外壁のひび割れや剥がれを
自力で修理する方法と
業者に依頼するメリット

INDEX目次

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01 外壁のひび割れの種類と発生原因を理解する

ひびが入った白い外壁

外壁のひび割れは、その幅や深さによって危険度が異なります。軽微なひび割れでも放置すれば大きなひび割れに進行する可能性があるため、早期発見と適切な対処が重要です。主なひび割れの種類と原因は以下の通りです。

ヘアクラックは塗膜に生じる細かい亀裂で、塗膜の経年劣化が主な原因です。乾燥クラックはモルタルやコンクリートの収縮によって発生し、完全に乾燥すれば広がりは止まります。構造クラックは建物の沈下や地震による影響で生じ、幅が広く深いため放置は危険です。コーキング材のひび割れは、紫外線や乾燥による劣化が原因で、数年以内に打ち替えが必要になります。また、外壁塗装の施工不良も、ひび割れの一因となり得ます。塗装工程の乾燥時間を守らなかったり、相性の悪い塗料を使用したりすると、ひび割れや塗膜の剥がれが起こりやすくなるのです。

1-1. 細かい亀裂状のヘアクラック

ヘアクラックは外壁塗膜の経年劣化により生じる、幅0.3mm以下の細かい亀裂状のひび割れです。新しい塗膜は柔軟性があり膨張収縮に耐えられますが、時間の経過とともに硬化が進み、外壁材の動きに追従できなくなることでひび割れが発生します。ヘアクラックは縦方向に発生する場合が多いですが、横方向に広がると雨水の浸入リスクが高まるため、早期の補修が重要となります。放置すると大きなひび割れに進行する可能性があり、外壁の機能が損なわれてしまいます。

1-2. 乾燥による収縮クラック

乾燥クラックは外壁材の乾燥収縮が原因で生じるひび割れです。モルタルやコンクリートなどの外壁材は、施工時に含まれる水分が徐々に蒸発していくことで収縮し、その際にひび割れが入ります。乾燥クラックの幅は比較的狭く、完全に乾燥が終わればそれ以上広がることはありません。しかし、放置しておくと雨水が浸入したり、外壁材の劣化が進行する恐れがあるため、早期の補修が望ましいでしょう。

1-3. 建物の沈下や地震による構造クラック

構造クラックは、建物の基礎や土台に問題があったり、地盤沈下や地震の影響で発生します。外壁は内部の骨組みに取り付けられているため、クラックの原因は外壁材の内側にあります。そのため、構造クラックは幅が広く、深さもあり、建物の強度に影響を及ぼします。放置すれば、雨水の浸入による腐食や、躯体の劣化、虫の侵入などのリスクが高まります。構造クラックを発見した場合は、早急に専門業者に相談し、適切な補修を行うことが重要です。

1-4. 経年劣化によるコーキング材の破損

外壁材を接合する際に使用されるコーキング材は、屋外の環境に常にさらされているため、紫外線や乾燥の影響で徐々に劣化が進行します。柔軟性が失われると亀裂が入り、外壁材の接合部からの雨水の浸入を防げなくなってしまいます。コーキング材に亀裂が見られた場合は、数年以内に打ち替えが必要になる前兆と考えられます。早めの対処が求められる箇所です。

1-5. 外壁塗装の施工不良が原因のひび割れ

外壁塗装工事では、下塗り、中塗り、上塗りの各工程間に適切な乾燥時間を設けることが重要です。乾燥が不十分な状態で次の工程に進むと、塗膜にひび割れが生じやすくなります。また、外壁材と塗料の相性不良も塗膜の剥がれやひび割れの原因となり得ます。施工不良が疑われる場合は、まず依頼した業者に相談するのが賢明です。ただし、単に施工不良を責めるのではなく、今後の対策を協議する姿勢が大切です。外壁塗装は定期的に必要となるため、業者との長期的な信頼関係を損なわないよう注意しましょう。症状の全容を伝え、適切な補修方法を一緒に検討することをおすすめします。

 

02 DIYで外壁のひび割れを補修する手順

コーキングガンを持つ作業者の手

外壁のひび割れは、その原因や程度によってDIYで補修できる場合とそうでない場合があります。まず、ひび割れの種類と発生原因を正しく理解することが大切です。

幅0.3mm以下の細かいヘアクラックであれば、DIYで対処できる可能性があります。ただし、ひび割れが広がる兆候があれば早期に専門家に相談しましょう。一方、構造的な問題が原因のひび割れは深刻な症状につながるため、自力補修は避けるべきです。

