「外壁ひび割れの全解説」
原因から補修、保証情報まで

INDEX目次

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外壁のひび割れは、住宅の大切な資産である外壁の劣化を招き、構造体の強度低下や雨漏りなど深刻な影響を及ぼします。
「大丈夫だろう」と放置していると想像以上に状況が悪化し、高額な補修費用がかかることも。
外壁ひび割れの原因や対策を知ることが、住宅の長期使用と資産価値の維持には欠かせません。

ここでは、外壁ひび割れが起きる原因から対策、補修の方法と費用、さらには予防策までを詳しく解説します。
外壁の劣化に悩んでいる方はぜひ参考にしてください。

 

 

01 外壁ひび割れの原因と種類

1-1. 外壁ひび割れの原因

外壁ひび割れの原因は、主に経年劣化や施工不良によるものです。コンクリート打ち放しの外壁は乾燥収縮によるヘアクラックが発生しやすく、木造軸組構法の外壁では地震などの振動でクラックが入ります。また、基礎の沈下などで外壁に歪みが生じると構造クラックが発生する場合があります。外壁ひび割れの多くは深刻な構造欠陥を示している訳ではなく、適切な補修とメンテナンスによって対処可能です。

1-2. ひび割れの種類とその特徴

ひび割れにはヘアクラックや構造クラックなど種類があります。ヘアクラックは表面のみの細かいひび割れで深刻ではありませんが、構造クラックは建物の構造上の問題に起因する大きなひび割れです。構造クラックの場合は早めの対策が必要です。ひび割れの特徴を知ることが大切です。

1-3. ひび割れが発生する住宅構造の問題

ひび割れが発生しやすい住宅構造の問題として、コンクリートと木材の接合部分のひび割れがあります。コンクリートと木材は熱膨張率が異なるため、温度変化によりひび割れが生じやすくなります。また、木造軸組工法の場合、柱と梁の接合部にひび割れが発生しやすい傾向にあります。ひび割れを防ぐには、熱膨張率の異なる材料の接合部にはシーリングを入れる等の対策が必要です。適切な施工を行うことで、ひび割れの発生を未然に防ぐことができます。

 

 

02 外壁ひび割れの補修:必要性・方法・費用

2-1. 補修が必要なひび割れと経過観察で構わないひび割れ

ひび割れの程度によって、補修の必要性が異なります。ヘアクラック程度の薄いひび割れであれば、経過観察で構いません。しかし、構造クラックなどの深いひび割れは早めの補修が必要です。ひび割れが広がることで雨漏りや壁体の強度低下を招く可能性があるためです。補修方法は注入補修や部分打換えなど。補修費用はひび割れの程度や住宅の構造によって異なりますが、10万円から数百万円程度が目安です。

2-2. 外壁ひび割れの補修方法とその手順

外壁ひび割れの補修方法は、ひび割れの程度によって異なります。まずはひび割れ部分のクリーニングを行い、ひび割れ幅に応じて充填材を選択します。ヘアクラック程度であればシーリング材、大きいひび割れであればエポキシ系樹脂などを使用します。ひび割れの原因を特定することが大切で、単純に充填するだけでは再発の可能性が高いです。適切な補強工事を行うことが再発防止につながります。施工後は定期的な目視点検が必要です。

2-3. 補修にかかる費用とその内訳

外壁ひび割れの補修費用は、ひび割れの程度や補修方法によって異なります。簡易な補修の場合は1m当たり500円程度から、構造上のひび割れの補修では1m当たり1500円程度かかる場合も。費用の内訳としては、材料費、人件費、機材レンタル料などがあります。見積もりを取る際には、これらの内訳を確認することが大切です。

 

 

03 外壁ひび割れ補修の後の対策と予防するために知っておくべきこと

3-1. 補修後のメンテナンス方法と周期

補修後の外壁は、適切なメンテナンスが必要です。塗装面の汚れやひび割れが再発するのを防ぐため、年に一度程度、目視でチェックすることをおすすめします。ひび割れが見つかった場合は、早めの手直しが大切です。また、外壁に直射日光が当たる南側は劣化が早まるので、2~3年おきに塗装の塗り替えも検討しましょう。

3-2. 外壁ひび割れの予防策:住宅構造と維持管理について

外壁ひび割れを予防するには、住宅の構造や維持管理が重要です。例えば、木造住宅の場合、基礎の沈下を防ぐために地盤調査を行い、適切な杭基礎を選択することが大切です。また、壁と柱の接合部には適度な余裕を持たせ、振動や変形に追従できる構造にすることも効果的です。日常的には外壁の汚れや藻類の除去を行い、塗装の劣化を防ぐメンテナンスが必要不可欠です。こうした予防策を講じることで、外壁ひび割れの発生リスクを低減できます。

3-3. 最新の外壁素材と耐久性について

最新の外壁素材には、耐久性やひび割れ防止性能が向上しています。例えば、アクリル系塗材は従来型に比べて弾性が高く、コンクリートとの親和性が良好です。また、特殊な繊維を混入したモルタルも、ひび割れを防ぐ効果が期待できます。適切な素材を選ぶことで、外壁の耐久年数を延ばし、メンテナンス間隔を長くすることができます。

 

 

04 保証について

外壁ひび割れの保証内容と期間の違い:メーカーと施工業者

外壁ひび割れの保証内容や期間は、メーカーと施工業者で異なります。
メーカーの保証期間は通常5~10年程度。素材や工法などの瑕疵に対して保証が適用されます。一方、施工業者の保証期間は1~2年程度。施工の瑕疵に対して保証が適用されます。
保証内容もメーカーは素材や工法に起因するひび割れ、施工業者は施工上のミスによるひび割れが対象です。補修後のひび割れ再発防止なども保証対象となるケースがあります。