外壁塗装に火災保険を
賢く活用するための完全ガイド

INDEX目次

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01 火災保険が適用される4つの条件

太いマーカーで「火災保険」と書かれた白紙

自然災害や事故で外壁・屋根に損傷を受けた場合、火災保険を活用して外壁塗装の費用負担を軽減できます。しかし、適用には4つの条件を満たす必要があります。まず加入している火災保険が災害による損害を補償する内容であることが前提条件です。次に被災から3年以内に保険会社へ申請を行い、補修費用が保険の免責金額を上回ることが求められます。免責金額を下回れば自己負担となるため、事前に補修見積もりを取得し、条件を確認しましょう。

1-1. 自然災害や事故により外壁や屋根に損傷がある

外壁塗装に火災保険を適用できるのは、台風や豪雨、落雷などの自然災害や、飛来物の衝突などの事故により、外壁や屋根に損傷が生じた場合に限られます。一方で、単なる経年劣化による劣化や変色、施工不良による欠陥、あるいは故意による破損などは、火災保険の適用対象外となります。特に地震による被害については、一般的な火災保険ではカバーされませんので、別途地震保険に加入する必要があります。適切な火災保険の活用には、損傷の原因を正確に把握することが重要になります。

1-2. 加入している火災保険が災害による損害を補償する内容である

外壁塗装に火災保険を適用するには、加入している火災保険が災害による損害を補償する内容でなければなりません。一般的な火災保険には、風災や雪災などの自然災害による被害を補償するものと、そうでないものがあります。

例えば住宅火災保険は、火災や落雷、破裂や爆発、風災や雪災による損害は補償されますが、水災や漏水事故は対象外です。一方の住宅総合保険なら、水災や漏水、自動車や盗難による外壁の破損も補償されます。さらにオールリスク型の保険では、住宅に関わるほとんどのトラブルをカバーしています。

加えて、地震による損害は火災保険の標準補償には含まれていないため、地震保険に別途加入する必要があります。既に火災保険に加入済みの場合は、契約内容や特約を確認して、災害による被害が補償対象かどうかを把握しましょう。適切な補償内容の保険に加入していないと、災害があっても保険金が支払われない可能性があります。

1-3. 被災から3年以内に保険会社に申請を行う

外壁塗装に火災保険を適用させるには、被災してから3年以内に保険会社へ申請を行わなければなりません。この期間を過ぎてしまうと、被害の原因を特定することが困難になり、保険金請求の権利が時効により消滅してしまうためです。被災後すぐに補修工事を行ってしまった場合でも、3年以内であれば必要書類さえ揃えられれば請求は可能です。ただし、大規模な自然災害が発生した場合は、例外的に3年を超えていても保険金請求ができる場合があります。不安な点があれば、一度保険会社に相談するのが賢明でしょう。

1-4. 補修費用が保険の免責金額を上回る

外壁塗装に火災保険を適用するには、補修費用が保険の免責金額を上回っている必要があります。免責金額とは、損害額が一定額以下の場合に契約者自身が費用を負担する金額を指します。免責金額を超えた分について保険金の支払いが行われるのです。

免責金額は保険の種類によって異なり、一般的には20万円前後が設定されています。フランチャイズ方式の場合、免責金額を超えた全額が補償されます。一方でエクセス方式では、免責金額を差し引いた金額が補償の対象となります。

例えば、補修費用が30万円、免責金額が20万円のフランチャイズ方式の場合、10万円の保険金が支払われます。エクセス方式なら、30万円から20万円を差し引いた10万円が保険金として支払われることになります。

したがって、外壁塗装の見積金額が免責金額を下回っていれば、火災保険は適用されません。あらかじめ複数の業者から見積もりを取り、免責金額を確認しておくことが重要です。また、経年劣化が原因と判断された場合も、保険金は支払われない可能性があります。

 