DIY可能な範囲では、モルタル壁のひび割れにはセメント系パテを、コーキング部分のひび割れには新しいコーキング材を使って補修します。作業の際は、安全対策を怠らず、メーカーの指示に従って丁寧に行いましょう。

高所作業が伴う場合や広範囲の補修が必要な場合は、安全性と確実な施工品質を考慮し、経験豊富な専門業者に依頼することをおすすめします。

2-1. モルタル壁のひび割れはセメント系パテで補修

モルタル外壁のひび割れ補修には、セメント系のパテ材を使用します。まずはひび割れ周辺を水で適度に湿らせ、セメント粉が乾燥しないよう準備します。次に、スティック状のセメントパテか、スプレータイプのものを使い、ひび割れ部分にしっかりと押し込むように塗布していきます。広範囲の場合はスプレータイプが作業効率が良いでしょう。

塗布後15〜30分ほど乾燥させ、周囲に付着した余分なセメント粉はブラシやタオルで丁寧に拭き取ります。夏場なら15時間程度、冬場なら20時間ほど完全に乾燥させれば補修は完了です。乾燥が不十分だと剥がれてしまう可能性があるので、この工程は特に気を付ける必要があります

2-2. コーキング材の亀裂は新しい物で打ち替え

コーキング材は外壁の目地部分に使用される柔軟性のある充填材です。紫外線や乾燥の影響で劣化が進むと、ひび割れや亀裂が生じてしまいます。このような症状が見られた場合は、古いコーキング材を完全に除去し、新しい材料で打ち替える必要があります。

まず養生テープで外壁材を保護し、コーキング材の付着部分にプライマーを塗布します。プライマーは下地処理の役割を果たし、新しいコーキング材の密着性を高めます。その後コーキングガンを使って新しいコーキング材を充填し、ヘラで表面を整えます。作業後30~50分で初期硬化が始まるので、その前に仕上げの処理を行います。最後に養生テープを剥がし、1~2日乾燥させれば補修完了です。

 

03 外壁の剥がれや色あせに対するDIY塗装方法

小規模な剥がれや一部の色あせであれば、DIYで外壁塗装を行うことができます。ただし、広範囲に及ぶ塗装や高所作業が必要な場合は、安全面から業者への依頼が賢明です。DIYでは塗膜の劣化原因を特定せず補修するため、根本的な改善が必要な場合は業者に現場調査を依頼しましょう。DIY塗装では、足場設置から高圧洗浄による下地処理、補修部分のケレン・養生作業、そして下塗り・中塗り・上塗りの3工程で丁寧に塗装を行う必要があります。

3-1. 足場の設置と高圧洗浄による下地処理

塗装範囲に手が届かない高所がある場合は、安全性を確保するため専門業者に足場の設置を依頼しましょう。足場設置時には安全帯、安全靴、ヘルメットなどの装備を整えることが重要です。次に高圧洗浄機を使って外壁の汚れを徹底的に落とします。残った汚れは塗装剥がれの原因になるため、念入りに洗浄作業を行う必要があります。

3-2. 補修部分のケレンと養生作業

外壁が乾燥したら、次は補修範囲のひび割れを適切に処理します。サンディングペーパーなどで外壁の表面を丁寧に磨き、平らな状態にする「ケレン」作業を行います。この作業により、塗料が外壁にしっかりと密着するようになります。

その後、塗装時に塗料が付着してしまう箇所を養生テープやビニールシートで覆う「養生」作業を行います。窓ガラスや開口部、外構などを確実に保護しましょう。ケレンと養生が終わったら、次の塗装工程に移ることができます。

3-3. 下塗り・中塗り・上塗りの3工程で塗装

外壁の塗装は、下地処理後に下塗り、中塗り、上塗りの3工程で行われます。

下塗りは外壁と上塗り塗料の密着性を高める役割があります。下地となる外壁面に対して適切な下塗り材を選び、しっかりと塗布することで上塗り塗料の定着を良くします。

中塗りは、下塗りと上塗りの中間的な役割を担います。中塗り材には隠ぺい力があり、下地の色むらを隠して上塗りの発色を良くする働きがあります。また、中塗りを行うことで上塗り時の塗料の消費量を抑えられます。

