じられる視覚的な効果もメリットです。
③草花を育てて野菜も収穫「ガーデニング」
日当たりのいいバルコニーは、ガーデニングに最適です。鉢やプランターで育てるので草取りの手間がなく、野菜やハーブ類を植えれば収穫の楽しみも味わえます。ただし「室内から鑑賞できるように配置する」「虫のつきにくい植物を選ぶ」「排水溝をふさがないようにする」ことを意識しましょう。水栓をつけておくと、水やりや掃除がラクになります。
④子どもと犬が大はしゃぎ「プール&ドッグラン」
室内では物足りない子どもや愛犬の遊び場としても重宝します。戸建て住宅なら階下への物音や水はねを気にせずに済むほか、プール遊びで思いっきりはしゃいでもOK。プールをそのまま干せる片付けのしやすさもバルコニーの魅力です。遊び場として使う場合は、2階ホールからバルコニーへ直結するドアや、水栓と日よけを設置するのがオススメです。
⑤大物干しや、室外機置き場、避難経路などの「実用性」
布団やマットレスなどの大物干しにはバルコニーが重宝します。また、2階個室の室外機置き場としても有効で、配管が短くてすむので外観デザインを損ないません。意外な視点として「火事や水害で1階に避難ができない場合の避難経路にする」という声も。バルコニーで救助を待てるのは防災対策のひとつになるかもしれません。
03 バルコニーで後悔しないために。知っておきたい注意点
お住まいの地域の気候や住環境、ライフスタイルによっては、バルコニーがネックになることもあります。デメリットも把握して、じっくりと検討しましょう。
①初期コスト、メンテナンスコストがかかる
バルコニー新設には、床の防水工事や排水設備工事などがプラスされるため初期コストがかかります。汚れやすい場所なので、床や排水溝のこまめな掃除がマストに。階下に住空間があるルーフバルコニーや屋上は雨もりの一因となりやすく、定期的なメンテナンスが必要となります。
②防犯・安全面に配慮が必要
子どもが小さいうちは、バルコニーの形状によって転落のリスクがあります。手すりを工夫し、足場となるような台や家具はその都度片付けておきましょう。また、バルコニーは侵入窃盗犯の足場になりやすいため、2階窓も防犯対策を講じてください。手すりを透過性の高いものにして見通しを高めると、狙われにくい家になります。
③延床面積に含まれるケースも
ベランダやバルコニーで、外壁からせり出した出幅が2m以下の部分は原則、延床面積には含まれません。ただし、屋根と壁に囲まれたルーフバルコニーは延床面積に原則として含まれるなど、さまざまな要件があります。建ぺい率・容積率や固定資産税にも関わってくるので、算入条件を建築会社に確認しましょう。
04 戸建て住宅のバルコニーは庭代わり?!
いかがでしたか?バルコニーは「絶対に生活に必要な空間」でないため、設置に迷われる方も多いことでしょう。敷地にゆとりがあって居心地のいい庭を確保できれば、当然、バルコニーの利用頻度は下がります。庭が取りにくい敷地の「庭代わり」として考えてみると、バルコニーの優先順位が明確になるかもしれませんね。