屋根の補修をDIYで行う際の注意点と
専門家への依頼のタイミング

INDEX目次

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01 屋根の補修作業の種類

屋根の補修でコーキングガンを使用する作業社の手

屋根の補修には大きく分けて2種類の作業があります。1つは部分的な補修で、屋根の一部分のみを修理する作業です。例えば瓦の一部が割れている場合や、トタン板の一部が錆びている場合などがこれに該当します。このような軽微な損傷であれば、DIYで対応できる可能性があります。ただし、補修範囲が広範囲に及ぶ場合は自身で行うのは難しくなります。

もう1つが全面的な補修です。これは屋根全体を新しく張り替える大掛かりな作業を指します。屋根材の経年劣化が著しい場合や、構造的な問題がある場合には、部分補修では不十分で、全面的な補修が必要不可欠となります。屋根の状態によっては、DIYでは対応が困難な場合が多くなるため専門業者に依頼するのが好ましいです。

1-1. 部分的な補修

部分的な屋根の補修は、瓦や板材の一部が損傷した場合に行われます。例えば、瓦が割れたり外れたり、トタン板に錆びが発生した場合などです。このような軽微な損傷であれば、DIYで対応できる可能性があります。

まず、損傷した部分を特定し、周辺をきれいに清掃します。次に、損傷の程度に応じて適切な補修方法を選びます。瓦の場合は新しい瓦と交換したり、パテやコーキング剤で埋めたりします。トタン板の錆びなら、サンディングで除去し、さび止め塗料を塗布します。

しかし、DIYによる屋根補修には注意が必要です。高所作業のリスクや、不適切な補修で劣化が進行するおそれがあるためです。補修範囲が広範囲に及ぶ場合や、自身で適切な補修ができないと判断したら、専門業者に依頼するべきでしょう。専門家なら確実な補修と安全性を確保できます。

1-2. 全面的な補修

屋根の全面修理は、屋根材の経年劣化や構造的な問題が深刻な場合に必要となる大規模な工事です。単に一部分の補修では不十分で、屋根全体を新しい材料で張り替える必要があります。屋根の耐用年数を大きく超えて劣化が進行していたり、地震や台風などの災害で屋根に損傷が生じた場合も、全面修理を検討する必要があります。部分補修では根本的な解決にならず、将来的に雨漏りなどのトラブルにつながる可能性があるためです。全面修理は費用と工期がかかりますが、屋根の安全性と長期的な耐久性を確保するために欠かせない作業となります。

 

02 屋根材別の補修方法

屋根の補修方法は、使用されている素材によって大きく異なります。スレート屋根、瓦屋根、トタン屋根、ガルバリウム鋼板屋根など、一般的な素材ごとに補修のポイントを押さえておく必要があります。

スレート屋根は比較的補修が容易で、割れた部分のスレートを新しいものに交換するだけで済む場合が多いです。ただし、広範囲にわたる補修が必要な場合は、専門業者に依頼した方が確実性が高くなります。

瓦屋根の補修では、割れた瓦の交換や、ずれた瓦の調整が中心となります。瓦の種類によっては、DIYが難しい場合もあるため、自身の技量を踏まえた上で、専門家への依頼も検討する必要があります。

トタン屋根は、錆びた部分を研磨し、塗装を行うことが一般的な補修方法です。広範囲の補修が必要な場合は、トタン板の張り替えが避けられない可能性もあります。

ガルバリウム鋼板屋根は比較的新しい素材なので、トタン屋根と同様の補修方法がとられる傾向にありますが、専門業者に相談して適切な対処方法を確認することが賢明でしょう。

2-1. スレート屋根

スレート屋根の補修は、損傷が局所的な場合は比較的簡単に行えます。欠けや割れの生じた部分のスレートを取り外し、新しいスレート板と交換するだけで済むからです。しかし、広範囲にわたって多数のスレートが損傷している場合は、DIYでの補修は避けた方が賢明でしょう。素人が不適切な補修を行うと、雨水の浸入や屋根全体の劣化を招く恐れがあるためです。そういった大がかりな補修が必要な場合は、専門の業者に依頼することをおすすめします。