上塗りは外観の仕上がりを決める最終工程です。上塗り材には耐候性や耐久性に優れた塗料が使用され、外壁を長期間保護する役割を担います。上塗りは2回塗りが一般的で、1回目と2回目では塗り重ね部分ができるため、より隈なく美しい仕上がりが期待できます。

このように、それぞれの工程が適切に行われることで、外壁塗装の品質が高まり、耐久性や美観が長期間維持されます。DIYで外壁塗装を行う場合も、この3工程を確実に守ることが重要です。

 

04 外壁の素材別の適切な補修方法

外壁の素材は様々で、それぞれに適した補修方法があります。主な外壁素材ごとの特徴と補修方法の概要は以下の通りです。

モルタル外壁は目地がないため破損しにくい利点がありますが、広範囲の塗膜浮きや剥がれ、チョーキング現象が生じている場合は専門業者に依頼するのが賢明です。小さなひび割れならセメント系パテを用いたDIY補修が可能です。

サイディング外壁の塗装補修はDIYで対応できますが、サイディング自体の張り替えは専門性が高いため業者に依頼しましょう。サイディングのコーキング補修には「増打ち」と「打ち替え」の2種類があり、打ち替えは作業量が多いので業者への依頼がおすすめです。

ガルバリウム鋼板外壁の施工は高い専門性が求められるため、DIYはおすすめできません。業者による修復では、足場設置後の水洗浄と錆や汚れの除去、下塗り前の錆止め塗布が重要なポイントとなります。錆を放置すると穴が空くリスクもあり、早期の修復が不可欠です。

4-1. モルタル外壁の場合

モルタル外壁は、セメントと砂を混ぜ合わせた固形素材で作られています。目地がないため破損しにくいメリットがありますが、ひび割れが発生した場合の対処方法は以下の通りです。

小さなひび割れ(0.3mm以下)であれば、前述のセメント粉を用いてDIYで補修できます。まず水でひび割れ周りを湿らせ、セメント粉をスティックやスプレーで充填します。乾燥後、はみ出した部分を取り除けば補修完了です。

一方で、ひび割れが1mm以上に広がっている場合や、塗膜の浮きや剥がれ、チョーキング現象(白華現象)が広範囲で発生している場合は、専門の業者に補修を依頼することをおすすめします。自力で対処しようとすると、さらなる劣化を招く恐れがあります。

4-2. サイディング外壁の場合

サイディング外壁のひび割れや剥がれの補修は、一部ならDIYで対応できますが、広範囲にわたる場合は専門業者に依頼するのが賢明です。小さなひび割れやコーキング部分の亀裂であれば、前述の方法でセメント系パテやコーキング材を使って自分で補修することができます。

しかし、サイディング自体の張り替えとなると、専門的な技術と経験が必要になります。サイディングの取り外しや新しい板の取り付けは、作業の難易度が高く、ミスがあると雨漏りなどのトラブルにつながる恐れがあるためです。また、広範囲の塗装も高所作業が伴うため、DIYでは危険が伴います。

サイディングのコーキング補修には、「増打ち」と「打ち替え」の2種類の方法があります。増打ちは既存のコーキングの上から新しいコーキング材を重ねて充填する方法で、打ち替えは古いコーキングを全て除去してから新しく充填し直す方法です。打ち替えの方が作業工程が多くなるため、こちらも専門業者に依頼した方が無難でしょう。

このように、サイディング外壁の補修は部分的な小規模な作業ならDIYも可能ですが、大がかりな工事になる場合は、安全性と確実な施工品質を考えると、経験豊富な専門業者に依頼することをおすすめします。

4-3. ガルバリウム鋼板外壁の場合

ガルバリウム鋼板は金属製の外壁材で、耐久性に優れていますが、専門的な施工が必要となります。DIYでの補修は避け、経験豊富な業者に依頼することをおすすめします。

業者による補修の一般的な手順は以下の通りです。

1. 足場を設置し、高所作業の安全を確保する。
2. 高圧洗浄機で外壁全体を洗浄し、汚れや付着物を除去する。
3. サンディングやケレンにより、錆や古い塗膜を完全に除去する。
4. 下地処理として、錆止め塗料を塗布する。
5. 下塗り、中塗り、上塗りの3工程で新しい塗装を施す。