02 火災保険適用までのスムーズな流れ

商談をする顧客とビジネスマン

外壁塗装に火災保険を適用させるには、まず信頼できる塗装業者に連絡し、現地調査と見積もり作成を依頼しましょう。優良な業者であれば、お客様の要望をしっかりと伺った上で、適切な工事内容と費用を提案してくれます。見積もり作成時には、火災保険の適用を希望している旨を伝えると、被災状況の写真撮影や必要書類の準備など、スムーズな保険請求に向けた対応が期待できます。複数の業者から見積もりを取ることで、適正価格を知ることもできます。

2-1. 信頼できる塗装業者に見積もりを依頼する

火災保険の適用を検討する際は、まず信頼できる塗装業者に連絡し、現地調査と見積もり作成を依頼しましょう。適切な業者であれば、建物の損傷状況を丁寧に診断し、必要な補修工事の内容と費用を正確に見積もってくれます。また、火災保険の申請に必要な書類の作成も協力してくれるでしょう。一方で、業者次第では過剰な工事を提案したり、適正価格を超える見積もりを出されるリスクもあります。複数の業者から見積もりを取り、内容を比較検討することが賢明です。

2-2. 保険会社に必要書類を揃えて請求を行う

信頼できる塗装業者から見積もりを取得し、外壁の補修が火災保険の対象となることが分かれば、次は保険会社への請求手続きとなります。保険会社に連絡し、保険金請求の意思を伝えましょう。その後、保険会社から指示される必要書類を揃えて提出します。主な必要書類は、保険金請求書、工事見積書、被災状況の写真などです。書類の種類は保険会社によって異なるため、確実を期すために保険会社に確認しながら進めることをおすすめします。

塗装業者によっては、保険金請求に必要な書類の作成を代行してくれるところもあります。ただし、保険金請求自体は契約者本人が行わなければならないので注意が必要です。適切な書類を揃え、虚偽がないことを確認した上で、期限内に保険会社へ提出しましょう。

2-3. 保険会社による現地調査で補償額が決定される

必要書類を保険会社に提出すると、専門の鑑定人が派遣され、被災した箇所の現地調査が実施されます。鑑定人は保険会社から派遣される中立的な立場の専門家で、客観的な視点から被害状況を確認し、適切な損害額を算出します。鑑定人による綿密な調査を経て、最終的に保険金の支給額が決定されるため、適切な補償を受けるうえで鑑定人の役割は非常に重要です。鑑定結果次第では、申請した金額よりも減額される可能性もあるため、被災状況を正確に把握し、証拠となる写真なども準備しておく必要があります。

 

03 火災保険利用時の重要な注意点

外壁塗装に火災保険を利用する際は、いくつかの重要な注意点があります。まず、契約した保険金額の全額が支払われるわけではありません。火災保険は実際に受けた損害額に応じて補償されるため、鑑定人の調査次第で請求額よりも減額される可能性があります。また、保険金額の一定割合以上を請求すると、その時点で契約が終了してしまう場合もあります。

さらに、被災状況の写真が補償を受けるための重要な証拠となります。破損箇所の写真を撮影し、自宅であることを示す表札なども写しておく必要があります。保険会社は提出された写真を確認して、適切な被災状況であるかを判断します。

加えて、悪質な外壁塗装業者に騙されないよう十分注意しましょう。近年、保険を利用して不当に高額な工事費を請求したり、虚偽の申請を強要したりする業者によるトラブルが増えています。工事を急がされたり、契約書が作成されない場合は要注意です。信頼できる業者かどうかは、保険会社や損害保険協会に確認するのが賢明です。

3-1. 保険金額の全額が支払われるわけではない

外壁塗装で火災保険を請求した場合でも、必ずしも契約した保険金額の全額が支払われるとは限りません。保険会社から派遣された鑑定人が、実際の損害状況を調査し、適正な補償額を算定するためです。被害が軽微な場合は、契約した保険金額よりもかなり少ない金額になる可能性があります。したがって、保険金だけに頼って高額な工事を先に行うのは賢明ではありません。また、損害を受ける前よりも高性能な塗料を使うなどグレードアップする場合は、その差額分は自己負担となります。適切な補修費用の範囲内で保険金を活用することが大切です。