2-2. 瓦屋根

瓦屋根の補修では、主に割れた瓦の交換やずれた瓦の位置調整が必要となります。瓦の種類によっては、DIYでの補修が困難な場合もあるため、事前に瓦の素材や状態を確認し、自身の技術力を見極めることが重要です。瓦は重量があり、取り扱いを誤ると落下の危険性もあるため、安全対策にも十分気を付ける必要があります。広範囲の補修が必要な場合は、専門業者に依頼することをおすすめします。

2-3. トタン屋根

トタン屋根の一般的な補修方法は、錆びた箇所を研磨して除去し、その後に防錆塗料を塗布することです。錆の範囲が小さければこの方法で対処可能ですが、広範囲に錆が進行している場合は、トタン板の一部または全面を新しいものに張り替える必要があります。トタン板の交換作業は、高所作業が伴うため危険を伴います。また、古いトタン板の撤去や新しい板の取り付けには、専門的な知識と経験が求められます。そのため、広範囲のトタン屋根の補修については、安全性と確実な施工を期すため、専門の業者に依頼することが賢明でしょう。

2-4. ガルバリウム鋼板屋根

ガルバリウム鋼板は金属製の屋根材で、トタン屋根と同様の補修方法がとられます。錆びた箇所の研磨と塗装が一般的な補修作業となります。ただし、ガルバリウム鋼板は比較的新しい素材なため、専門業者に相談して適切な補修方法を確認することが賢明でしょう。DIYで補修を行う場合は、素材の特性を十分に理解した上で作業する必要があります。また、広範囲の補修が必要な場合はガルバリウム鋼板の張り替えを検討する必要があるかもしれません。ガルバリウム鋼板は耐久性に優れていますが、経年劣化や施工不良によりサビが発生することもあるため、定期的な点検と適切なメンテナンスが重要です。

 

03 屋根のDIY補修とリスク

屋根のDIY補修は、一見コストを抑えられそうに思えますが、実際には様々な危険が潜んでいます。まず何より、高所での作業となるため、転落や落下物による事故のリスクが高くなります。また、素人が行う補修作業は、適切な方法がわからず、かえって屋根の劣化を促進してしまう恐れがあります。さらに、専門的な知識が不足していれば、本来必要な補修箇所を見落とし、不十分な補修に終わってしまう可能性もあります。そのため、DIY補修を行う際は、安全対策を徹底するとともに、自身の技術力を冷静に判断する必要があります。

3-1. DIYによる屋根補修の方法

DIYで屋根の補修を行う場合、まずは必要な工具や資材を事前に準備しましょう。ハンマー、金づち、カッター、コーキング剤、パテ、防水テープなどが必要になる可能性があります。次に補修が必要な箇所を確実に特定し、その箇所に合わせて適切な補修方法を選びます。瓦の割れ補修であればコーキング剤やパテで埋め、防水テープを貼るなどの対処が考えられます。錆びたトタン板の場合は、サンドペーパーで錆を落とし、塗装を施すことが一般的です。いずれの場合も、作業の際は高所作業になるため、転落や落下物による事故に十分注意する必要があります。安全対策を怠らず、慎重に作業を進めることが何より大切です。

3-2. DIYのリスク

DIYで屋根の補修を行う場合、最大の危険は作業中の転落事故です。高所作業には十分な安全対策が必要不可欠ですが、一般の方が適切な装備を揃えることは難しいでしょう。また、補修方法を誤ると、かえって屋根の劣化を加速させてしまう恐れもあります。屋根材の特性や補修技術に関する専門知識がないと、適切な対処ができない可能性が高いのです。費用を抑えたいDIYには魅力もありますが、リスクを十分に認識し、自身の能力に見合った範囲に留めることが重要です。

 

04 業者に補修を依頼するべき状態

屋根の劣化が広範囲に及んでいたり、構造的な問題がある場合は、DIYでの補修は適切ではありません。部分的な補修では対処しきれず、屋根全体の修理が必要になります。また、自身で適切な補修方法が分からない場合も、無理せずプロの業者に依頼するべきでしょう。専門業者なら、確かな知識と経験に基づいた正しい診断と施工が可能です。安全面でも徹底した対策がとられるため、DIYよりもはるかにリスクが低くなります。