ガルバリウム鋼板は金属のため、錆が発生すると徐々に穴が開くなど深刻な劣化が進行します。初期段階から適切な補修を行うことが重要で、放置すれば外壁材の交換が必要になる可能性があります。また、定期的な洗浄によるメンテナンスで、錆の発生や進行を抑制することができます。

 

05 外壁DIY補修に必要な道具と資材

外壁のDIY補修には、ひび割れ補修用のセメント系パテやコーキング材、塗装補修用の塗料や道具など、様々な資材が必要になります。作業の内容に合わせて適切な道具と材料を揃えることが重要です。一般的に使用される主な道具と資材、およびその費用の目安は以下の通りです。

セメント系パテ(ひび割れ補修用):1kg約500円
コーキング材(シーリング剤):1本約1,000円
塗料(下塗り・中塗り・上塗り):1缶約3,000円~5,000円
ローラー:1本約500円~1,000円
ハケ:1本約200円~500円
高圧洗浄機(レンタル):1日約2,000円
足場(レンタル):1週間約10,000円~

作業の範囲が広がれば、必要な資材の量も増えるため、総額は高くなる傾向にあります。事前に補修箇所を確認し、適切な量を準備することで無駄を省くことができます。また、一部の資材は量り売りが可能なため、過剰な購入は避けましょう。

 

06 外壁補修を業者に依頼するメリット

外壁補修は、高所作業が伴うことが多く、DIYでは落下などの危険があります。一方、専門の業者に依頼すれば、高所作業のリスクを回避できます。また、業者には外壁補修に関する専門的な知識と技術があるため、適切な補修方法を提案してもらえ、作業の品質が高くなります。さらに、業者による補修工事は、DIYよりも長期的な耐久性が期待できるため、次のメンテナンスサイクルまでの期間を延ばすことができます。結果として、長期的にコストを抑えられる可能性があります。

 

07 業者に外壁補修を依頼する場合の費用相場

外壁補修の費用は、補修範囲や内容によって大きく異なります。部分的なひび割れ補修であれば比較的安価ですが、全面的な補修工事となると高額になる傾向にあります。一般的な費用相場は以下の通りです。

・部分的なひび割れ補修: 1か所あたり5,000円~30,000円程度
・コーキング材の打ち替え: 1mあたり1,200円~1,800円程度
・外壁の穴やへこみ補修: 1か所あたり10,000円~50,000円程度
・高圧洗浄による汚れ落とし: 1平米あたり300円~800円程度
・全面的な外壁補修工事: 60万円~200万円程度

部分補修の費用は劣化の程度によって変動しますが、全面補修の費用は外壁の面積が大きく影響します。実際の見積りを依頼する際は、現地調査を行って適切な工事内容と費用を提示してもらうことが重要です。

7-1. 部分的なひび割れ補修の費用

部分的なひび割れの補修費用は、ひび割れの大きさや範囲によって異なります。小さなひび割れ1か所あたりの費用は1万円前後が相場ですが、ひび割れが広範囲に及ぶ場合は10万円以上かかる可能性があります。また、ひび割れが深く劣化が進行している場合は、30万円程度の費用が必要になることもあります。ひび割れの状態を業者に正確に診断してもらい、適切な補修方法と費用を確認することが重要です。

7-2. コーキング材の打ち替え費用

コーキング材の劣化を補修する場合、既存のコーキングを除去する費用として1〜3万円程度が見込まれます。その上で、新しいコーキング材を打ち替える場合は、1mあたり900円〜1,200円程度の材料費がかかります。一方、既存のコーキングに新しい材料を重ねて増し打ちする場合は、1mあたり500円〜900円程度と打ち替えよりも安価になる傾向にあります。コーキング材の劣化状況によって、打ち替えか増し打ちかを業者と相談して適切な方法を選ぶことが重要です。

7-3. 外壁の穴やへこみ補修費用

外壁に穴やへこみがある場合、その大きさによって補修費用は変わってきます。小さな穴やへこみであれば、1か所あたり約1万円~3万円程度の費用で済むことが多いでしょう。しかし、大きな穴やへこみになると、補修に必要な材料費や作業工数が増えるため、費用も5万円以上かかる可能性があります。