3-2. 一定額以上の請求で契約が終了する場合がある

外壁塗装で火災保険を利用する際、注意すべき点の1つが一定額以上の保険金を請求すると契約が終了する可能性があることです。通常、火災保険では最初に契約した保険金額を上限として、損害が発生するたびに請求を行うことができます。しかし、一度に請求する金額が保険金額の一定割合を超えると、その時点で契約が終了してしまう場合があります。

例えば、火災で建物が全焼し、保険金額の全額が支払われた場合は、その時点で火災保険の契約は終了します。多くの保険会社では、保険金支払額が契約金額の80%を超えた場合に、契約を減額または終了させています。契約が終了すれば、その後の補償がなくなるため、新たに火災保険に加入する必要があります。

契約終了の条件は保険会社ごとに異なるため、外壁塗装で火災保険を利用する前に、加入している保険会社に確認しておくことが重要です。また、一度契約が終了した後に再加入する場合も、担当者に相談が必要です。再加入が認められる場合でも、以前と同じプランが存在しない可能性もあるためです。保険契約の詳細に不安がある場合は、契約終了と同時に問い合わせをしておくと良いでしょう。

3-3. 被災状況の写真が補償の証拠として必要

外壁塗装に火災保険を適用するには、被災した外壁や屋根の状況を示す写真が不可欠です。保険会社は提出された写真を基に、被害の程度を判断し、適切な補償額を算出します。写真がない場合や不十分な場合、保険金の支給が認められないリスクがあります。

写真には被災箇所だけでなく、建物全体や目印となる看板なども写しておくことが重要です。これにより、保険会社が対象物件であることを確認できます。また、被災直後に写真を撮影することで、補修前の状態を正確に伝えられます。

高所からの撮影が必要な場合は、安全面から業者に依頼するのが賢明です。適切な写真があれば、保険金請求がスムーズに進み、外壁塗装費用の負担を大幅に軽減できます。

3-4. 悪質業者に騙されないよう十分な注意が必要

外壁塗装で火災保険を適用する際は、悪質な業者に騙されないよう細心の注意を払う必要があります。近年では、保険金を不正に得ようとする悪質業者によるトラブルが後を絶ちません。こうした業者の典型的な手口は、保険手続きを進める前から無理やり工事を強要したり、虚偽の申請書類を作成させるなどです。一見、保険を利用すれば無料で外壁塗装ができると説明されても、実際には高額な工事代金を請求されてしまう可能性があります。

悪質業者に外壁塗装を依頼してしまうと、結果として保険金が適用されず、全額自費で修理費用を払わなければならなくなる恐れがあります。保険会社は不正な請求を見抜く体制を整えているため、虚偽の申請が発覚すれば保険金は支払われません。さらに、故意に虚偽申請を行えば詐欺罪に問われるリスクもあり、決して軽くみてはいけません。

安全な外壁塗装を行うには、信頼できる業者を選ぶことが何より重要です。業者の選定に当たっては、第三者機関の評価サイトなどで事前に確認を行い、営業行為の有無や工事内容の透明性などを慎重にチェックしましょう。

 

04 信頼できる外壁塗装業者の選び方

外壁塗装に火災保険を適用する際は、信頼できる業者を選ぶことが何より重要です。悪質業者に依頼すると、虚偽の申請書類を作成させられたり、過剰な工事費用を請求されるなどのトラブルに巻き込まれる恐れがあります。信頼できる業者を見分ける際のポイントは以下の通りです。

まず、現地調査を行い、建物の状況を丁寧に診断した上で適切な工事内容を提案してくれる業者かどうかが重要です。電話やWebだけで見積もりを出す業者は、実際の被災状況を把握していない可能性が高いため注意が必要です。

次に、見積書の内容を確認しましょう。材料費と工賃が明確に区別されているかどうかをチェックしてください。一括りの金額しか記載されていない見積書は、費用の内訳が不透明です。また、塗装面積が正確に算出され、㎡単位で記載されているかも重要なポイントです。