穴やへこみの補修では、まず周辺の汚れを丁寧に除去し、必要に応じて下地処理を行います。次に、穴やへこみ部分に適した補修材を詰め込んで形状を整え、最後に同系色の塗料で仕上げ塗装を行います。作業工程が複雑になるほど費用は高くなる傾向にあります。

また、穴やへこみの原因によっても費用は変わってきます。例えば、外的要因による損傷であれば比較的単純な補修で済みますが、建物の沈下や構造的な問題が原因の場合は、より根本的な対策が必要になり、費用も高額になる可能性があります。

このように、外壁の穴やへこみの補修費用は一概に言えませんが、早期発見・早期対応が何より重要です。放置すれば問題が深刻化し、最終的にかかる費用が高額になるリスクがあるためです。

7-4. 高圧洗浄による汚れ落とし費用

外壁の汚れを落とすための高圧洗浄作業は、塗装工事の前に必ず行われる重要な下地処理です。高圧洗浄機を使って外壁に強い水流を当てることで、付着した汚れやカビ、藻などを確実に除去することができます。しかし、圧力が強すぎると外壁を傷つける恐れがあるため、適切な圧力設定と注意深い作業が求められます。

高圧洗浄の費用は、一般的に1平方メートルあたり300円から800円程度が相場となっています。ただし、汚れの程度や建物の高さ、養生の必要性などによって変動します。例えば高所作業が必要な場合は足場の設置費用が加算されるため、費用は高くなる傾向にあります。また、飛散防止のための養生が必要な場合も、追加費用が発生することがあります。

高圧洗浄は外壁塗装の品質を左右する重要な工程なので、経験豊富な業者に依頼することをおすすめします。適切な圧力設定と丁寧な作業により、外壁を傷めることなく確実な汚れ落としが可能になります。

7-5. 全面的な外壁補修工事の費用

全面的な外壁補修工事の場合、費用は外壁の塗装面積に大きく左右されます。一般的な相場としては、外壁塗装で60万円から90万円程度、サイディングの重ね張りで120万円から200万円程度、張り替えで180万円から300万円程度が目安となります。広い面積の外壁を補修する場合は、高額な費用が見込まれますので、事前に複数の業者から見積もりを取り、比較検討することをおすすめします。また、外壁の劣化状況によっては、補修工事以外の追加工事が必要となる場合もあり、その際は更に費用が嵩む可能性があります。

 

08 火災保険が適用される外壁補修の場合

一般的に火災保険は火災による損害を補償する保険ですが、自然災害による外壁の損傷や雨漏りの場合にも適用される可能性があります。豪雨や台風、大雪などの自然災害が原因で外壁にひび割れや剥がれが生じ、雨水の浸入による内部の損傷があれば、火災保険の補償対象となる場合があります。ただし、適用条件は保険会社や商品によって異なるため、まずは加入している火災保険の補償内容を確認する必要があります。少しでも不明な点があれば、施工業者に補償金を活用した工法の提案を求めるのも良いでしょう。自然災害による外壁の損傷は、早期の補修が重要です。火災保険の補償を受けられれば、修理費用の負担を軽減できます。

 

09 外壁補修工事にかかる一般的な期間

外壁補修工事の期間は、作業内容によって大きく異なります。ひび割れの補修やコーキング材の打ち替えなどの部分的な補修であれば、1日から2日程度で完了することが一般的です。一方、外壁塗装やサイディングの張り替えなどの大規模な工事になると、1週間から2週間ほどの期間を要します。

しかし、工期は気候や季節の影響を受けやすいため、注意が必要です。例えば、台風や梅雨の時期には雨による工事の中断が避けられず、工期が延長してしまうリスクがあります。また、冬場は日照時間が短く、作業効率が落ちるため夏場と比べて工期が長くなる傾向にあります。このように、外壁補修工事の適切な時期を選ぶことが重要で、各季節のメリット・デメリットを踏まえた上で、工事時期を決める必要があります。

9-1. 気候や季節による工期の変動

外壁補修工事の工期は、気候条件や季節によって大きく左右されます。例えば梅雨時期や台風シーズンでは雨天が多く、作業を中断せざるを得ない日が増えるため、全体の工期が長期化する傾向にあります。一方、冬季は日照時間が短く、塗料の乾燥に時間がかかるため、作業効率が落ちてしまいます。気温が低すぎると、塗料が適切に乾かず、密着性が損なわれる恐れもあります。