さらに、アフターフォローや保証制度が充実している業者を選ぶことをおすすめします。外壁塗装後に補修が必要になった場合、しっかりとした対応をしてくれる業者であれば安心です。一方で、アフターサービスが不十分な業者に依頼すると、トラブルに見舞われる可能性が高くなります。

4-1. 現地調査を行い、適切な工事内容を提案する

信頼に足る外壁塗装業者は、お客様の建物に赴き、現地調査を入念に行います。建物の老朽化具合や損傷の程度、修繕が必要な箇所などを確認し、適切な工事内容をご提案いたします。単に見積もりを出すだけでなく、お客様のニーズに合わせた最適な工事プランをご提示するのが、本物の業者の在り方です。一方で、現地調査もせずに安易に見積もりを出す業者は、工事内容を的確に把握していない可能性が高く、信用に値しません。適切な工事内容を提案してくれる業者を選ぶことが、外壁塗装を成功させる第一歩となります。

4-2. 材料費と工賃を明確に区別して見積もりを出す

信頼できる外壁塗装業者は、見積もりの際に材料費と工賃を明確に区別して記載します。材料費には塗料や足場の費用が含まれ、工賃には作業員の人件費や付帯作業の費用が含まれます。一括りの金額しか示されない見積もりでは、適正な価格設定がなされているかを判断することが難しくなります。依頼者は内訳を確認することで、過剰な費用請求がないかをチェックできます。また、後日トラブルになった際の根拠としても、項目ごとの内訳があると有利になります。

4-3. 塗装面積を正確に算出し、㎡単位で記載する

信頼できる外壁塗装業者は、現地調査時に建物の外壁面積を正確に計測し、平米単位で塗装面積を算出します。塗装面積が適切に算出されていないと、必要以上の塗料を購入する可能性があり、余剰分は無駄になってしまいます。また、塗料が不足した場合は追加購入が必要になり、工期の遅れや追加費用が発生するリスクがあります。そのため、塗装面積は細かな段差や窓枠の面積まで含めて正確に計測し、平米単位で記載された見積書を提示する業者を選ぶことが賢明です。

4-4. アフターフォローや保証制度が充実している

信頼できる外壁塗装業者は、施工後のアフターフォローや保証制度が充実しています。塗装の剥がれや劣化などのトラブルに対して、迅速な対応と無償補修を約束する長期保証を設けている業者が望ましいでしょう。また、定期的な無料点検サービスを提供し、外壁の状態を継続的に確認してくれる業者も高く評価できます。アフターフォローが不十分な業者に依頼すると、トラブル発生時の対応が不安定になる可能性があります。外壁塗装は高額な投資となるため、しっかりとした保証制度とアフターサービスが備わっている業者を選ぶことが賢明です。

 

05 火災保険を賢く利用し、外壁塗装費用を軽減しよう

外壁塗装は高額な費用がかかる大がかりな工事です。しかし、火災保険を賢く活用することで、その費用負担を大幅に軽減することができます。自然災害や事故で外壁や屋根に損傷があり、加入している火災保険がそれを補償する内容であれば、保険金を請求して外壁塗装費用に充てることが可能です。ただし、被災から3年以内に申請を行い、補修費用が保険の免責金額を上回っている必要があります。

保険金の請求手続きは、信頼できる塗装業者に見積もりを依頼し、保険会社に必要書類を揃えて請求を行います。その後、保険会社による現地調査で補償額が決定されます。しかし、保険金額の全額が支払われるわけではなく、一定額以上の請求で契約が終了する場合もあります。また、被災状況の写真が補償の証拠として必要になるほか、悪質業者に騙されないよう十分な注意が必要です。

そのため、信頼できる外壁塗装業者を選ぶことが重要です。現地調査を行い適切な工事内容を提案し、材料費と工賃を明確に区別して見積もりを出し、塗装面積を正確に算出して㎡単位で記載する業者を選びましょう。さらに、アフターフォローや保証制度が充実している業者であれば、安心して依頼できます。