理想的な作業環境は、温暖で湿度が低く、風の影響も少ない晴天時です。このような条件下では、塗装作業が効率的に進められ、工期の短縮が期待できます。ただし、真夏の猛暑時には塗料の乾燥が極端に早くなり、ムラや剥がれの原因となるリスクがあります。

このように、外壁補修工事の工期は気象条件に大きく影響を受けるため、施工時期を適切に選ぶことが重要です。経験豊富な業者であれば、地域の気候特性を踏まえた上で、最適な工程管理ができるはずです。

 

10. 信頼できる外壁補修業者を選ぶポイント

外壁補修は専門的な知識と経験が必要な作業です。適切な業者を選ばないと、施工の質が低下したり、後々トラブルに発展する可能性があります。信頼できる業者を見つけるためのポイントをいくつかご紹介します。

まず、業者の実績と技術力を確認することが大切です。ホームページや実際の施工事例を見て、これまでの実績を確認しましょう。また、住宅診断士や外装劣化診断士などの有資格者が在籍しているかどうかも重要なポイントです。有資格者がいれば、的確な診断と最適な工法の提案が期待できます。

次に、アフターサービス体制の充実度を確認しましょう。工事完了後に不具合が発生した場合の対応が適切に行われるかどうかが重要です。保証内容や期間、アフターフォロー体制などを事前に確認し、安心できる業者を選びましょう。

最後に、複数の業者から見積もりを取り、比較検討することをおすすめします。見積もりは無料で行ってくれる業者がほとんどですので、積極的に相見積もりを依頼しましょう。見積もりを比較する際は、単に金額だけでなく、業者の対応や提案内容なども総合的に判断することが大切です。

10-1. 十分な実績と高い技術力

外壁補修業者を選ぶ上で、最も重視すべき点は実績と技術力です。長年の経験を積んだベテラン職人による施工なら、高い品質と耐久性が期待できます。また、モルタル、サイディング、ガルバリウムなど様々な外壁素材に対応できる幅広い知識と技術を持つ業者を選ぶことで、外壁の状態に合わせた適切な補修方法を提案してもらえます。

実績の確認は、業者のホームページで過去の施工事例を見るのが一般的です。作業の様子や完成写真が掲載されていれば、その業者の実績を確認できます。施工事例が掲載されていない場合は、業者に直接提示を求めるのも手です。

技術力の高さは、資格の有無で判断できます。住宅診断士や外装劣化診断士などの有資格者が在籍する業者であれば、外壁の状態を的確に診断し、最適な工法を提案してくれるでしょう。

10-2. アフターサービス体制の充実度

外壁補修工事の完了後に不具合が発生することも考えられます。そのため、業者選定時にアフターサービス体制が充実しているかどうかを確認することが重要です。保証内容や期間、対応の迅速性など、万が一のトラブル時に安心できるサポート体制があるかを見極める必要があります。また、定期的な点検サービスなど、長期的なメンテナンスをサポートしてくれる業者であれば、外壁の劣化を未然に防ぐことができます。

10-3. 複数業者の見積もりを比較検討

外壁補修の業者を選ぶ際は、複数の業者から見積もりを取り、比較検討することが大切です。ほとんどの業者が無料で見積もりを行ってくれるため、実際に現場を確認し、必要な作業内容を精査してもらえます。見積書の内容や業者の対応を比べることで、適切な価格設定かどうか、コミュニケーションがスムーズにできるかどうかを判断できます。予算感が合うかどうかも、この際にしっかりと見極めましょう。複数の業者に積極的に見積もりを依頼し、比較検討することで、最適な業者を見つけられるはずです。

 

11 DIY補修が難しい場合は業者に依頼を

外壁のひび割れや剥がれの補修は、一見簡単に見えるかもしれません。しかし、ひび割れの原因が建物の構造的な問題である場合や、広範囲にわたる補修が必要な場合は、DIYでは限界があります。特に高所作業を伴う外壁補修は、落下の危険性が高く、一般の方が行うのは非常に危険です。また、外壁の素材によっては専門的な知識と技術が必要となり、適切な補修方法を誤ると、かえって悪化させてしまう可能性があります。そのため、DIY補修が難しい場合は、安全性と品質を考慮して、経験豊富な専門業者に依頼することをおすすめします。